Miro・FigJamの営業活用と限界|ビジュアルコラボの強みと補完すべき領域
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Miro・FigJamの営業活用と限界|ビジュアルコラボの強みと補完すべき領域

著者: Terasu 編集部

Miro・FigJamの営業活用と限界|ビジュアルコラボの強みと補完すべき領域

Miro・FigJamの営業活用と限界のイメージ

MiroとFigJamは営業ワークショップに有効だが、資料共有・閲覧分析ではDSR専用ツールとの併用が推奨される。

MiroやFigJamは、ホワイトボード型のビジュアルコラボレーションツールとして人気があります。リモートワーク時代に急成長し、「顧客とのワークショップにも使える」と営業チームが活用するケースが増えています。

本記事では、Miro・FigJamの営業での有効な使い方を紹介しつつ、DSR(デジタルセールスルーム)と組み合わせるべき領域を整理します。ツールを正しく使い分けることで、顧客体験と営業効率の両方を最大化できます。

Miro・FigJamとは何か

Miroの概要

Miroは2011年に設立されたビジュアルコラボレーションプラットフォームです。無限キャンバス上に付箋、図形、フレームなどを自由に配置できます。世界60ヶ国以上で2,000万人以上が利用しており、特にリモートワーク環境でのブレインストーミングやワークショップに強みを持ちます。

主な機能:

  • 無限キャンバスでの自由なレイアウト
  • 豊富なテンプレート(300種類以上)
  • リアルタイムでの複数人同時編集
  • スティッキーノート、投票、タイマー機能

FigJamの概要

FigJamは2021年にFigmaが提供を開始したホワイトボードツールです。Figmaユーザーを中心に急速に普及しており、デザインチームとの連携に優れています。

主な機能:

  • Figmaとのシームレスな連携
  • スタンプ・絵文字・音声コミュニケーション
  • 豊富なプラグインエコシステム
  • シンプルで直感的なインターフェース
比較項目MiroFigJam
対象ユーザー全ビジネスユーザーデザイン・エンジニアリングチーム
テンプレート数300+100+
無料プランあり(ボード3枚まで)あり(Figmaアカウント必要)
価格(有料)$10/ユーザー/月〜$15/ユーザー/月(Figma含む)
統合ツールSlack, Jira, HubSpot等Figma, Adobe, GitHub等
学習コスト低い中程度(Figma慣れが前提)

Miro・FigJamが営業で効果的な場面

場面1: 発見営業(ディスカバリー)のワークショップ

顧客の課題を一緒に整理する「発見営業」フェーズでは、ビジュアルコラボが威力を発揮します。

  • 課題の付箋出し → グルーピング → 優先順位付け
  • 現状のビジネスプロセスのフロー図を共同作成
  • 理想状態と現状のギャップを可視化

このフェーズでMiroを使うと、顧客は「一緒に考えている感覚」を持ちます。PowerPointで一方的に聞くより、「課題の構造化」に参加することで、顧客のオーナーシップと商談への前向きな姿勢が高まります。

実践テクニック: ディスカバリーワークショップのテンプレートを事前に準備し、セッション冒頭に「今日はこのボードを使って一緒に整理します」と伝えます。顧客に付箋を書いてもらうことで、会話の主導権が顧客に移り、より本音の課題が引き出せます。

場面2: ソリューション設計のディスカッション

提案するソリューションの全体像を顧客と一緒に描く場面です。

  • アーキテクチャ図やシステム連携図を共同作成
  • 導入フェーズのロードマップを視覚的に議論
  • 「このツールとこのツールをこう連携させる」を図で説明

特に複雑なシステム連携や業務プロセス変更が伴う提案では、テキストや箇条書きより図解の方が圧倒的に理解が早まります。顧客のITアーキテクト担当者と「ホワイトボードで一緒に設計する」体験は、技術的な信頼構築にもつながります。

場面3: QBR(四半期ビジネスレビュー)

既存顧客とのQBRで、成果と次の施策を視覚的に共有します。

  • KPI達成状況のダッシュボードを共同で振り返り
  • 次四半期の戦略をフレームワークで整理
  • アクションアイテムを付箋で洗い出し

QBRをMiroで実施すると、顧客側の参加者が「発言しやすい」環境になります。スライドを一方的に見るより、ボードに意見を書き込んでもらうことで、顧客の考えや懸念が可視化されます。

場面4: 競合差別化のディスカッション

競合他社との差を視覚的に整理する場面です。

  • バリューマトリクスで自社・競合の比較を共同作成
  • 顧客の評価軸を付箋で洗い出し、重み付けを議論
  • 「うちはここが強い」を顧客に自分で書いてもらう

顧客自身が差別化ポイントをボードに書くことで、「この会社が良さそう」という判断が顧客の意思として強化されます。

場面5: マルチステークホルダーへのワークショップ

エンタープライズ案件で複数部門が参加するワークショップです。

  • 各部門の課題を付箋でドラッグし、共通課題を特定
  • 部門間の依存関係と優先順位を可視化
  • 全員が「見えた」という共通認識を形成

複数部門が参加する商談では、全員が「自分の発言が反映されている」と感じることが合意形成の鍵です。Miroのリアルタイムコラボ機能はこの課題に対して特に有効です。

Miro・FigJamの営業利用における4つの限界に関するビジュアル

Miro・FigJamの営業利用における4つの限界

限界1: 提案資料の管理に向いていない

ホワイトボードは「議論の場」であり、「提案書・見積書・契約書を整理する場」ではありません。提案資料の共有にMiroを使うと、顧客は「どの資料がどこにあるか」を見つけにくくなります。

また、提案書をMiroボードに展開すると、フォーマルな「ビジネス提案」の印象が薄れます。エンタープライズの意思決定者はPDF形式の提案書を期待することが多く、ボードベースの提案は採用されにくい場合があります。

限界2: 閲覧分析がない

Miroのボードを顧客に共有しても、「誰がどのセクションを見たか」「何秒滞在したか」は追跡できません。提案書の閲覧分析が必要な商談フェーズでは不十分です。

DSRでは、ページ単位の滞在時間、閲覧者の特定、閲覧頻度の変化を自動記録します。「役員が価格ページを3回見ている」というシグナルは、フォローアップのタイミングと内容を変えるほど重要なデータです。

限界3: セキュリティ制御が限定的

Miroのボードは共有リンクやメンバー招待で共有できますが、セキュリティ要件が求める以下の機能は備わっていません。

  • PDFのダウンロード制御
  • 透かし(ウォーターマーク)
  • 資料ごとの有効期限設定
  • IP制限によるアクセス制御

特に機密性の高い提案書(M&A関連、新製品ロードマップなど)をMiroで共有するのは情報漏洩リスクがあります。

限界4: 商談の全体管理ができない

Miroは1つのボード(テーマ)を深掘りするのに適していますが、商談全体の進捗管理には向いていません。MAPのようなタスク管理やCRM連携が不足しています。

「Miroで議論した内容を誰かがCRMに転記する」という二重作業が発生し、情報の一元管理が難しくなります。

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Miro・FigJam × DSR の使い分け

フェーズMiro / FigJamDSR
発見営業(ディスカバリー)課題整理ワークショップワークショップ結果のアーカイブ
初回提案ソリューション概要の図示提案資料・見積書の共有
評価・比較技術検討のディスカッションセキュアな技術資料の共有
意思決定MAP・稟議支援資料
契約契約書・導入計画の共有
オンボーディングキックオフワークショップ導入資料・タスク管理
QBR戦略議論・アクション洗い出し成果報告資料・次期計画の共有

理想的な連携パターン

Miro・FigJamとDSRを組み合わせると、営業プロセスの各フェーズで最適なツールを使えます。

  1. ワークショップ実施(Miro): 顧客と課題を整理し、ソリューション方向を合意
  2. ワークショップ結果をDSRに格納: MiroボードのスクリーンショットやリンクをDSRルームに追加
  3. 提案資料の共有(DSR): 整理した課題に基づいた提案書をDSRでセキュアに共有
  4. 閲覧分析で関心把握(DSR): 提案書の閲覧データを分析し、次のアクションを判断
  5. フォローアップのディスカッション(Miro): 追加の技術検討や設計議論はMiroで
  6. 意思決定支援(DSR): MAPと稟議支援資料でクローズを加速

「考える時はMiro、決める時はDSR」という使い分けが効果的です。

業界別の活用パターン

IT・テクノロジー企業

IT企業は技術的なアーキテクチャ設計でMiroを積極活用します。システム連携図や導入フェーズのロードマップをMiroで共同設計し、合意した内容をDSRの技術資料として正式共有するフローが一般的です。

特にAPI連携やデータ移行が絡む案件では、エンジニアが入るワークショップをFigJamで実施することで、デザインツールとの親和性が高い技術者に受け入れられやすくなります。

製造業・設備メーカー

製造業では「現場のフローを図にする」場面でMiroが有効です。現状の生産プロセスを付箋で可視化し、「どこに課題があるか」を現場担当者に自分で書いてもらうワークショップが好評です。

ただし、製造業の意思決定者(工場長・役員)はデジタルホワイトボードに不慣れなケースが多い。意思決定フェーズではDSRの正式提案書に切り替えることが重要です。

コンサルティング・専門サービス

コンサルティングファームは提案フェーズで「一緒に課題を構造化する」ことが差別化ポイントです。Miroによる共同ワークショップは、コンサルタントの思考力を示す場として有効です。

ただし、知的財産保護の観点から、具体的な分析結果や施策提言はDSRのセキュア共有に切り替える必要があります。

金融・保険

金融業界は規制要件が厳しく、情報管理のガバナンスが重要です。Miroの利用は「内部のブレインストーミング」に限定し、顧客との情報共有はDSRの厳格なセキュリティ設定を使う運用が推奨されます。

Miroから移行を検討するタイミング

Miroを営業で使い続けることに限界を感じたら、DSRへの切り替えを検討してください。

移行を検討すべきサイン:

  • 「提案書を送ったが反応がない」という状況が続いている
  • エンタープライズ案件での受注率が伸び悩んでいる
  • 閲覧データを元にフォローアクションを変えたいと感じている
  • 顧客からのフィードバックが分散していて管理が大変
  • セキュリティ要件を顧客から求められるようになった

移行の進め方:

  1. まず新規案件1件だけDSRを試す
  2. MiroボードのリンクをそのままDSRルームに貼り付ける
  3. 提案書とMAPをDSRに移行する
  4. 閲覧データを確認し、フォローアクションを変える

Miroは「廃止」せず、ワークショップ専用ツールとして継続利用することをお勧めします。

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よくある質問

MiroのボードをDSRに埋め込むことはできますか?

DSRのルーム内にMiroボードのリンクを掲載することは可能です。顧客がDSRルーム内からMiroボードにアクセスできるため、商談資料とワークショップ成果物を一箇所で参照できます。またMiroボードのスクリーンショットをPDF化してDSRにアップロードすることで、閲覧分析の対象にすることもできます。

FigJamとMiroのどちらを使うべきですか?

デザインチームがFigmaを使っている場合はFigJam、それ以外はMiroが一般的です。営業用途での機能差は小さく、チームが慣れている方を選んで問題ありません。ただし、Figmaを普段使わない顧客との共同作業では、Miroの方がアクセスしやすいケースが多いです。

ワークショップのファシリテーションが苦手ですが、Miroは使えますか?

Miroには営業向けのテンプレート(SWOT分析、カスタマージャーニーマップ、ペインポイント整理など)が豊富に用意されています。テンプレートに沿って進めれば、ファシリテーション初心者でも活用できます。「今日はこのテンプレートに沿って進めます」と伝えるだけで、会話が自然に流れます。

Miroを使っていたら顧客がDSRのリンクを送ってほしいと言いました。どうすればよいですか?

DSRのルームURLをそのまま共有してください。MiroとDSRは役割が異なるので、「ワークショップはMiro、提案資料と今後の進め方はこちら(DSR)でご覧ください」と案内することで、それぞれの役割を明確にできます。

ディスカバリーワークショップの後、Miroのボードはどう管理しますか?

ワークショップ終了後すぐに、ボードのスクリーンショットを撮影してDSRルームに追加することをお勧めします。「本日のワークショップのまとめ」としてDSRルームに格納しておくと、後続のフォローアップで「あの時の議論を踏まえると〜」と参照できます。商談の文脈が保存されることで、担当変更時の引き継ぎも容易になります。

Miroのセキュリティ設定で機密資料を保護できますか?

Miroには「ゲストリンクにパスワードを設定する」「ドメイン制限をかける」などのセキュリティ機能がありますが、透かし挿入やダウンロード完全制御の機能は限定的です。機密性の高い提案資料(価格表、技術ロードマップ、個人情報を含む資料)はDSRのセキュア共有機能を使うことを強く推奨します。

Miroのコストを削減しながらDSRを追加するとコストが増えませんか?

MiroのBusiness以上のプランからDSRに移行する場合、総コストはほぼ変わらないかむしろ削減できるケースがあります。ワークショップ用途に限れば、MiroのFreeプランで十分対応できます。DSRが提供する受注率向上・商談サイクル短縮の効果を考えると、費用対効果は高いです。まずMiroのFreeプランに切り替え、浮いたコストをDSRに充てるという移行も選択肢です。

MiroとFigJamはどちらが営業ワークショップに向いていますか?

営業ディスカバリーや商談ファシリテーションにはMiroが向いています。豊富なテンプレート・付箋機能・図形作成の自由度が高く、顧客の課題整理やジャーニーマップ作成に適しています。FigJamはデザインチームとの連携が多い場合や、より視覚的に洗練されたブレストが必要な場面で選択肢になります。ただし顧客がFigmaを使っていない場合はFigJamへのアクセスに戸惑うことがあるため、社外参加者が多い商談ではMiroが無難です。

まとめ

Miro・FigJamとDSRは、営業プロセスの異なるフェーズで活躍するツールです。

  1. Miro・FigJam: ディスカバリー・ワークショップ・ビジュアル議論に最適
  2. DSR: 提案資料の共有・閲覧分析・MAP・セキュリティに最適
  3. 連携: ワークショップの成果をDSRに格納し、商談の全体像を一元管理
  4. 業界別最適化: 業界ごとにMiroとDSRの使い分けパターンをカスタマイズする

「全部をMiroでやろう」でも「全部をDSRでやろう」でもなく、各ツールの強みを活かした使い分けが、顧客体験と営業効率の両方を高めます。DSRの完全ガイドも合わせてご覧ください。

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