営業提案ソフトの比較と選び方|提案書作成から商談可視化まで【2026】
営業ツール比較95 min read

営業提案ソフトの比較と選び方|提案書作成から商談可視化まで【2026】

著者: Terasu編集部

営業提案ソフト(sales proposal software)とは、提案書の作成から送付、開封後の閲覧状況の把握までを一つの画面で支援するツールを指します。多くの日本の営業チームは今もPowerPointで資料をつくり、メールに添付して送り、その後に何が起きたかが見えないまま「送って終わり」になりがちです。提案書を速くきれいに作れるだけでは、商談は前に進みません。稟議・多部門・長期化という日本のB2B商談では、送った後に誰がどこを読み、社内でどう共有され、意思決定がどこで止まっているかが見えることの方が、成約を左右します。

本記事は、営業提案ソフトを「提案書の作成効率」だけでなく「送付後の商談可視化・フォロー・合意形成」まで含めた一つの判断軸で比較し、日本の営業組織が自社に合う一本を選べる状態にすることを目的としています。Proposify・Qwilr・PandaDoc・DocuSign CLM、そしてデジタルセールスルーム(DSR)であるTerasuを名指しで比較し、料金の考え方、ベンダーへの質問、導入判断の基準まで通しで整理します。まず自社の関心が「作成をとにかく速くしたい」のか「送付後のフォローを見える化したい」のか、どちらに近いかを意識しながら読み進めてください。その視点があるだけで、比較表の見え方が変わります。

営業提案ソフトを検討し始める背景には、たいてい共通した悩みがあります。担当者ごとに提案書の見た目や中身がばらばらで品質が安定しない、作成に時間がかかって商談のスピードが落ちる、そして送った提案がどう受け止められたのかが分からないまま次のアポを待つしかない——こうした「作成」と「送付後」の二つの詰まりを、一度に解決したいという動機です。ところが市場に出ているツールは、この二つのうち「作成」に軸足を置くものと「送付後」に軸足を置くものに分かれており、名前や広告のコピーだけでは見分けがつきにくくなっています。だからこそ、機能の一覧を眺める前に「自社はどちらの詰まりが痛いのか」を言語化しておくことが、遠回りを避ける最初の一歩になります。この記事では、その言語化を助けるために、各ツールの守備範囲を段階ごとに図解し、判断の物差しを先に提示してから比較へ入ります。

営業提案ソフト(sales proposal software)とは

営業提案ソフトとは、提案書の作成から送付、開封後の閲覧状況の把握までを一つの画面で支援するツールを指します。従来のPowerPoint+メールが「作って送る」までで手が止まるのに対し、営業提案ソフトは送った後の相手の反応まで営業側から見えるようにする点が本質的な違いです。提案を送ったあとに「開いてもらえたのか」「どこに関心を持ったのか」が分からず、次の連絡のタイミングを勘に頼っていた——そんな状態を、データで裏づけられるようにするのがこのカテゴリーの狙いです。

「sales proposal software」という英語の呼び名は、日本語では営業提案ソフト・提案書作成ソフト・セールス提案ツールなどと訳されますが、指しているものはおおむね同じです。もともとは、営業担当が個人のスキルに頼って提案書を作り、メールで送っていた作業を、組織として標準化・効率化し、さらに送付後の反応をデータで捉えられるようにするために生まれたカテゴリーです。海外では早くから普及しており、日本でもリモート商談やオンライン提案の広がりとともに、導入を検討する組織が増えています。

標準的な営業提案ソフトが備える機能セットは、おおむね次の4つに整理できます。第一に、テンプレートとコンテンツライブラリです。過去の勝ち提案や承認済みの文面・料金表を部品として持ち、ドラッグ&ドロップで組み立てることで、担当者ごとの品質のばらつきを抑えます。ベテランの提案の型を新人が再利用できるようになり、属人化を防げるのが利点です。第二に、閲覧トラッキング(エンゲージメント分析)です。提案書が開封されたか、どのページ・どのセクションが長く読まれたか、逆にどこが読み飛ばされたかまで可視化します。第三に、電子署名(e-sign)です。提案から発注・契約の合意までをオンラインで完結させ、押印や郵送の往復を省きます。合意までのリードタイムを縮め、遠隔地の相手とも同じスピードで進められるのが利点です。第四に、CRM連携です。SalesforceやHubSpotといった顧客管理・案件管理の基盤とデータを行き来させ、提案の状況を案件の記録に反映します。営業が別々のツールに同じ情報を二重入力する手間を減らし、案件の全体像を一元的に把握できるようにするのが狙いです。これら4つは、いわば営業提案ソフトの「基礎体力」にあたる機能で、どの製品を選んでも一定水準は期待できます。

ここで重要なのは、これらの標準機能が主要ツール間で横並びに存在するという事実です。Qwilr公式サイトProposify公式サイト(2026年8月時点、いずれも各社公表値)を照合すると、閲覧トラッキング・セクション別の滞在分析・電子署名・主要CRM連携・テンプレート編集という中核機能は、両社が共通して提供しています。つまり「閲覧分析ができるかどうか」「電子署名があるかどうか」といった機能のあるなしでは、もはや差がつきにくくなっています。

この点は、選定を始めたばかりのチームがつまずきやすいところです。各社の機能表を並べると、どれも似たような項目にチェックが並び、「結局どれも同じに見える」という状態に陥りがちです。しかし同じ「閲覧分析」という言葉でも、中身は大きく異なります。あるツールは「開封されたかどうか」の通知で止まり、別のツールは「どのセクションに何分とどまったか」まで見せ、さらに別のツールは「相手企業の中で誰に共有され、社内でどう検討が進んだか」まで踏み込みます。同じラベルの下に、深さの違う機能が並んでいるのです。機能表のチェックの数を数えるのではなく、一つひとつの機能が「どこまで見せてくれるのか」を確かめることが、横並びに見える製品群から本当の差を読み取るコツになります。

実際、選定で後悔しやすいのは、機能の多さに惹かれて選んだものの、日々の運用で使う機能は限られていた、というケースです。多機能であることと、自社にとって使いやすいことは別問題です。自社の営業がどの機能を毎日使い、どの機能があれば送付後の判断ができるのかを見極めれば、必要以上に高機能・高価格なツールを避けられます。

また、日本の営業組織にとっては、機能そのものの豊富さ以上に「その機能が日本の商習慣に合うか」が効いてきます。たとえば電子署名ひとつをとっても、社内の稟議や押印の慣行が残る企業では、いきなり全面的に置き換えるのが難しいことがあります。閲覧分析にしても、送った相手が一人の窓口担当ではなく、その後ろに情報システム・法務・調達・経営層といった複数の関係者を抱えている前提では、「窓口が開いたか」だけでなく「関係者の間でどう回ったか」が見えなければ意味が薄れます。標準機能が横並びだからこそ、選定の重心は「分析の深さ・価格の透明性・日本市場への対応」という、表のチェック欄には現れにくい三点へと移っていきます。次章では、その差が最もはっきり出る「作成で完結するツール」と「送付後まで担うデジタルセールスルーム」の線引きを、営業サイクルの段階に沿って確認します。

では、どこで差がつくのか。実際に選定の分かれ目になるのは、次の三点です。ひとつは分析の深さ、つまり「開封したかどうか」で止まるのか、「どのセクションを誰がどれだけ読み、社内でどう共有され、意思決定がどこまで進んだか」まで追えるのか。ふたつめは価格の透明性で、円建てで料金を公開しているツールと、公式サイトに金額を出さず個別見積もりを前提とするツールでは、導入検討にかかる手間そのものが変わります。みっつめは日本市場への対応で、日本語のインターフェース・国内サポート・国内で使われるCRMやチャットとの連携がどこまで整っているかです。この三点は、いずれも各社の機能一覧表を眺めているだけでは見えてきません。デモを依頼して実際の画面を確認したり、無料トライアルで自社の商談を載せてみたり、価格を問い合わせてみて初めて分かる違いです。だからこそ、機能のチェック欄を数える段階で候補を絞りすぎず、この三点を確かめる手順を選定プロセスに組み込んでおくことが重要になります。次章では、この「作成で完結するツール」と「送付後まで担うデジタルセールスルーム」の線引きを具体的に確認します。

提案書作成ツールとデジタルセールスルームの違い

提案書作成ツールは作って送るまでを、デジタルセールスルームは送付後の閲覧・やり取り・意思決定の追跡までを担う点で異なります。同じ「営業提案ソフト」という言葉でくくられていても、守備範囲がどこまで伸びているかが根本的に違います。この違いを理解しないまま「提案書がきれいに速く作れるから」という理由だけでツールを選ぶと、いざ導入した後に「送った後が相変わらず見えない」という当初の悩みが残ったまま、という事態になりかねません。

では、その守備範囲の違いはどこで生まれるのでしょうか。営業サイクルを提案の起点から合意までで並べると、大きく5つの段階に分かれます。各段階でツールがどこまで支援してくれるかを見ると、作成寄りのツールとDSRの役割分担がはっきりします。下の図のように、提案書作成ツールは前半の2段階で完結し、デジタルセールスルームは全5段階をカバーします。

営業提案ソフトの守備範囲:提案書作成ツールとデジタルセールスルームの違い

図の5段階を左から順に説明すると、次のとおりです。

  1. 提案書作成 — テンプレートやライブラリを使って提案書を組み立てる段階。
  2. 送付・共有 — 完成した提案書を相手に送り、共有する段階。
  3. 閲覧・行動の可視化 — 相手が開封し、どこを読み、どこで迷っているかが見える段階。
  4. 社内フォロー/合意形成 — 相手企業の中で提案が共有され、関係者が検討し、社内の合意が形成される段階。
  5. 受注・合意 — 意思決定が下り、発注・契約として合意にいたる段階。

提案書作成ツール(PowerPoint+メールもこの延長線上にあります)は、この5段階のうち前半2段階、つまり「作成」と「送付・共有」でおおむね役目を終えます。優れたツールであれば3段階目の閲覧トラッキングまで踏み込みますが、そこから先の「相手企業の中で誰が検討し、稟議がどこで止まり、社内でどのメモが回っているか」までは、そもそも設計の対象外です。提案書は美しく速く作れても、送った後の商談の中身は営業側から見えないままになりがちです。

具体的な場面で考えてみましょう。ある提案を先方の窓口担当に送ったとします。作成ツールなら「開封された」「料金ページを長く見ていた」ところまでは分かるかもしれません。しかし、その窓口担当が社内の上長に転送し、上長が別の懸念を持ち、情報システム部門にセキュリティ確認を依頼し、調達部門が相見積もりを取り始めた——という一連の動きは、送った提案書のトラッキングには現れません。営業側から見えるのは「開封された」という点だけで、その後に相手企業の中で起きている検討のプロセスは、次のアポで相手が話してくれるまで闇の中です。日本の商談で「なんとなく止まっている」「返事が遅い」の多くは、この見えない社内プロセスの中で起きています。作成ツールが悪いのではなく、そこは作成ツールの守備範囲の外なのです。

デジタルセールスルーム(DSR)は、この5段階すべてを一つの場でつなぐことを狙った仕組みです。提案書だけでなく、関連資料・メッセージ・タスク・関係者・意思決定の履歴を「Room」と呼ばれる共有ワークスペースに集約し、長い商談でも文脈を失わないようにします。提案をメールに添付して送る代わりに、商談ごとに一つのRoomを用意し、そこに提案書も補足資料もやり取りも集める——というイメージです。相手はメールの添付ファイルを探し回る必要がなくなり、営業側はその一つの場で何が起きているかを追えるようになります。Terasu公式サイト(2026年8月時点、自社の一次情報)によれば、Terasuの各Roomでは閲覧率・返信・未対応タスクが可視化され、そのRoom内の情報だけを参照して出典付きで答えるAI(分からないことは「分からない」と答える設計)や、合意・ドキュメント更新・タスクの履歴を保持して意思決定の理由を後から追える「Decision Trail」、顧客に見えるページと社内メモを分ける権限設計(顧客に見える操作は必ず承認後に実行される)、担当・マネージャー・プリセールス・顧客担当といった関係者別のビューが提供されます。

この設計は、日本の商談で起きがちな二つの事故を防ぐことを意識しています。ひとつは「大事な約束が埋もれる」問題です。長い商談ではメールとチャットと会議メモに情報が散らばり、以前どんな条件で合意したかが分からなくなります。意思決定の履歴を一つの場に残しておけば、担当者が変わっても、あるいは数か月後に蒸し返された論点でも、いつ誰が何を決めたかをさかのぼって確認できます。担当者の異動や退職で商談の文脈が失われる、いわゆる引き継ぎの断絶も、履歴が残っていれば軽減できます。もうひとつは「顧客に見せてはいけない情報が漏れる」問題です。社内向けのメモや値引きの検討を、顧客に見えるページと混同して送ってしまう事故は、メール運用では起こりがちです。宛先を間違える、社内メモをそのまま転送してしまう、といったヒューマンエラーは、注意力だけでは防ぎきれません。顧客に見せる情報と社内メモを分け、顧客に見える操作は承認後にしか実行されない仕組みは、この種のヒヤリとを構造的に減らします。人の注意に頼るのではなく、仕組みで事故を起きにくくするという発想です。作成ツールが「良い提案書を速く作る」ことに最適化されているのに対し、DSRは「送った後の商談を、複数の関係者と長期にわたって、事故なく前に進める」ことに最適化されている——この目的の違いが、守備範囲の違いとして現れます。どちらが優れているという話ではなく、解こうとしている課題が違うのです。提案書の質やスピードで負けているなら作成ツールが効きますし、良い提案は作れているのに送った後で失注理由も分からず止まってしまうなら、必要なのはDSRです。自社の商談が「作成で詰まっているのか、送付後で詰まっているのか」を見極めることが、正しいツール選びの起点になります。

日本のB2B商談は、単発ではなく数か月にわたり、営業担当だけでなく情報システム・法務・調達・経営層まで巻き込みながら進むことが少なくありません。窓口担当が乗り気でも、稟議の途中で予算部門が難色を示したり、情報システムがセキュリティ要件を持ち出したりして、提案は何度も社内を往復します。この長い往復の間に、以前どんな条件で合意したか、どの資料の最新版がどれか、次に誰の承認を待っているのかが曖昧になり、商談は「なんとなく停滞」していきます。「送って終わり」の前提のままでは、その長い期間に大事な約束や論点が埋もれ、失注の理由すら振り返れなくなります。提案書作成ツールとDSRの違いは、この「送付後が見えるかどうか」に集約されます。

もっとも、作成ツールとDSRは二者択一ではありません。提案書の作成そのものを速くしたいという課題と、送付後を可視化したいという課題は、両方が同時に存在することも多いからです。その場合は、作成に強いツールで提案書を仕上げ、それをDSRのRoomに載せて送付後を管理する、という役割分担も選択肢になります。大切なのは、自社が抱える二つの課題のどちらがより痛いかを見極め、優先順位をつけて選ぶことです。DSRそのものの機能や導入効果を深く知りたい場合は、デジタルセールスルームの機能・選び方・ROIを解説した記事もあわせて参照してください。本記事はあくまで「提案ソフトを選ぶ」観点で、送付後可視化の有無に絞って違いを整理しています。

主要な営業提案ソフトを比較する

主要な営業提案ソフトは標準機能が横並びで、実際に差がつくのは分析の深さ・価格の透明性・日本市場への対応の三点です。ここでは代表的な5つの選択肢を名指しで比較します。まず全体像を一覧で押さえ、そのうえで各ツールの強み・限界・向き不向きを個別に見ていきます。

比較の前に、5つの選択肢の位置づけを整理しておきます。Proposifyは提案の標準化と開封後分析に強い作成寄りのツール、Qwilrは見栄えと閲覧分析を素早く立ち上げられる作成寄りのツール、PandaDocは提案・見積・契約を扱う定番ですが本記事では公式情報を確認できていない選択肢、DocuSign CLMは提案よりも契約フローの統制に軸足があるエンタープライズ向け、そしてTerasuは送付後の商談可視化に軸足を置くデジタルセールスルーム——という並びです。同じ「営業提案ソフト」の候補として並んでいても、作成に強いのか、契約に強いのか、送付後の可視化に強いのかで得意領域が分かれます。表を読むときは、料金や機能の項目だけでなく、右端の「送付後の可視化」と「向いているケース」を起点に、自社の課題に近い行から見ていくと判断がぶれません。

提案ソフト料金(2026年8月時点)主な機能対象規模送付後の可視化向いているケース
Proposify公式サイトで見積り(公開ドル価格なし)テンプレ標準化・コンテンツ統制(勝手な編集を防ぐロック)・セクション別滞在分析・電子署名・CRM連携中〜大規模の営業チーム開封通知とセクション別滞在時間まで提案の品質を標準化し、開封後の読まれ方を分析したいチーム
Qwilr公式サイトで見積り(公開ドル価格なし。14日無料トライアルあり)インタラクティブ提案・注目箇所の分析・提案書内決済(QwilrPay)・電子署名・AI作成小〜中規模から閲覧・注目箇所の分析まで見栄えのよい提案と閲覧分析を素早く始めたいチーム
PandaDoc公式で要確認(本記事未確認)提案・見積・契約を扱う文書ツール(詳細は公式で要確認)小〜中規模〜開封トラッキング相当(範囲は要確認)提案・見積・契約を一つで扱う定番を候補に入れたい場合
DocuSign CLM公式サイトで見積り(公開ドル価格なし)条項ライブラリ・AIレビュー・承認ワークフロー・100超の事前設定ステップ大企業・エンタープライズ契約生成〜締結の進捗管理提案から契約フローまで一気通貫が必要な大企業
TerasuFree ¥0/Starter ¥9,800/Business ¥29,800/Enterprise 要問合せ(14日無料トライアル)Room集約・閲覧率/返信/未対応タスクの可視化・出典付きAI・Decision Trail・関係者別ビュー個人・小規模から全社まで段階的に開封後の閲覧・社内フォロー・合意形成まで長期・多部門商談で送付後を可視化し、顧客と社内を分けたいチーム

以下、各ツールの立ち位置を、強み・限界・料金や出典の境界・向き不向きの順に補足します。数値はいずれも各社公式サイトの公表値(2026年8月時点、第三者による独立検証ではありません)である点に留意してください。各社が掲げる数字は、あくまで「そのツールを使ったある条件下での実績」として同社が公表しているもので、業界横断の中立な調査結果ではありません。読むときは「この会社はこう言っている」という前提で受け取り、自社に当てはまるかは試験導入で確かめる、という姿勢が安全です。そのうえで、強みと限界、そして向き不向きをセットで見ていくと、宣伝文句に流されずに各ツールの実像をつかめます。

Proposify — 提案の標準化と開封後分析

Proposifyの強みは、提案の品質を組織として標準化しつつ、開封後の読まれ方を細かく分析できる点にあります。テンプレートとコンテンツライブラリで提案の型を揃え、承認済みのコンテンツをロックして担当者が勝手に書き換えられないようにする「コンテンツ統制」を備えます。さらに、提案書のどのセクションに相手がどれだけ時間を使ったかをセクション別に分析できます。Proposify公式サイト(2026年8月時点、各社公表値)は、業界平均の2倍の成約率、平均17分での提案書作成、Proposify経由で送られた提案の43%が開封から24時間以内に成約、8,976社の利用といった数字を掲げています。ここで注意したいのは、これらの数字が「Proposifyを使った場合にこうなる」という因果を保証するものではなく、あくまで同社が自社の利用実績として公表している値だという点です。とりわけ「開封から24時間以内に43%が成約」という数字は、提案の温度が高いうちに素早く動くことの重要性を示す指標として読むと参考になりますが、自社の商材や商談サイクルにそのまま当てはまるとは限りません。自社で再現できるかは、実際の商談での試験導入で確かめるのが確実です。限界としては、公式サイト上にドル建ての具体的な料金が掲載されておらず、プランはBasic/Team/Businessの3段階で、金額は問い合わせや見積もりが前提になる点が挙げられます。向いているのは、提案の品質を全社で揃えたい中〜大規模の営業組織や、開封後の読まれ方を分析して提案を改善したいチームです。担当者ごとに提案の質がばらつく、承認前の内容が勝手に送られてしまう、といった統制の悩みが強い組織では特に効果を発揮します。向いていないのは、送付後の社内フォローや意思決定の履歴まで一つの場で追いたいケースで、そこは提案書作成ツールの守備範囲を超えます。その場合はDSRとの併用を検討するのが現実的です。

Qwilr — 見栄えと閲覧分析を素早く

Qwilrの強みは、Webページのようにインタラクティブで見栄えのよい提案を素早く作り、相手がどこに注目したかまで分析できる点です。提案書内で決済まで完結できるQwilrPayや電子署名、Webサイトから提案テンプレートを生成するAI作成機能も備えます。Qwilr公式サイト(2026年8月時点、各社公表値)は、勝率が20%以上向上、営業資料の作成時間を75%削減、ROI回収まで5か月、成約までの時間が20%短縮といった数字を掲げ、提案が閲覧・署名・承認された際の通知や、相手が文書のどこに注目しているかの詳細な内訳を提供するとしています。連携先としてHubSpotやSalesforce、Pipedrive、Slack、Stripe、Zapierなどが挙げられており、既存の営業スタックに組み込みやすい設計です。これらの数値も同社の自社公表値であり、第三者検証を経たものではない点は、他社と同様に留意してください。無料トライアルは14日間(クレジットカード不要)です。限界は、Proposify同様に公式サイト上に具体的な金額が表示されていない点です。向いているのは、見た目の質と閲覧分析を手早く立ち上げたい小〜中規模のチームで、提案の第一印象で差をつけたい商材に向きます。向いていないのは、複数部門を巻き込む長期商談で、送付後の合意形成の履歴まで管理したいケースです。見栄えのよい提案は作れても、相手企業の中で提案がどう検討されているかまでは追えないため、そこが課題ならDSRの併用や乗り換えを検討することになります。

PandaDoc — 定番だが本記事では未確認

PandaDocは、提案・見積・契約を扱う文書ツールとして広く知られた定番の選択肢です。ただし本記事では、今回PandaDocの公式ページの情報を確認できていないため、料金・機能・実績の具体的な数値については断定できません。料金・機能は各社公式で要確認としてください。候補に入れる価値は十分ある一方、本記事の比較表・本文では、確認できていない数値をあたかも確定した事実のようには扱いません。ここで数字や機能をそれらしく書くことはできますが、確認できていない情報を断定するのは読者にとって不誠実であり、意思決定を誤らせる恐れがあります。だからこそ本記事は、確認できた範囲だけを根拠として示し、確認できていないものは正直に「要確認」と記す方針をとっています。実際に検討する際は、必ずPandaDocの公式サイトで最新の料金体系・機能・日本語対応・CRM連携を直接ご確認ください。そのうえで、他の候補と同じ物差し(作成効率・送付後の可視化・価格の透明性・日本市場対応)で並べて比べると、自社にとっての位置づけが見えてきます。

DocuSign CLM — 提案の先の契約フローまで

DocuSign CLMは、厳密には「提案書作成ソフト」よりも一段先、契約の生成から締結・管理までを自動化する契約ライフサイクル管理(CLM)の製品です。強みは、条項ライブラリ・AIによる条項レビュー・承認ワークフロー・100を超える事前設定済みの契約管理ステップといった、契約フローの標準化と自動化にあります。DocuSign公式サイト(2026年8月時点、各社公表値)は、ROI 449%、新規営業契約の生成時間を90%短縮、エラーを85%削減、2,200社のエンタープライズ利用といった数字を掲げています。提案書を作る段階よりも、合意した内容を契約として正確・迅速に締結し、条項や承認を統制する段階に価値の中心があると理解するのが正確です。なお同ページには「Gartner Magic Quadrant Leader」という記述もありますが、これはDocuSign公式ページ上の記載としての紹介であり、Gartnerの一次情報を独立の根拠として本記事が引用しているものではありません。限界は、提案書を素早く作ることそのものより契約統制に軸足がある点で、提案の作成効率だけを求める段階ではオーバースペックになりがちです。導入や運用も相応に本格的で、少人数のチームが手軽に始めるツールとは性格が異なります。向いているのは、提案から契約フローまで一気通貫の統制が必要な大企業・エンタープライズや、契約書の作成・承認に多くの人手と時間がかかっている組織です。向いていないのは、まず提案の作成と送付後フォローを軽く始めたい小規模チームです。契約の手前、つまり提案と商談の段階が課題であれば、作成ツールやDSRのほうが目的に合います。自社の課題が「契約前」なのか「契約そのもの」なのかを見極めると、DocuSign CLMが候補になるかどうかが判断しやすくなります。

Terasu — 送付後の商談可視化に軸足

Terasuは、提案書を作ることよりも、送った後の商談全体を可視化し、意思決定を追跡することに軸足を置いたデジタルセールスルーム(DSR)です。強みは、ページ・資料・メッセージ・タスク・関係者・AIの参照ソースを「Room」に集約し、長期・多部門の商談でも文脈を失わない点。各Roomで閲覧率・返信・未対応タスクが可視化され、そのRoom内の情報だけを参照して出典付きで答えるAI、合意やドキュメント更新の履歴を保持して意思決定の理由を追える「Decision Trail」、顧客に見えるページと社内メモを分ける権限設計(顧客に見える操作は承認後に実行)、関係者別のビューを備えます。特に、そのRoom内の情報だけを根拠に答え、分からないことは「分からない」と正直に返すAIの設計は、社外に対して不正確な情報を出してしまうリスクを避けたい商談の場面で扱いやすい仕組みです。料金は円建てで公開されており、Free ¥0・Starter ¥9,800・Business ¥29,800・Enterprise 要問い合わせと段階が明確です(Terasu公式サイト、2026年8月時点の自社公表値)。BusinessではDeal Health AIによる5軸のスコアリングやステークホルダーマップが加わり、EnterpriseではSalesforce/HubSpotとのCRM連携やSSO、監査ログ、SLAに対応します。作成に強い他ツールとは軸が異なり、「提案書をきれいに作る」機能を競うのではなく、「送った後に商談を前へ進める」ことを支える設計になっている点が特徴です。限界は、現在アーリーアクセス段階であり、機能・価格が今後変更される可能性がある点です。向いているのは、稟議や多部門を巻き込む長期商談が多く、送付後を見える化して顧客と社内の情報を分けたいチーム。向いていないのは、提案書の作成速度だけを上げたい段階で、送付後の管理が当面不要なケースです。作成の効率化と送付後の可視化の両方が課題なら、作成寄りのツールとDSRを役割分担で併用する選び方も現実的です。

ここまでの5つを整理すると、Proposify・Qwilr・PandaDocは「作成」に軸足を置く選択肢、DocuSign CLMは「契約」に軸足を置く選択肢、Terasuは「送付後の可視化」に軸足を置く選択肢、という三つのグループに分かれます。同じ「営業提案ソフト」という言葉で探し始めても、実際には解こうとしている課題が異なるツールが並んでいるわけです。だからこそ、比較の出発点は「どのツールが優れているか」ではなく「自社はどのグループの課題を抱えているか」になります。なお、DSRという選択肢を複数横並びで比べたい場合は、デジタルセールスルームのツールを比較した記事で、他のDSRツールとの違いや選定観点を確認できます。ここまでで候補を2〜3に絞れたら、次章の選び方に進んでください。

自社に合う選び方

自社に合う一本は、作成効率と送付後可視化のどちらを重視するかを起点に、規模・連携・価格・サポートで絞り込んで決めます。機能表を上から順に眺めるのではなく、まず自社の課題がどちらの軸に寄っているかを決めるのが近道です。多くのチームが「どのツールが一番高機能か」を探そうとして迷子になりますが、正しい問いは「自社の課題を解くのに必要な機能は何か」です。作成の効率化が痛点なら作成寄りのツール、送付後が見えないことが痛点ならDSRへと、課題を起点に絞り込めば、候補は自然と数個に減ります。ここでは、その絞り込みを支える選定基準・ベンダーへの質問・導入の進め方を順に見ていきます。

選定で見るべき基準

選定基準は、次の6つに整理すると比較しやすくなります。

第一に、作成効率です。テンプレートやコンテンツライブラリが自社の提案スタイルに合うか、担当者ごとの品質のばらつきを抑えられるか、承認済みコンテンツをロックできるか。ここが弱いと、ツールを入れても結局PowerPointに戻ってしまいます。

第二に、送付後の可視化です。開封の有無だけで止まるのか、セクション別の滞在まで見えるのか、さらに相手企業の中での社内共有・検討・意思決定の履歴まで追えるのか。日本の長期商談では、この深さが失注理由の振り返りと次の一手を左右します。

第三に、対象規模との適合です。個人・小チームで小さく試したいのか、全社で標準化したいのか。ユーザー数・Room数・容量の上限が自社の使い方に合うかを確認します。少人数で始めるつもりでも、成果が出れば全社展開したくなるのが常なので、拡大したときの上限と追加費用まで見ておくと、後から乗り換える手間を避けられます。

第四に、連携です。SalesforceやHubSpotといったCRM、SlackなどのチャットやMCP対応のAIエージェントと接続できるか。既存の営業フローに乗せられないツールは定着しません。連携が「一方向にデータを送るだけ」なのか「双方向で同期する」のかによって、現場の入力の手間が大きく変わる点も見落とせません。

第五に、価格の透明性です。円建てで公開されているか、無料枠や無料トライアルで検証できるか、それとも個別見積もりが前提か。金額非公開のツールは、検討段階でベンダーとのやり取りに時間がかかることを織り込む必要があります。社内で予算を確保する段取りを考えると、早い段階で概算を握れるかどうかは実務的に効いてきます。

第六に、サポートと日本語対応です。日本語のインターフェース、国内での問い合わせ体制、導入時の支援が受けられるか。海外ツールでは、機能は充実していても、問い合わせの一次回答が英語だったり時差で遅れたりして、運用が滞ることがあります。日々使うメンバーがストレスなく扱えるかは、機能表には現れない定着の条件です。

これら6基準のうち「作成効率」と「送付後の可視化」は特に重要で、この2軸で候補を置くと立ち位置が一目で分かります。下のマトリクスのように、横軸の作成効率と縦軸の送付後の可視化のどちらを重視するかで、置き場所が変わります。

営業提案ソフトのポジショニング:作成効率と送付後の可視化の2軸

図では、左下に汎用の運用(PowerPoint+メール)、右下寄りに文書作成特化(Proposify/Qwilr)、中央下に契約・承認特化(DocuSign)、そして右上に送付後の可視化まで担うデジタルセールスルーム(Terasu)を配置しています。作成効率だけを追えば右下で足りますが、送付後まで見たいなら上方向、つまりDSRへ判断軸が移ります。多くのチームがまず「右方向(作成効率)」に目が向きますが、失注の理由が追えない・返事が遅い相手にどう手を打つべきか分からない、といった悩みが強いなら、優先すべきは「上方向(送付後の可視化)」です。この2軸のどちらを先に埋めるかを決めておくと、機能表を細かく比べる前に候補を大きく絞り込めます。提案書そのものの書き方を強化したい場合は、提案書の書き方とテンプレートを解説した記事が別途役立ちます。

最初の商談でベンダーに聞くこと

選定基準が定まったら、次は実際にベンダーへ質問する段階です。無料トライアルや初回商談の前に、聞くべき質問をリスト化しておくと、営業トークに流されず自社基準で判断できます。商談の場ではどうしても相手のペースになりがちで、聞きたかったことを聞き逃したまま「良さそう」という印象だけが残ることがあります。あらかじめ質問を用意しておけば、複数のベンダーに同じことを尋ね、回答を横並びで比較できます。最低限、次の項目は確認してください。

  • 日本語のインターフェースと国内の問い合わせ・サポート体制はあるか。導入時の支援は受けられるか。
  • SalesforceやHubSpotなど、自社が使うCRM・SFAと双方向で連携できるか。連携は標準機能か追加費用か。
  • 送付後の可視化はどこまで見えるか。開封通知だけか、セクション別の滞在まで見えるか、相手企業内の社内共有・意思決定の履歴まで追えるか。
  • 料金は円建てで確定するか、為替やプラン改定の影響を受けるか。無料枠・無料トライアルの範囲と期限はどこまでか。
  • 顧客に見せる情報と社内メモを分けられるか。誤って顧客に社内情報が見えてしまう事故を防ぐ仕組みはあるか。
  • ユーザー・容量・Room(案件)の上限と、超過時の追加料金はいくらか。
  • 契約・解約の条件、データのエクスポート、既存資料の移行はどうなるか。

これらを一枚にまとめて持参すれば、複数ベンダーを同じ物差しで比べられます。特に、営業デモは各社が最も見栄えのする機能を中心に見せるため、質問リストがないと「すごそう」という印象だけが残り、自社にとって重要な弱点を見落としがちです。たとえば「送付後の可視化はどこまで見えるか」は、デモでは滑らかに見えても、実際には開封通知だけで社内の検討プロセスまでは追えない、という差が後から効いてきます。回答を口頭でうやむやにされた項目は、契約前に書面で確認しておくと安全です。加えて、導入後に問い合わせをしたときの一次回答が日本語で、どれくらいの速さで返ってくるかは、トライアル期間中に実際に問い合わせて確かめておくと、運用開始後のギャップを減らせます。

PoC・本導入・運用の進め方

いきなり全社導入せず、PoC(試験導入)→本導入→運用の3段階で、それぞれ次の段階へ進むかどうかの判断基準(go/no-go)を先に決めておくと、失敗が減ります。判断基準を後から決めようとすると、「なんとなく良さそう」「せっかく入れたから」といった感情に引きずられ、合わないツールを使い続けてしまいがちです。各段階に進む前に、何が満たされれば次へ進み、何が満たされなければ止めるのかを紙に書き出しておくと、判断がぶれません。

PoCの段階では、1〜2件の実際の商談で試します。goの目安は、提案作成の時間が実際に短くなったか、送付後の閲覧状況が営業メンバーに見えるようになったか、現場が「これなら続けられる」と感じたか。no-goの目安は、既存フローとの二重入力が増えただけ、あるいは誰も送付後のデータを見ないまま終わった場合です。

本導入の段階では、対象チームを広げます。goの目安は、CRMとの連携が実運用に耐えるか、日本語サポートで詰まりが解消されるか、料金が想定内に収まるか。no-goの目安は、上限(ユーザー・容量・Room)にすぐ達して費用が跳ね上がる、あるいは日本語対応で運用が滞る場合です。

運用の段階では、定着とROIを見ます。goの目安は、送付後の可視化データが実際に次の一手(フォローのタイミング・訪問先の優先順位)に使われ、失注理由の振り返りができているか。ここまで来て初めて、ツールは「入れただけ」から「効いている」に変わります。判断に迷う項目があれば、後述のチェックリストとベンダーへの質問リストに戻ってください。

この3段階を分けておく最大の利点は、「合わなかったときに小さく引き返せる」ことです。いきなり全社契約を結ぶと、現場に合わないと分かっても契約期間が終わるまで抜けられず、費用だけがかさみます。PoCを1〜2件の実案件に絞り、明確なgo/no-goの線を先に引いておけば、判断は感覚論ではなく事実に基づきます。特に送付後の可視化を狙って導入する場合、「データは取れているのに誰も見ていない」という状態が一番もったいないパターンです。PoCの段階から「毎週の商談レビューで開封・閲覧のデータを一度は見る」といった運用ルールをセットで試し、そのルールごと定着するかを見極めてください。ツールの機能ではなく、ツールを使った行動が習慣になるかどうかが、運用段階のgo/no-goの本質です。

料金・費用の考え方

営業提案ソフトの費用は、円建てで公開するツールと、公式に金額を出さず見積り前提のツールに大きく分かれるのが実態です。この構造を理解しておくと、検討にかかる手間と総額の見通しが立てやすくなります。

海外の提案書作成ソフトの多くは、公式サイトに具体的な金額を掲載していません。Qwilr公式サイトもProposify公式サイトも(2026年8月時点、各社公表値)、機能やプラン段階の説明はあっても、ドル建ての価格はページ上に表示されておらず、実質的に問い合わせ・見積もりが前提です。DocuSign CLMも同様に、公開の価格は掲げていません。これは、検討の初期段階からベンダーとのやり取りが必要になり、比較検討そのものに時間がかかることを意味します。

価格が公開されていないこと自体は珍しくなく、規模や要件に応じて柔軟に見積もる方針の表れでもあります。ただし、日本の稟議では「いくらかかるか」を最初に社内へ示せないと、検討の入り口で止まってしまうことがあります。ドル建ての金額は為替の影響も受けるため、円換算した総額や、翌年以降の更新でいくらになるかまで見通しにくいのも実務上の負担です。導入の意思決定を社内で通しやすくするには、早い段階で概算を握れるツールほど有利になります。この「価格の見通しやすさ」も、機能と同じくらい選定を左右する要素だと考えておくとよいでしょう。

一方でTerasuは、円建てで段階的な価格を公開しています。Terasu公式サイト(2026年8月時点の自社公表値)によれば、Free ¥0(2ユーザー・3Room・500MB)、Starter ¥9,800(3ユーザー・超過は1ユーザーあたり+¥2,480・30Room・10GB・詳細分析・Slack連携)、Business ¥29,800(10ユーザー・超過は1ユーザーあたり+¥2,980・無制限Room・50GB・Deal Health AIの5軸スコアリング・ステークホルダーマップ)、Enterprise 要問い合わせ(CRM連携・SSO・監査ログ・SLA)という構成です。有料プランには14日間の無料トライアルがあり、Freeプランはクレジットカード不要で始められます。

この段階構成は、日本の組織で導入を進めるうえで扱いやすい形になっています。まずFreeで数件の商談を実際にRoomに載せて感触をつかみ、手応えがあればStarterで小さなチームに広げ、全社的に定着させる段になったらBusinessへ、という具合に、投資を実績に合わせて増やせます。稟議を通す側から見ると、「まず無料で試し、効果が見えてから月額1万円弱で本格導入」という筋書きは、いきなり大きな契約を求められるより格段に通しやすいはずです。ユーザー数や容量の上限に達したら超過分に定額の追加料金がかかる仕組みなので、拡大時のコストも読みやすくなっています。金額が最初から見えていることで、社内合意のスピードそのものが上がる点は、価格公開のもう一つの効用と言えます。

費用を考えるときは、月額の表示価格だけでなく、実際にかかる総額で見ることが大切です。ユーザーを追加すれば1人あたりの超過料金が乗り、容量やRoom(案件)の上限を超えれば上位プランが必要になります。連携やサポートがオプション扱いなら、そのぶんも積み上がります。つまり「入口の月額」と「実運用の総額」は別物として見積もる必要があります。自社の使い方に近いパターンで、おおよその費用感をつかむための目安を示します。

使い方の想定目安レンジ補足
提案書作成が中心(送付後の管理は当面不要)無料〜数千円/人・月無料枠や作成特化ツールで開始できる。送付後の可視化は限定的
送付後の可視化・社内フォローも含めて運用したい月1万円前後〜Room集約型のDSRを段階的に導入するレンジ。ユーザー・容量の上限に注意
全社・契約統制まで一気通貫(エンタープライズ)個別見積もりCRM連携・SSO・監査ログ・SLA等を含み、金額は要問い合わせ

このレンジはあくまで考え方の目安です。実際の金額は、ユーザー数・容量・Room数・必要な連携・サポート範囲によって上下します。海外ツールは為替やプラン改定の影響も受けます。費用対効果を判断するときは、月額だけを見るのではなく、「そのコストで営業のどの時間が減り、どの商談が前に進むか」を合わせて考えるのが実務的です。作成時間の短縮や、送付後のフォロー精度の向上によって受注が一件でも増えれば、月額数千円から数万円のコストは十分に回収できる規模になり得ます。逆に、導入しても誰も使わなければ、どんなに安くても投資は無駄になります。金額そのものよりも、その投資が実際の営業成果につながる運用を組めるかどうかが、費用の考え方の本質です。

※料金は2026年8月時点の各社公式サイト公表値です。最新の金額・プラン内容は各社公式サイトまたは見積もりでご確認ください。特に、公開価格のない海外ツールは、検討段階で必ず見積もりを取り、円換算後の総額と更新条件まで確認することをおすすめします。

導入前に確認したい注意点

導入で失敗を避けるには、数値の出どころ・変更可能性・日本語対応・既存フローとの接続・社内定着という、本テーマ特有の落とし穴を先に押さえておくことが有効です。

第一に、数値の出どころです。本記事で紹介した勝率・作成時間・成約スピードなどの数字は、いずれも各社が自社サイトで公表している値であり、第三者による独立した検証を経たものではありません。ベンダー資料の数字は「その条件下での自社公表値」として受け取り、自社で再現できるかはPoCで確かめるべきです。魅力的な数字ほど、どんな条件下・どんな企業での実績なのかを確認する価値があります。自社の商材・商談サイクル・顧客層が大きく異なれば、同じ効果が出るとは限りません。数字を鵜呑みにせず、判断材料の一つとして扱う姿勢が、導入後のギャップを避けることにつながります。

第二に、変更可能性です。特にアーリーアクセス段階の製品(Terasuもこれに当たります)は、機能・価格が今後変わる可能性があります。導入時点の条件が続く前提で長期計画を立てず、契約更新のタイミングで条件を再確認してください。

第三に、日本語・国内サポートです。海外発のツールは、インターフェースや通知の一部が英語のままだったり、サポートの時差・言語がネックになったりすることがあります。実際に自社メンバーが日本語で問題なく操作・問い合わせできるかを、導入前に確認しましょう。

第四に、既存フローとの接続です。メール・CRM・チャットといった今のフローに乗せられなければ、二重入力が発生してツールは使われなくなります。連携が標準機能なのか追加費用なのか、双方向なのかも確認が必要です。

第五に、そして最も見落とされがちなのが、社内定着です。送付後の可視化ツールを入れても、誰もそのデータを見なければ意味がありません。「開封状況を見て次のフォローを決める」「失注時に閲覧履歴を振り返る」といった行動が、実際に営業の習慣になるかどうか。導入担当だけでなく現場が使い続ける設計・運用ルールを、導入前から用意しておくことが定着の分かれ目です。ありがちな失敗は、ツールの導入がゴールになってしまい、可視化されたデータが誰の意思決定にも使われないまま放置されるパターンです。これを避けるには、「誰が」「いつ」「どの画面を見て」「何を判断するか」を、導入前に具体的に決めておくのが有効です。たとえば毎週の商談レビューで未対応タスクと閲覧状況を一度は確認する、失注時には必ず送付後の履歴を振り返る、といった運用を先に決め、それが回るかをトライアルで検証します。ツールは「見えるようにする」ところまでしかやってくれません。見えたものを使って動くのは人であり、その動きを習慣に落とす設計こそが、投資を無駄にしない鍵になります。

もう一点、日本の商談特有の注意として、顧客に見せる情報と社内情報の分離が挙げられます。値引きの検討や社内の懸念メモを、顧客と共有するページに誤って載せてしまう事故は、メール運用でもツール運用でも起こり得ます。顧客に見える操作が承認後にしか実行されない、社内メモと顧客向けページが明確に分かれている、といった仕組みがあるかを確認しておくと、こうしたヒヤリとを構造的に減らせます。買い手側の関係者が増えるほど、この分離の重要性は増していきます。買い手全体を巻き込んだ進め方をさらに深掘りしたい場合は、案件管理ツールを比較した記事も参考になります。

状況別の読み分け早見表

自分がどこから読むべきか、次に何をすればよいかを、当てはまる状況から逆引きできるようにまとめました。営業提案ソフトの検討といっても、抱えている悩みによって読むべき順番も、次に取るべき行動も変わります。下の表で自分に近い状況を見つけ、向いている行に沿って、次に読むセクションや関連記事へ進んでください。

当てはまる状況次に読むセクション・アクション
提案書の作成そのものを速くしたい本記事の比較表で作成特化ツールを確認。あわせて提案書の書き方の記事
送付後のフォローが見えず失注理由を追えない「提案書作成ツールとDSRの違い」の章へ。さらにDSRの機能・選び方の記事
案件全体を管理・可視化したい案件管理ツールを比較した記事
提案から契約・承認フローまで統制したい比較表のDocuSign CLMの行を確認し、案件管理ツールの比較記事もあわせて読む
まず費用感だけ知りたい本記事の「料金・費用の考え方」の章へ
DSRツールを横並びで比べたいデジタルセールスルームのツール比較記事
長期・多部門商談の送付後を可視化したい本記事の「自社に合う選び方」と末尾の無料相談へ

あわせて読むガイドとして、送付後の可視化を軸にツールを選ぶならDSRの機能・選び方・ROIの記事DSRツールの比較記事が、提案書そのものの質を高めるなら提案書の書き方の記事が、商談全体の進捗を管理したいなら案件管理ツールの比較記事が起点になります。本記事で全体像をつかみ、より深く知りたいテーマを見つけたら、これらの記事へ進むことで、比較・選定・導入の判断を一段ずつ具体化できます。営業提案ソフトの選定は、一度きりの買い物ではなく、自社の営業プロセスをどう変えたいかを考える機会でもあります。作成の効率化にとどまらず、送った後の商談をどこまで見えるようにしたいか——その問いを軸に据えると、数あるツールの中から自社に本当に必要な一本が見えてきます。

判断に使えるチェックリスト

最後に、候補を決める前にそのまま使えるチェックリストを用意しました。各項目にYes/Noで答え、Noが残る項目はベンダーへの質問リストに戻して確認してください。

  • 提案書の作成効率(テンプレート・コンテンツ統制)が自社の提案スタイルに合っているか
  • 送付後の可視化がどこまで見えるか(開封のみ/セクション別滞在/社内共有・意思決定の履歴まで)を把握したか
  • 日本語インターフェースと国内サポートが確認できているか
  • SalesforceやHubSpotなど自社のCRM・SFAと連携できるか(標準機能か追加費用か含む)
  • 円建ての料金・無料枠・無料トライアルの範囲を確認したか
  • ユーザー・容量・Room(案件)の上限と超過時の追加料金を把握したか
  • 顧客に見せる情報と社内メモを分けられるか(誤送信・誤公開を防げるか)
  • PoC(試験導入)で実際の商談を使って検証できるか
  • 導入後に送付後データを現場が使い続ける定着体制を用意できているか

半分以上がNoのままなら、いきなり全社導入せず、まずPoCと無料トライアルで検証することをおすすめします。逆に、上の項目がほぼYesで埋まり、特に「送付後の可視化」と「定着体制」に確信が持てるなら、導入して効果を出せる準備が整っている状態と言えます。チェックリストは一度きりで終わらせず、候補を2〜3に絞った後に各ツールで同じ項目を埋め直すと、横並びの比較がぶれずに進みます。ベンダーのデモを見た直後は印象が先行しがちなので、必ずこのリストに立ち返って、感覚ではなく事実で判断してください。

よくある質問

営業提案ソフトの検討でよく寄せられる疑問を、確認できた範囲の情報にもとづいて整理しました。数値はいずれも各社公式サイトの公表値(2026年8月時点、第三者検証ではありません)で、最新の内容は各社公式でご確認ください。

提案書作成ツールとデジタルセールスルームはどう使い分ければよいですか?
提案書作成ツールは「作って送る」までの効率化に強く、テンプレートや閲覧トラッキングで作成を速くします。デジタルセールスルーム(DSR)は送付後の閲覧・社内フォロー・意思決定の追跡まで担い、長期・多部門商談で「送った後が見える」状態をつくります。作成の速さだけが課題なら作成ツール、送付後のフォローや失注理由の振り返りまで必要ならDSRが向いています。
無料や無料トライアルで始められますか?
はい。多くのツールが無料トライアルを用意しています。Qwilrは14日間の無料トライアル(クレジットカード不要)を、Terasuは有料プランに14日間の無料トライアルを提供し、Terasuのフリープラン(¥0)はクレジットカード不要で始められます(いずれも各社公式サイト、2026年8月時点の公表値)。まずは無料枠やトライアルで、送付後の可視化が実際に自社の役に立つかを検証するのがおすすめです。
料金の相場はどれくらいですか?海外ツールの価格が公式に載っていないのはなぜですか?
実務的な目安は、提案書作成が中心なら無料〜数千円/人・月、送付後の可視化まで含めるなら月1万円前後から、全社・契約統制まで含めると個別見積もりです(2026年8月時点・最新は各社公式または見積もりで要確認)。海外の提案ソフトは公式サイトに金額を掲載せず、規模や要件に応じた見積もり提示を前提とすることが多く、そのため公開価格が見当たりません。円建てで段階価格を公開しているTerasuのようなツールは、検討時に総額を見積もりやすい利点があります。
日本語対応や国内サポートはありますか?
ツールによって異なります。海外発の提案ソフトはインターフェースや通知の一部が英語のままだったり、サポートの言語・時差がネックになることがあります。Terasuは日本の営業組織向けのデジタルセールスルームで、日本語で利用できます。導入前に、自社メンバーが日本語で操作・問い合わせできるか、国内での支援体制があるかを必ず確認してください。
SalesforceやHubSpotと連携できますか?
主要な営業提案ソフトの多くは、SalesforceやHubSpotなどのCRMと連携できます。Qwilr・Proposifyはこれらを含む主要CRM連携を公表しており、TerasuはEnterpriseプランでSalesforce/HubSpot連携やSSO、監査ログに対応します(各社公式サイト、2026年8月時点の公表値)。連携が標準機能か追加費用か、双方向かどうかは製品・プランで変わるため、初回商談で確認するのが確実です。
PandaDocとProposifyのどちらを選べばよいですか?
Proposifyは提案の標準化と開封後のセクション別分析に強みがあります(各社公表値)。PandaDocも提案・見積・契約を扱う定番ツールですが、本記事では公式情報を今回確認できていないため、料金・機能は各社公式で要確認としてください。どちらも「作って送る」までの効率化が中心で、送付後の社内フォローや意思決定の追跡まで一つの場で行いたい場合は、デジタルセールスルームを別途検討する価値があります。
導入するとどんな効果が見込めますか?
各社は勝率の向上や作成時間の削減、成約スピードの改善といった効果を公表しています。たとえばQwilrは勝率20%以上向上・作成時間75%削減、Proposifyは開封から24時間以内に43%が成約、DocuSign CLMはROI 449%といった数字を掲げています(いずれも各社公式サイト、2026年8月時点の自社公表値で第三者検証ではありません)。これらは自社の商材や商談サイクルにそのまま当てはまるとは限らないため、期待できる効果は試験導入で自社の数字を測って確かめるのが確実です。

本記事の情報について: 最終更新は2026年8月13日です。本記事の数値・引用は、各社公式サイト(Qwilr・Proposify・DocuSign・Terasu)で確認できた範囲(2026年8月時点)にもとづきます。これらの数値はいずれも各社の自社公表値であり、第三者による独立した検証を経たものではありません。今回確認できたのは上記4社の公式ページで、PandaDocなど確認できていない製品の料金・機能は各社公式サイトで要確認とし、本記事では確認できていない数値を確定した事実としては扱っていません。Terasuはアーリーアクセス段階のため、料金・機能は今後変更される可能性があります。最新の料金・機能は各社公式サイトでご確認ください。Terasuについてのご相談は /contact のお問い合わせから承ります。

無料相談・お問い合わせ

送付後の商談可視化まで含めて自社に合う一本を選びたいなら、デジタルセールスルーム(DSR)であるTerasuのデモ・導入相談・資料請求をご利用ください。ベンダーの見積もりや連携の技術確認、短期のPoC、送付後の可視化を実際に試したい段階の方には、相談が判断の近道になります。提案書をきれいに作るところで止まらず、送った後に相手企業の中で何が起きているかを見えるようにし、失注の理由まで振り返れる状態を目指すなら、まずは自社の実際の商談を一つRoomに載せて試してみるのが分かりやすい第一歩です。無料枠から始められるため、社内の合意を待たずに小さく検証できます。

相談すべき人: 送付後の商談が見えず失注理由を追えない/長期・多部門・稟議のある商談が多い/顧客に見せる情報と社内メモを分けたい/円建て価格で小さく始めて段階的に広げたい。

まだ相談しなくてよい人: まず提案書の作成速度だけを上げたい段階で、送付後の管理が当面不要な方(作成特化のツールで十分です)/個人利用で送付後の追跡が要らない方。こうした段階の方は、無理に相談へ進むより、比較表で作成特化のツールを確認したり、提案書の書き方の記事で提案そのものの質を高めたりするほうが、当面の課題に直結します。送付後の可視化が必要になったタイミングで、改めて相談を検討してください。

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