営業の種類を完全網羅|4分類軸でわかる営業スタイル・営業形態の違いと選び方
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営業の種類を完全網羅|4分類軸でわかる営業スタイル・営業形態の違いと選び方

著者: Terasu 編集部

営業の種類を完全網羅|4分類軸でわかる営業スタイル・営業形態の違いと選び方

営業の種類とは、営業活動を「対象顧客(誰に売るか)」「アプローチ(どう接点を持つか)」「関係段階(新規か既存か)」「企業形態(自社のビジネスモデル)」の4つの分類軸で整理したものである。法人営業・個人営業、新規開拓・ルート営業、インサイドセールス・フィールドセールス、メーカー・商社・代理店営業などは、この4軸のどこに位置するかで呼び名が変わるだけで、互いに排他的ではなく組み合わせで決まる。

この記事の要点(TL;DR):

  • 営業の種類は「4つの分類軸」で整理できる:①対象顧客(法人BtoB/個人BtoC)、②アプローチ(プッシュ型=攻め/プル型=待ち)、③関係段階(新規開拓/既存・ルート・深耕)、④企業形態(メーカー/商社/代理店)。多くの解説記事は「手法を縦に列挙する」だけだが、実際の営業職はこの4軸の"交差点"で決まる
  • タイプは排他ではなく重なる:たとえば「SaaSの法人向けインサイドセールス」は、軸①法人 × 軸②プル寄り × 軸③新規 × 軸④メーカー(自社開発)の組み合わせ。1つの営業職を1つの呼び名に押し込めず、軸の組み合わせで捉えると混乱しない
  • 比較できる唯一の総覧:本記事では全営業タイプを「定義/向き不向き/主要KPI/最大の難所/相性のよい運用」の統一フォーマットで横並び比較する。定義の羅列で終わる他の解説と違い、自分の適性や組織設計に直接使える
  • 自分に合う営業が見つかる診断:「誰に→どう→どんな関係で→どこまで提案するか」の4分岐で、向いている営業タイプと各タイプの深掘り解説へ案内する
  • どのタイプでも共通する運用課題:顧客情報の共有・商談の可視化・属人化の解消は営業の種類を問わず必要で、ここをデジタルセールスルーム(DSR)が横串で支える

「営業の種類」を調べる動機はさまざまです。就活や転職で営業職の全体像と違いを知りたい人、自社の営業組織をどう分類・設計すればいいか悩むマネージャー、「インサイドとフィールドはどう違う?」「法人営業と個人営業、どちらが自分に向いている?」と整理したい人——。共通するのは、バラバラに語られる営業の呼び名を、一度すっきり整理したいという気持ちです。

ところが世の中の解説の多くは、「新規開拓営業・ルート営業・インサイドセールス……」と手法を縦に並べて説明を付けるだけで、それぞれがどういう基準で分類されているのかが見えません。だから読み終えても「結局この営業とあの営業は何が違うの?」という疑問が残ります。

本記事は、営業の種類を4つの分類軸という1つの地図に落とし込み、全タイプを統一フォーマットで比較できるようにした総覧(ピラー)です。各タイプの仕事内容・向き不向き・難所をコンパクトに整理し、さらに深く知りたいものは個別の解説記事へ案内します。営業の呼び名を覚えるのではなく、「どの軸で・何が違うのか」を理解できる構成にしています。

この記事でわかること:

  • 営業の種類を整理する4つの分類軸(対象顧客・アプローチ・関係段階・企業形態)
  • 法人営業/個人営業、新規開拓/ルート、インサイド/フィールドなど全タイプの違い
  • 全営業タイプを「向き不向き・KPI・難所」で横並び比較した一覧表
  • 業界別に見る営業の特徴(不動産・金融・MR・IT/SaaS・人材・商社)
  • 自分に合う営業の種類を見つける診断フローと各タイプの深掘り解説への入口
  • どの営業タイプでも共通する運用課題と、その解決策

営業の種類は「4つの分類軸」で整理できる

営業の種類が分かりにくいのは、1つの営業職に複数の呼び名が同時に付くからです。たとえば「IT企業で新しい顧客にオンラインで商談する営業」は、見方を変えれば「法人営業」であり「新規開拓営業」であり「インサイドセールス」であり「無形商材営業」でもあります。これらは矛盾しているのではなく、別々の分類軸から同じ仕事を見ているだけです。

そこで、営業を分類する代表的な軸を次の4つに整理します。どんな営業の呼び名も、この4軸のどこに位置するかの組み合わせとして理解できます。

分類軸問い代表的な区分何が変わるか
① 対象顧客誰に売るか?法人営業(BtoB)/ 個人営業(BtoC)意思決定の人数・検討期間・購買の論理
② アプローチどう接点を持つか?プッシュ型(新規開拓・飛び込み・テレアポ)/ プル型(反響・インバウンド)接点の起点が自社か顧客か・心理的負荷
③ 関係段階新規か既存か?新規開拓営業 / ルート・深耕・御用聞き営業求められるスキル・KPIの置き方
④ 企業形態自社の立ち位置は?メーカー営業 / 商社営業 / 代理店営業扱う商材の幅・利害関係者・提案の自由度

この表の読み方:1つの営業職を理解したいときは、左の4軸それぞれについて「どの区分に当てはまるか」を当てはめていきます。たとえば「自動車ディーラーの個人向け店頭販売」は、①個人(BtoC)×②プル型(来店した人に対応)×③新規寄り×④メーカー(系列ディーラー)。「商社のルート営業」は、①法人×③既存(ルート)×④商社、という具合です。

このあと、さらにもう1つ重要な切り口として、**役割(インサイド/フィールドなどの分業)提案レベル(御用聞き→提案→ソリューション)**という見方も加えます。これらは厳密には軸②③と重なる部分がありますが、近年の営業組織を理解するうえで欠かせないため、独立した章で扱います。

最後に、軸の話に入る前に1つだけ前提を共有します。これらのタイプに「優劣」はありません。新規開拓が偉くてルート営業が楽、という話ではなく、それぞれ求められる強みと難しさが違うだけです。自分に向いたタイプ、自社に必要なタイプを見極めるための地図として読み進めてください。


【軸1】対象顧客で分ける:法人営業(BtoB)と個人営業(BtoC)

営業を分類するとき、最も大きな分かれ道が**「誰に売るか」**です。相手が企業(法人)か、一般消費者(個人)かで、商談の進み方も求められる力もまったく異なります。

法人営業(BtoB)とは

法人営業とは、企業や団体を顧客とする営業活動です。BtoB(Business to Business)とも呼ばれます。特徴は、意思決定に複数の関係者が関わり、検討期間が長いこと。担当者・現場責任者・決裁者・購買部門など、立場の異なる人を一つひとつ納得させていく必要があります。

そのため法人営業では、感情に訴えるよりも**「導入による費用対効果」をロジカルに説明する力**と、社内外の関係者を調整する力が重要になります。1件あたりの取引額が大きく、契約後も長く付き合う前提のため、目先の成約より信頼関係の構築が成果を左右します。法人営業の進め方をより詳しく知りたい場合は、BtoB営業プロセスの設計も参考になります。

個人営業(BtoC)とは

個人営業とは、一般消費者を顧客とする営業活動です。BtoC(Business to Consumer)とも呼ばれます。不動産・自動車・保険・住宅・金融商品など、個人にとって高額な商材を扱うことが多いのが特徴です。

意思決定者は基本的に目の前の本人(または家族)であり、感情・直感・信頼が購入の決め手になりやすい傾向があります。そのため、相手に共感し、不安を取り除き、最後のひと押し(クロージング)で決断を後押しする力が求められます。もっとも、住宅や投資商品のような高額商材では個人でも他社比較や損得の論理が強く働くため、共感一辺倒ではなく、感情と論理の両面に応える姿勢が成果を左右します。法人営業に比べて検討期間が短く、その場の対話力が成果に直結しやすい一方、断られる場面も多く、精神的なタフさが必要です。

法人営業と個人営業の違い

両者の違いを整理すると次のようになります。

比較項目法人営業(BtoB)個人営業(BtoC)
顧客企業・団体一般消費者
意思決定者複数(担当〜決裁者)基本は本人・家族
検討期間長い(数週間〜数年)短い(即日〜数週間)
購買の決め手費用対効果・論理感情・信頼・直感
1件の取引額大きい商材による
主に必要な力課題解決力・社内外調整力共感力・クロージング力

「どちらが向いているか」は性格との相性が大きく、ロジカルに戦略を組み立てるのが得意なら法人営業、人と深く関わって即決を勝ち取るのが得意なら個人営業が合いやすい、という傾向があります。なお、法人営業で課題を引き出すヒアリングの技術は営業ヒアリングのコツで詳しく解説しています。


【軸2】アプローチで分ける:プッシュ型とプル型

2つめの軸は**「どう接点を持つか」、つまりアプローチの方向です。自社から顧客に働きかけるのがプッシュ型(アウトバウンド)、顧客から自社に来てもらうのがプル型(インバウンド)**です。同じ商材でも、この設計で営業のスタイルは大きく変わります。

プッシュ型営業(新規開拓・飛び込み・テレアポ)

プッシュ型は、自社からまだ接点のない相手に能動的にアプローチする営業です。代表的な手法は次の3つです。

  • 新規開拓営業:取引のない企業・顧客にゼロから接触し、関係を築くスタイルの総称。リスト作成からアポイント獲得、初回商談までを担います。
  • 飛び込み営業:アポイントなしで企業や個人宅を訪問し、その場で商談機会を作る手法。相手が見込み客かどうかを問わず広くアプローチします。
  • テレアポ(テレフォンアポイント):電話でアプローチし、商談やアポイントの約束を取り付ける手法。短時間で多くの相手に接触できます。

プッシュ型の強みは、自社の狙った相手に能動的に仕掛けられること。市場をこちらから開拓できます。一方で、相手は「今すぐ買いたい」状態ではないため断られる確率が高く、強いメンタルと行動量が求められます。プッシュ型は「狩猟型(ハンター)」と表現されることもあります。

プル型営業(反響営業・インバウンド)

プル型は、広告・Webコンテンツ・口コミなどで自社の存在を知ってもらい、興味を持った顧客の側から問い合わせてもらう営業です。代表的なのが反響営業で、不動産・住宅・保険・Webサービスなどで広く使われます。

反響営業の最大の特徴は、すでに**「興味がある」「検討している」状態の見込み客**が相手になること。そのため成約率が高く、商品説明もスムーズに進みやすく、飛び込みやテレアポのような心理的負荷が小さい——というメリットがあります。

ただしプル型は「待ち」である分、問い合わせを生み出すプロモーション設計(広告・コンテンツ・SEO)が成果を左右します。営業担当者には、問い合わせてきた相手のニーズを的確に汲み取り、適切な提案で決断まで導くカウンセリング力が求められます。プル型は「農耕型(ファーマー)」寄りの性質を持ちます。

プッシュ型とプル型は組み合わせて使う

近年は、どちらか一方ではなく両方を組み合わせる設計が主流です。Webで見込み客を集め(プル)、興味度が高まった相手に営業が能動的に接点を持つ(プッシュ)——という流れは、後述するインサイドセールスとフィールドセールスの分業の土台にもなっています。アプローチの方向は、営業組織全体の設計と切り離せないテーマです。


【軸3】関係段階で分ける:新規開拓営業とルート・深耕営業

3つめの軸は**「顧客との関係がどの段階か」**です。まだ取引のない相手を開拓するのか、すでに取引のある相手を深めるのかで、営業のスタイルとKPIの置き方が変わります。

新規開拓営業

新規開拓営業は、これまで取引のなかった顧客との関係をゼロから作る営業です。前述のプッシュ型手法(飛び込み・テレアポ)に加え、紹介や問い合わせからの初回商談も含みます。売上の母数を増やす攻めの営業であり、断られることが日常なため、行動量とストレス耐性が成果を分けます。

ルート営業(既存営業)

ルート営業は、すでに取引のある既存顧客を定期的に訪問し、要望のヒアリングや追加提案、商品の補充などを行う営業です。新規開拓に比べて「断られる恐怖」が少なく、決まった相手と安定した関係を継続できるのが特徴。誠実さ、まめな連絡、約束を守る信頼性が武器になります。一方で、ルーティン業務に見えても、既存顧客の課題変化を捉えて新しい提案につなげる感度が問われます。

深耕営業

深耕(しんこう)営業は、ルート営業の一歩先で、既存顧客との取引をより深く・広く育てる営業です。同じ顧客に対して、新しい部署・新しい用途・上位プランへの提案(アップセル・クロスセル)を通じて取引額を拡大します。顧客の組織と事業を深く理解し、長期的な信頼関係の上に立つため、関係構築力と提案力の両方が求められます。

御用聞き営業

御用聞き営業は、既存顧客のところへ定期的に足を運び、「何か必要なものはありませんか」と要望を聞いて対応する昔ながらのスタイルです。顧客との距離が近く関係が安定する一方、受け身になりやすく、顧客が自ら課題に気づいていない場合には新しい価値を生みにくいという弱点があります。後述するように、営業のスタイルはこの御用聞きから「提案型」へと進化してきました。

関係段階は「新規 → 既存(ルート)→ 深耕」という時間の流れとして捉えると整理しやすく、新規開拓で入口を作り、ルート・深耕で生涯価値(LTV)を伸ばす——という1本のストーリーで理解できます。


【軸4】企業形態で分ける:メーカー・商社・代理店営業

4つめの軸は**「自社がビジネスのどの立ち位置にいるか」**です。同じ商品でも、それを「作っている会社」「仕入れて売る会社」「他社に代わって売る会社」では、営業のスタイルが変わります。

メーカー営業

メーカー営業は、自社で製造した製品を販売する営業です。卸売業者・小売店・エンドユーザーなどに対して、自社製品をPRし販売します。1つの製品を深く理解し、その魅力を誰よりも語れることが強み。自社製品への愛着と専門知識、業界の商習慣への理解が武器になります。扱う商材が自社製品に限られる分、提案の幅は狭くなりますが、製品力という土台があります。

商社営業

商社営業は、多様なメーカーから商品を仕入れ、顧客のニーズに合わせて提案する営業です。自社製品に縛られないため、幅広い選択肢の中から最適な組み合わせを提案できるのが強み。個々の商品知識よりも、情報収集力・調整力・(取扱分野によっては)語学力が問われます。「枠にとらわれず、最適解を組み立てたい」人に向くスタイルです。

代理店営業

代理店営業は、自社の商品を売ってくれるパートナー企業(代理店・販売店)を開拓・育成する営業です。自分が直接エンドユーザーに売るのではなく、「売ってくれる人を増やし、売り方を教える」のが仕事。コンサルティング能力や、他者を動かすマネジメント力が求められます。自分が前面に立つより、人をサポートして成果を出すのが好きな人に向きます。

企業形態何を扱うか強み求められる力
メーカー営業自社製品のみ製品への深い知識・愛着専門性・業界理解
商社営業多様な仕入れ商品提案の自由度・選択肢の広さ情報収集力・調整力
代理店営業自社商品(パートナー経由)レバレッジ(人を動かす)コンサル力・育成力

この軸は、転職や就活で「どんな会社の営業か」を見極めるときに特に役立ちます。同じ「営業職」でも、メーカーか商社か代理店かで日々の仕事はまったく違うからです。


役割で分ける営業:インサイドセールス・フィールドセールス・カスタマーサクセス

ここまでの4軸に加えて、近年のBtoB営業を理解するうえで欠かせないのが**「役割(機能)による分業」です。かつては1人の営業がアポ取りから契約、アフターフォローまで一気通貫で担当していました。しかし営業プロセスを分解して専門化する「The Model(ザ・モデル)」型の分業**が広がり、役割ごとに別の職種として呼ばれるようになりました。

インサイドセールス(IS)

インサイドセールスとは、電話・メール・Web会議などを使い、非対面で顧客との関係構築や商談化を進める役割です。見込み客(リード)を育成し、興味が高まったタイミングでフィールドセールスへ引き継ぎます。移動がなく1日に多くの相手と接点を持てるため効率が高く、活動履歴がデジタルに残るのも特徴です。詳しくはインサイドセールスとはで解説しています。

フィールドセールス(FS)

フィールドセールスとは、顧客と対面(または重要な商談をオンラインで)して、具体的な提案から契約までクロージングする役割です。インサイドセールスが温めた商談を引き継ぎ、意思決定者を交えた本格的な商談を前に進めます。高い商談力と課題解決提案力が問われる、分業型営業の"決め手"を担うポジションです。フィールドセールスの実務準備はフィールドセールスの準備ガイドが参考になります。

カスタマーサクセス(CS)

カスタマーサクセスとは、契約後の顧客に伴走し、サービスを使いこなしてもらって成果を出し、継続・拡大につなげる役割です。サブスクリプション(SaaS)型ビジネスの普及とともに重要性が高まりました。解約を防ぐ先回りの提案や、アップセル・クロスセルによる取引拡大を担い、「契約がゴールではなく、顧客の成功がゴール」という発想で動きます。

なぜ分業するのか

役割分業のねらいは、各プロセスを専門化して生産性と再現性を高めることにあります。1人で全部やると、得意・不得意のばらつきや、商談に集中できないといった問題が生じます。分業すれば、リード育成はIS、クロージングはFS、定着・拡大はCS、と各自が強みに集中できます。

ただし分業には**「引き継ぎの分断」というリスク**もあります。ISが掴んだ顧客の温度感や背景がFSに伝わらなければ、顧客は同じ説明を繰り返させられ、体験が悪化します。この引き継ぎを滑らかにする仕組みは、後述する共通の運用課題に直結します。インサイドセールスとフィールドセールスを連携させる実務はインサイドセールスのDSR活用ワークフローで具体的に解説しています。


提案レベルで分ける営業:御用聞き→提案→ソリューション営業

もう1つ、営業を理解するうえで重要なのが**「顧客の課題にどこまで踏み込んで提案するか」**という提案レベルの軸です。これは営業スタイルの歴史的な進化とほぼ重なります。

① 御用聞き営業(リアクティブ)

出発点は、顧客の要望を聞いて応える御用聞き営業です。「ご注文は?」「在庫を補充しましょうか?」と、顧客が自分で気づいている顕在ニーズに対応します。関係は安定しますが、顧客が言語化できていない課題には踏み込めません。

② 提案営業(プロアクティブ)

次の段階が提案営業です。顧客に言われる前に、「こういう課題があるのでは?」「この商品が役立つのでは?」と能動的に提案します。御用聞きが「待ち」なのに対し、提案営業は顧客の状況を観察してこちらから価値を提示します。

③ ソリューション営業・コンサルティング営業

さらに進んだのが、ソリューション営業(コンサルティング営業)です。個別商品を売るのではなく、顧客の潜在的な課題そのものを掘り起こし、自社の製品・サービスを組み合わせた解決策(ソリューション)をオーダーメイドで提案します。顧客自身も気づいていない課題に光を当てるため、深いヒアリング力と業界理解、仮説構築力が求められます。

この提案レベルの進化は、市場の成熟とともに「モノが良ければ売れる」時代から「課題を解決できる相手が選ばれる」時代へ移ったことを反映しています。ソリューション営業の具体的な進め方はソリューション営業の完全ガイドで、商談を前進させる型は営業フレームワーク18選で詳しく扱っています。

提案レベル顧客のニーズ営業の動き必要な力
御用聞き営業顕在(自覚あり)要望に応える(待ち)関係維持・誠実さ
提案営業顕在+一部潜在先回りで提案する観察力・提案力
ソリューション営業潜在(自覚なし)課題を掘り起こし解決策を設計ヒアリング力・仮説構築力

近年はさらに、顧客に新しい視点を"教える"チャレンジャーセールスのような発展形も注目されています。提案レベルは、営業という仕事が単なる「販売」から「顧客の課題解決パートナー」へと進化してきた歴史そのものだと言えます。


営業タイプ早わかり統一比較表

ここが本記事の中核です。営業の種類を語る多くの記事は、各タイプの定義を並べるだけで横並びの比較ができません。そこで、主要な営業タイプを「定義/向いている人/主要KPI/最大の難所/相性のよい運用」の統一フォーマットで一覧にしました。自分の適性を探すときも、組織にどの役割を置くか考えるときも、この1枚から始められます。

営業タイプざっくり定義向いている人主要KPIの例最大の難所
法人営業(BtoB)企業・団体に売る論理的・調整が得意受注額・案件進捗率長い検討期間と社内調整
個人営業(BtoC)一般消費者に売る共感・即決が得意成約率・契約件数断りへの耐性・感情の機微
新規開拓営業ゼロから顧客を作る行動量・打たれ強い商談化数・新規受注数断られ続けるストレス
ルート・深耕営業既存顧客を維持・拡大誠実・関係構築が得意継続率・アップセル額受け身化・関係のマンネリ
反響営業(プル)問い合わせに対応傾聴・カウンセリング反響成約率・歩留まり反響数は集客施策に依存
インサイドセールス非対面で育成・商談化効率重視・データ管理有効商談化数・架電/接触数温度感をFSへ正確に渡す
フィールドセールス対面で提案・クロージング商談力・課題解決提案受注率・受注額引き継ぎの分断・大型商談管理
カスタマーサクセス契約後に伴走・拡大伴走支援・先回り継続率・解約率・NRR解約の予兆を早く掴む
メーカー営業自社製品を売る専門性・製品愛販売数量・シェア提案の幅が自社製品に限定
商社営業仕入れ商品を売る情報収集・調整取扱高・粗利多数の利害関係者の調整
代理店営業パートナー経由で売る育成・コンサル代理店経由売上・稼働率自分で売上を直接動かせない
ソリューション営業課題解決策を設計し売るヒアリング・仮説構築受注率・提案採用率潜在課題の掘り起こし

この表の使い方:まず自分の性格・強みに近い「向いている人」の行を探し、そのタイプの「最大の難所」を許容できそうかを確認します。組織設計の視点なら、自社の営業プロセスのどこに穴があるか(新規が足りない/既存が伸びない/引き継ぎが下手)から、補強すべきタイプを選びます。KPIは代表例であり、業界や商材によって最適な指標は変わる点に注意してください。各指標の置き方は営業戦略ガイドも参考になります。

なお、この表のKPIは「数値目標として現場に置きやすい代表例」を示したものです。たとえばインサイドセールスの「架電数」のような行動KPIは、結果KPI(有効商談化数)とセットで運用しないと"数だけ追う"形骸化に陥りやすいため、必ず結果指標と組み合わせて設計してください。

営業の種類でよくある混同を整理する

営業のタイプは、異なる分類軸の言葉を同じ土俵で比べてしまうと混乱します。最後に、検索でよく並べられる「○○と△△の違い」を、どの軸の話なのかで整理しておきます。

  • 「ルート営業とインサイドセールスの違い」:これは軸が違います。ルート営業は③関係段階(既存)の話、インサイドセールスは役割(非対面で育成する機能)の話。「既存顧客を非対面で担当するインサイドセールス」もあり得るので、対立概念ではありません。
  • 「反響営業とインバウンドの違い」:ほぼ同じ概念で、どちらも②プル型を指します。反響営業は職種・スタイルの呼び名、インバウンドは集客の方向を表す言葉、という言い方の違いが中心です。
  • 「ソリューション営業と提案営業の違い」:提案レベルの軸での隣り合う段階です。提案営業は顕在ニーズへの先回り提案、ソリューション営業は潜在課題の掘り起こしまで踏み込む点が異なります。
  • 「フィールドセールスと法人営業の違い」:軸が違います。法人営業は①対象顧客(企業)の話、フィールドセールスは役割(対面でクロージングする機能)の話。「法人向けのフィールドセールス」のように両立します。

このように、「どの軸の言葉か」を意識するだけで、似た用語の違いはすっきり整理できます。


業界別に見る営業の種類

ここまでは「分類軸」で営業を切り分けてきました。一方で、実際の求人や仕事内容は業界によって色濃く変わります。代表的な業界ごとに、営業の特徴を見ておきましょう。

不動産業界の営業

個人向け(マイホーム・投資用)と法人向け(用地仕入れ・テナント)に分かれ、高額商材を扱うため1件あたりの歩合(インセンティブ)が大きいのが特徴。反響営業(問い合わせ対応)と新規開拓の両方があり、成果が収入に反映されやすい一方、プレッシャーも大きい業界です。

金融・保険業界の営業

個人には預金・ローン・保険・証券などを、法人には融資や法人保険を提案します。専門知識と資格が求められ、信頼性が成果を左右します。成果報酬の比率が高い形態もあり、トップ層は高収入を得やすい反面、数字の管理が厳しい傾向があります。

医薬・医療業界の営業(MR)

MR(Medical Representative=医薬情報担当者)は、製薬会社の営業として病院や医療従事者に医薬品の情報を提供します。販売そのものより、品質・有効性・安全性に関する正確な情報提供と収集が中心。高度な専門知識と、医療業界特有の商習慣への理解が必須です。

IT・SaaS業界の営業

ソフトウェアやクラウドサービスを扱う無形商材の法人営業が中心。前述のインサイドセールス/フィールドセールス/カスタマーサクセスの分業(The Model)が最も進んだ領域でもあります。論理的な提案力と、導入効果を言語化する力が問われ、近年特に求人が増えている分野です。

人材業界の営業

求人広告・人材紹介・人材派遣などを扱います。企業(採用したい)と求職者(働きたい)の両面に向き合うことが多く、課題ヒアリング力とマッチング力が重要。無形商材であり、提案力が成果を大きく左右します。

商社・メーカーの営業

前述の企業形態の軸そのものが業界の特徴になります。総合商社・専門商社では幅広い商材を扱う調整型の営業、メーカーでは自社製品を深く売り込む専門型の営業が中心です。BtoBのルート営業・深耕営業が多くを占めます。

業界を選ぶときは、「有形か無形か(商品の説明しやすさ)」「個人か法人か」「新規かルートか」という分類軸を当てはめると、自分に合う環境を絞り込みやすくなります。


営業スタイルはどう進化してきたか

営業の種類がこれほど増えたのは、偶然ではありません。市場と買い手の変化に合わせて、営業のスタイルが段階的に進化してきた結果です。歴史の流れで捉えると、各タイプがなぜ生まれたのかが腑に落ちます。

モノ不足の時代:御用聞き営業

商品が足りず「作れば売れた」時代は、営業の役割は注文を受け、届けることが中心でした。顧客のもとへ定期的に通い、要望を聞いて応える御用聞き営業が主流です。顧客は欲しいものを自分で分かっており、営業は需要に対応すればよかったのです。

モノが行き渡った時代:提案営業へ

市場が成熟し、似た商品が溢れると、待っているだけでは選ばれなくなります。そこで、顧客にこちらから価値を提示する提案営業が広がりました。「言われてから動く」のではなく、「言われる前に役立つ提案をする」スタイルへの転換です。

課題解決が価値になる時代:ソリューション営業

さらに、商品単体では差がつかなくなると、顧客が本当に求めるのは「商品」ではなく「課題の解決」だと認識されるようになります。顧客自身も気づいていない潜在課題を掘り起こし、解決策を設計する**ソリューション営業(コンサルティング営業)**が、付加価値の高い営業として定着しました。

買い手主導・分業の時代:インサイド/フィールド/CS

そしてインターネットの普及で、買い手は営業に会う前に自分で情報を集め、比較検討するようになりました。買い手の購買プロセスが変わったことで、営業も「1人で全部」から、リード育成(IS)・商談クロージング(FS)・契約後の成功支援(CS)へと役割を分業する形へ進化します。SaaSの普及がこの流れを加速させました。

これから:データと顧客共有の時代

現在は、商談がオンライン化し、顧客の検討プロセスがデータとして可視化できる時代に入っています。どの資料が見られ、どこで検討が止まっているか——こうした行動データを営業に活かす動きが広がり、顧客と情報を共有しながら一緒に意思決定を進めるデジタルセールスルーム(DSR)のような仕組みが注目されています。営業スタイルの進化は、いまも続いているのです。

この流れを知っておくと、「なぜインサイドセールスが必要になったのか」「なぜソリューション営業が重視されるのか」といった疑問が、市場の必然として理解できます。営業の種類は、買い手の変化が生んだ歴史の地層だと捉えると、暗記ではなく納得で整理できます。


【診断】自分に合う営業の種類の選び方

ここまでの分類軸を使えば、「自分はどの営業に向いているか」「どの営業を調べるべきか」を絞り込めます。次の4つの問いに順番に答えてみてください。各タイプの詳しい解説には、本記事内および個別ガイドへの入口を用意しています。

4つの問いで絞り込む

  1. 誰に売りたい? → 企業を相手に論理的に進めたいなら法人営業、消費者と直接向き合いたいなら個人営業
  2. どう接点を持ちたい? → 自分から仕掛けたいなら新規開拓・プッシュ型、興味を持った相手に対応したいなら反響・プル型
  3. どんな関係を築きたい? → 新しい出会いを次々作りたいなら新規開拓、決まった相手と長く付き合いたいならルート・深耕営業
  4. どこまで提案したい? → 要望に応えるのが心地よいなら御用聞き〜提案営業、課題そのものを掘り起こしたいならソリューション営業

この4つの答えの組み合わせが、あなたに合う営業タイプの輪郭になります。たとえば「法人 × プル型 × 新規〜既存 × ソリューション」なら、SaaSのインサイドセールス/フィールドセールスが候補に挙がります。

具体例で考えてみましょう。 「人と深く長く付き合いたい」「ゼロから売り込むより、信頼を積み上げたい」「相手の状況を見て先回りの提案がしたい」という人を診断すると——①は法人・個人どちらでも可、②はプル寄り、③は既存(ルート・深耕)、④は提案〜ソリューション、となります。この場合は、既存顧客を深掘りする深耕営業や、契約後の顧客に伴走するカスタマーサクセスが有力候補です。逆に「新しい出会いを次々作りたい」「断られても気にしない」「数字を追うのが楽しい」人なら、②プッシュ型 × ③新規開拓が軸になり、新規開拓営業やフィールドセールスが向きます。このように、4つの問いの答えを並べるだけで、検討すべきタイプが2〜3個に自然と絞り込めます。

タイプ別・深掘り解説への逆引きハブ

気になるタイプが見えてきたら、それぞれの詳しい解説へ進んでください。下表の「解説記事」列に入口をまとめました(個別ガイドは順次公開しています)。

営業タイプこんな人・組織に解説記事
法人営業論理的にBtoBを進めたい法人営業の個別ガイドを順次公開
反響営業問い合わせ対応を極めたい反響営業の個別ガイドを順次公開
フィールドセールス対面提案・クロージング担当フィールドセールスの準備ガイド
インサイドセールス非対面で育成・商談化インサイドセールスとはDSR活用ワークフロー
深耕営業既存顧客を拡大したい深耕営業の個別ガイドを順次公開
御用聞き営業既存対応を見直したい御用聞き営業の個別ガイドを順次公開
提案営業先回りの提案を強化したい提案営業の個別ガイドを順次公開
ソリューション営業課題解決型で売りたいソリューション営業の完全ガイド
代理店営業パートナー経由で広げたい代理店営業の個別ガイドを順次公開

営業の「型」そのものを体系的に身につけたい場合は営業のコツ・スキル・手法 完全ガイド、商談を前進させる思考の枠組みは営業フレームワーク18選も合わせて読むと、タイプ理解が実践につながります。


どの営業タイプでも共通して必要なこと

ここまで営業の種類を細かく分けてきましたが、タイプを問わず共通して必要なこともあります。むしろ、この共通部分こそが営業成果の土台です。

1. 顧客情報の共有

法人営業でもインサイドセールスでも、**「誰が・どんな課題を持ち・どこまで検討が進んでいるか」**という情報が組織で共有されていなければ、引き継ぎのたびに情報が抜け落ち、顧客に同じ説明を繰り返させてしまいます。特に役割分業(IS→FS→CS)が進むほど、情報共有の質が顧客体験を左右します。

2. 商談の可視化

商談がどこまで進んでいるか、次に何をすべきかが見えないと、マネージャーは支援できず、担当者本人も抜け漏れに気づけません。商談の進捗とアクションを可視化することは、新規開拓でもルート営業でも欠かせません。

3. 属人化の解消

「あの人にしか分からない」「担当が変わったら関係が途切れた」——営業の属人化は、どのタイプでも起こる普遍的な課題です。トップ営業の動き方や顧客とのやり取りをチームの資産として残すことが、組織全体の再現性を高めます。

DSR(デジタルセールスルーム)という横串

これら3つの共通課題を、営業のタイプを問わず横串で支えるのが**デジタルセールスルーム(DSR)**です。DSRは、顧客ごとに専用のオンライン空間を用意し、提案資料・商談メモ・次のアクションを顧客と共有しながら進める仕組み。

  • 顧客情報の共有:商談で得た情報や資料を一元化し、IS→FS→CSの引き継ぎを滑らかにする
  • 商談の可視化:顧客が何の資料をいつ見たかという行動データから、検討の温度感を把握できる
  • 属人化の解消:やり取りが記録として残り、担当交代や組織でのノウハウ共有が容易になる

どの営業スタイルを選んでも、最終的に成果を分けるのは「型」そのものより、それを組織で回し続ける運用です。タイプ理解を実践に変えるために、共通の土台にも目を向けてください。

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未経験で挑戦しやすい営業と「しんどい」と言われる営業の構造

「営業の種類」を調べる人の多くが気にするのが、未経験での挑戦しやすさと、**しんどさ(きつさ)**です。最後にこの2点を、これまでの分類軸で構造的に整理します。

未経験から挑戦しやすい営業の傾向

未経験でも始めやすいのは、次のような特徴を持つタイプです。

  • ルート営業:すでに関係のある既存顧客が相手なので、新規開拓の「断られるストレス」が少なく、業務の流れを覚えやすい。
  • 反響営業(個人向け):「買いたい」と思っている顧客が相手なので、成約の成功体験を早く積める。
  • インサイドセールス:分業・マニュアル化が進んでおり、内勤でフィードバックを受けやすい。

未経験の人がまず見るべきは、職種そのものより「教育体制が整っているか」「成果までのプロセスが体系化されているか」です。最初は有形商材(実物がある商品)のほうが価値を説明しやすく、知識も定着しやすい傾向があります。

「しんどい」と言われる営業の正体

営業が「しんどい」と言われる理由は、タイプによってしんどさの種類が違います。これを混同すると、「営業は全部きつい」という誤解につながります。

しんどさの種類強く出やすいタイプ緩和の方向性
断られ続ける精神的負荷新規開拓・飛び込み・テレアポプル型・ルート営業へ/リスト精度を上げる
長い検討期間と社内調整大型の法人営業案件管理の型化・進捗の可視化
数字(ノルマ)のプレッシャー個人営業・歩合制行動KPIで過程を評価する設計
引き継ぎ・関係の分断分業型(IS/FS/CS)情報共有の仕組み化(DSR等)

重要なのは、「営業そのものが嫌い」なのか「いまのタイプ・環境が合っていない」のかを切り分けることです。断られ続けるのが苦手ならプル型やルート営業へ、数字の追い方が苦しいなら行動を評価してくれる環境へ——というように、タイプを変えるだけで解決することは少なくありません。営業の種類を知る本当の価値は、ここにあります。


よくある質問(FAQ)

営業の種類にはどんなものがありますか?

営業の種類は、大きく4つの分類軸で整理できます。①対象顧客(法人営業/個人営業)、②アプローチ(新規開拓・飛び込みなどのプッシュ型/反響営業などのプル型)、③関係段階(新規開拓/ルート・深耕営業)、④企業形態(メーカー/商社/代理店営業)です。さらに役割分業による「インサイドセールス・フィールドセールス・カスタマーサクセス」や、提案レベルによる「御用聞き・提案・ソリューション営業」という見方もあります。1つの営業職はこれらの軸の組み合わせで決まり、互いに排他的ではありません。

営業の4つのタイプとは何ですか?

「対象顧客(法人/個人)」と「アプローチ(新規開拓=攻め/既存・反響=守り・待ち)」の2軸を掛け合わせると、営業を4象限に分けられます。たとえば「法人 × 新規開拓」はBtoBの新規開拓営業、「法人 × 既存」はルート・深耕営業、「個人 × 新規」は飛び込み・訪問販売、「個人 × 反響」は来店・問い合わせ対応の反響営業、というように整理できます。「営業の4つのタイプ」はこのように軸の掛け合わせで捉えると分かりやすくなります。

法人営業と個人営業の違いは何ですか?

最大の違いは「意思決定者の数」と「購買の決め手」です。法人営業(BtoB)は企業が相手で、複数の関係者が関わり検討期間が長く、費用対効果を論理的に説明する力と社内外の調整力が求められます。個人営業(BtoC)は一般消費者が相手で、基本は本人が意思決定者、感情や信頼が決め手になりやすく、共感力と決断を後押しするクロージング力が重要です。法人は1件の取引額が大きく長期の関係構築が、個人はその場の対話力が成果を左右します。

営業形態にはどんな種類がありますか?

「営業形態」は、自社のビジネスモデル上の立ち位置による分類を指すことが多く、代表的なのがメーカー営業・商社営業・代理店営業です。メーカー営業は自社製品を販売し、専門性と製品知識が強み。商社営業は多様な仕入れ商品を扱い、提案の自由度と調整力が武器。代理店営業は自社商品を売ってくれるパートナー企業を開拓・育成し、人を動かすコンサルティング力が求められます。同じ商品でも、作る側・仕入れる側・代理する側で営業のスタイルが変わります。

営業手法にはどんな種類がありますか?

アプローチの仕方による手法の分類として、プッシュ型(自社から働きかける)には新規開拓・飛び込み営業・テレアポがあり、プル型(顧客から来てもらう)には反響営業・インバウンドがあります。関係段階で見ると新規開拓とルート営業、役割で見るとインサイドセールスとフィールドセールス、提案レベルで見ると御用聞き・提案・ソリューション営業に分かれます。これらは別々の軸から営業手法を見ているもので、実際の営業は複数の手法を組み合わせて行います。

営業で一番しんどい・きつい種類はどれですか?

一律に「これが一番しんどい」とは言えず、しんどさの種類がタイプごとに異なります。新規開拓・飛び込み・テレアポは「断られ続ける精神的負荷」、大型の法人営業は「長い検討期間と社内調整」、個人営業・歩合制は「数字(ノルマ)のプレッシャー」、分業型(IS/FS/CS)は「引き継ぎ・関係の分断」が出やすい難所です。重要なのは、自分が苦手なしんどさを避けられるタイプを選ぶこと。たとえば断りが苦手ならプル型やルート営業に移るだけで負荷が大きく変わります。

自分に合う営業の種類はどう選べばいいですか?

4つの問いに順に答えると絞り込めます。①誰に売りたいか(企業=法人営業/消費者=個人営業)、②どう接点を持ちたいか(自分から仕掛ける=新規開拓・プッシュ型/対応したい=反響・プル型)、③どんな関係を築きたいか(新しい出会い=新規開拓/長い付き合い=ルート・深耕)、④どこまで提案したいか(要望対応=御用聞き・提案/課題発掘=ソリューション営業)。この組み合わせが、あなたに向く営業タイプの輪郭になります。性格との相性が大きいため、苦手な難所を避けられるかを基準に選ぶのがおすすめです。

未経験から挑戦しやすい営業の種類はどれですか?

既存顧客が相手で断られるストレスが少ないルート営業、「買いたい」状態の顧客に対応する反響営業(個人向け)、分業・マニュアル化が進み内勤でフィードバックを受けやすいインサイドセールスなどが、未経験から始めやすい傾向があります。職種そのものより「教育体制が整っているか」「成果までのプロセスが体系化されているか」を重視すると失敗しにくく、最初は実物のある有形商材のほうが価値を説明しやすく知識も定着しやすいです。

インサイドセールスとフィールドセールスの違いは何ですか?

役割(担当する営業プロセス)が異なります。インサイドセールス(IS)は電話・メール・Web会議で非対面に見込み客を育成し、商談化したらフィールドセールスへ引き継ぐ役割。フィールドセールス(FS)は対面や重要なオンライン商談で、具体的な提案からクロージングまでを担う役割です。ISが「商談を作る」、FSが「商談を決める」と分担することで各自が強みに集中できます。両者の連携では、ISが掴んだ顧客の温度感や背景をFSへ正確に引き継ぐことが、顧客体験と成約率を左右します。


営業の種類は、呼び名を暗記すること自体に意味はありません。大切なのは、「どの分類軸で・何が違うのか」を理解し、自分や自社に合うタイプを見極められることです。本記事の4分類軸マトリクスと統一比較表を地図として手元に置き、気になったタイプは個別の解説記事で深掘りしてください。そして、どのタイプを選んでも最後に成果を分けるのは、顧客情報の共有・商談の可視化・属人化の解消という「運用」の土台です。タイプ理解を、ぜひ実際の成果につなげてください。

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