
相見積もりとは?依頼のマナーと比較の仕方、断り方・断りメール例文
相見積もり(あいみつもり)とは、複数の会社に同じ条件で見積もりを出してもらい、金額や内容を比べることです。略して「あいみつ」とも呼ばれ、発注先を選ぶときのごく一般的な手順です。ただ、条件をそろえずに依頼すると比べられない見積もりが集まり、選ばなかった会社への連絡を怠ると関係がこじれます。この記事では、相見積もりの意味と表記、依頼前に決めることと依頼メールの例文、価格以外に比べる項目、断り方と断りメールの例文、官公庁の見積書のルール、そして見積もりを出す側の対応までを、そのまま使える形でまとめます。
相見積もりは、発注先の候補になる複数の会社に同じ条件で見積もりを依頼し、金額と内容を比べて発注先を決める方法です。デジタル大辞泉は「合見積り」を「複数の取引先などに同条件で見積もりを提出させ、比較すること。あいみつ。」と説明しています(コトバンク/デジタル大辞泉)。ポイントは「同条件で」の部分で、条件がそろっていない見積もりは比べても意味がありません。
この記事の要点(先に結論)
- 相見積もりは「あいみつもり」と読み、略称は「あいみつ」。辞書の見出しは「合い見積もり」「合見積り」で、「相見積もり」と書いても誤りではない
- 相見積もりを取ること自体は失礼ではない。失礼になるのは、相見積もりであることを伏せる、条件を会社ごとに変える、結果を連絡しない、の3つ
- 依頼前に「作業範囲と前提」「社数」「回答期限」「比べる項目と重み」「結果の連絡方法」の5つを決め、全社に同じ文面と資料で依頼する
- 比べるのは合計金額だけでなく、作業範囲・前提条件・除外事項・追加費用の条件・支払条件・有効期限・体制の7項目。金額の差の多くは範囲と前提の差から生まれる
- 選ばなかった会社には、決まった時点で早めにメールで連絡する。理由は「総合的に検討した結果」で十分で、他社の金額や社名は伝えない
- 国の機関が随意契約をするときは、予算決算及び会計令で「なるべく二人以上の者から見積書を徴さなければならない」と定められている
どこから読むか
目的に合わせて、必要なところから読み進めてください。
| 当てはまる状況 | 次に読むセクション・アクション |
|---|---|
| 言葉の意味や読み方、表記の違いだけ知りたい | 「相見積もりとは」の節 |
| これから複数の会社に見積もりを頼む | 「依頼する前に決める5つのこと」と依頼メールの例文 |
| 見積もりが届いたが、どれを選べばよいかわからない | 「届いた見積もりの比べ方」と比較表の作り方 |
| 選ばなかった会社に断りの連絡をしたい | 「相見積もりの断り方」と断りの例文6本 |
| 官公庁・自治体の発注や見積合わせに関わる | 「官公庁・自治体の相見積もりのルール」 |
| 自社が相見積もりをされる側で、選ばれる見積もりを出したい | 「相見積もりをされる側の対応」 |
| 見積もりの依頼を辞退したい | 「見積もりの依頼を辞退するとき」の例文 |
相見積もりとは — 意味・読み方と「見積もり合わせ」との違い
相見積もりとは、複数の会社から同じ条件で見積もりを取り、比べて発注先を決めることです。読み方は「あいみつもり」で、社内や取引先との会話では「あいみつ」と略されることが多い言葉です。
辞書上の意味と読み方
辞書の説明はほぼ共通しています。家とインテリアの用語がわかる辞典は「複数の業者に見積もりを依頼し、金額や内容などを比較すること」と説明し、「見積もり合わせ」ともいう、「あいみつ」と略す、と添えています(コトバンク/家とインテリアの用語がわかる辞典)。デジタル大辞泉は対象を工事に限らず、「複数の取引先などに同条件で」提出させると書いています。
ビジネスの会話では次のように使います。
- 「今回の制作は3社であいみつを取ってから決めます」
- 「相見積もりになりますが、来週金曜までにお見積もりをいただけますか」
- 「先方は相見積もりのようなので、前提条件を丁寧に書いて出しましょう」
「あいみつ」は社内や気心の知れた相手との会話で使われる略語です。初めてやり取りする取引先へのメールや正式な文書では、「相見積もり」と書くほうが無難です。
「相見積もり」と「合見積もり」はどちらが正しいか
どちらも誤りではありません。辞書の見出しを見ると、家とインテリアの用語がわかる辞典は「合い見積もり」、デジタル大辞泉は「合見積り」の表記で載せています。送り仮名の有無(相見積もり/相見積り)も含めて表記に揺れがある言葉なので、社内でどちらかに統一しておけば十分です。
見積もり合わせ・競争入札・特命発注との違い
発注先の決め方には、相見積もりのほかにも、1社だけに頼む方法や、入札で決める方法があります。違いを整理すると次のとおりです。
| 決め方 | 進め方 | 主に使われる場面 | 価格の決まり方 |
|---|---|---|---|
| 相見積もり(見積もり合わせ) | 複数社に同じ条件で見積もりを依頼し、金額と内容を比べて1社を選ぶ | 民間企業の発注全般、公的機関の少額の随意契約 | 各社が出した見積額をもとに、条件のすり合わせや交渉で決まる |
| 特命発注(1社指名) | はじめから1社に絞って見積もりを依頼し、内容を詰めて発注する | 継続取引、専門性が高く代わりがいない仕事、急ぎの仕事 | 1社との話し合いで決まる。他社の水準と比べる材料は少ない |
| 競争入札 | 公告などで参加者を募り、決められた方法で入札させ、落札者と契約する | 国や自治体の一定額以上の契約 | 入札額と、総合評価方式なら技術点などの評価で決まる |
「見積もり合わせ」は、辞書でも相見積もりの言い換えとして挙げられている言葉です。官公庁の調達では「見積合せ」と書かれることがあり、少額の随意契約で複数の会社から見積書を取って比べる手続きを指して使われます。民間企業の会話では「相見積もり」「あいみつ」、公的機関の文書では「見積合せ」と覚えておくと、場面に応じて使い分けやすくなります。
英語ではどう言うか
英語では、複数社から見積もりを取ることを「get multiple quotes」「compare quotes」と表すのが一般的です。調達の文脈では「competitive quotes」「competitive bidding」も使われます。海外の取引先に「相見積もりです」と伝えるなら、「We are requesting quotes from several vendors.」のように書けば意図が伝わります。
相見積もりを取るのは失礼? 伝えるべきか
相見積もりを取ることは失礼ではありません。発注する側にとって、価格と内容が妥当かを確かめるのは当然の手順で、見積もりを出す会社の多くも「比べられること」を前提に見積書を作っています。社内の稟議でも、複数社の見積書を添付するよう求められることがよくあります。稟議書への添付の仕方は稟議書の書き方と例文で紹介しています。
一方で、次の3つは相手に不信感を持たせ、実際に失礼と受け取られやすい行動です。
- 相見積もりであることを伏せる: 見積もりを出す側は、1社指名だと思えば提案や現地調査に時間をかけます。最後に「実は他社に決めました」と知らされると、かけた工数に見合わないと感じます
- 会社ごとに条件を変える: ある会社には詳しい資料を渡し、別の会社には口頭で概要だけ伝える、といった差をつけると、見積もりの差が条件の差なのか実力の差なのかわからなくなります
- 結果を連絡しない: 選ばなかった会社に何も伝えないまま放置すると、相手は催促の連絡を続けることになり、次に頼みたいときに気まずくなります
相見積もりであることは、依頼の時点で伝えるのが基本です。「複数社にお願いしています」と一言添えるだけで、相手は見積もりにかける労力を判断できます。社名まで伝える必要はなく、伝えないほうが一般的です。社数は伝えてもかまいません。
相見積もりを取らないほうがよい場面
相見積もりは万能ではありません。次のような場面では、はじめから1社に絞って依頼する特命発注のほうが、結果的に早く、質も安定します。
- 既存の仕組みの改修や保守: いま動いているシステムや制作物を手直しする場合、作った会社がいちばん中身を知っています。他社に見積もりを頼むと、調査のための費用や時間が上乗せされやすくなります
- 急ぎで、比べる時間がない: 相見積もりには依頼・質問・比較・連絡の時間がかかります。比較にかかる時間の損失が、価格の差より大きくなるなら1社に頼むほうが合理的です
- 代わりのいない専門性が必要: 特定の技術や資格、地域の事情に通じた会社が限られている場合は、比べる相手がそもそもいません
社内の規程で相見積もりが求められているのに1社に頼む場合は、なぜその会社でなければならないのかを書いた理由を稟議に添えておくと、承認する人が判断しやすくなります。「既存システムの開発元で、改修に必要な情報を持っているのは同社のみ」のように、ほかの会社では代わりがきかない事実を具体的に書きます。理由の書き方は稟議書の書き方と例文も参考にしてください。
相見積もりを依頼する前に決める5つのこと
相見積もりの質は、依頼する前の準備でほぼ決まります。依頼文を書く前に、次の5つを社内で決めておきます。
1. 作業範囲と前提条件 — 全社に同じ資料を渡す
最も大切なのは、何をどこまで頼みたいのかを文書にして、全社に同じものを渡すことです。口頭で伝えた内容は会社ごとに受け取り方がずれます。最低限、次の項目を書いておきます。
- 依頼したい作業や納品物の範囲(どこからどこまで)
- 数量・規模(ページ数、台数、人数、面積など、見積もりの単位になるもの)
- 希望する納期・期間と、動かせない日付
- 自社で用意するもの(素材、データ、場所、担当者の時間など)
- 決まっていないこと(未定の項目は「未定」と書き、仮の前提を置いてもらう)
規模の大きい仕事や、システム開発のように要件が複雑な仕事では、この資料を提案依頼書(RFP)としてまとめます。提案依頼書の項目と作り方はRFP(提案依頼書)とはとRFPの書き方完全ガイドで詳しく解説しています。
2. 依頼する社数
社数が少なすぎると比べる材料が足りず、多すぎると説明や比較の手間が増え、断りの連絡も増えます。目安は、自社で比較表を作り切れる数です。比べる項目が多い仕事ほど、社数を絞ったほうが一社ずつの見積もりを丁寧に読めます。また、条件を詰めないまま多くの会社に声をかけると、見積もりを出す側の負担が大きくなります。候補が多い場合は、まず実績や体制で数社に絞り込み、絞った会社だけに詳しい資料を渡して見積もりを依頼する二段階の進め方が向いています。
3. 回答期限
期限は全社同じ日にします。期限が会社ごとに違うと、後から出した会社が先に出た見積もりの情報を間接的に得られる余地が生まれ、公平さが崩れます。見積もりを作る側には、現地調査や社内確認の時間が必要です。依頼から期限までは、作業範囲の説明を読み込み、質問をやり取りできる程度の日数を取ります。
4. 比べる項目と重み
見積もりが届いてから比べ方を考えると、目に入りやすい合計金額に判断が引っ張られます。依頼する前に「何を重視するか」を決め、できれば重みもつけておきます。比べる項目の例は、次の節の表にまとめています。
5. 結果の連絡方法と時期
最後に、いつまでに発注先を決め、選ばなかった会社にいつ・どう連絡するかを決めます。依頼の段階で「◯月◯日までに結果をご連絡します」と伝えておくと、相手は予定を立てやすくなり、こちらも連絡を忘れにくくなります。
相見積もりの依頼メール例文
上の5つを決めたら、全社に同じ文面で依頼します。件名で用件がわかるようにし、本文に相見積もりであること、資料、期限、結果連絡の時期を書きます。
件名:【お見積もりのご依頼】◯◯制作について(回答期限:◯月◯日)
株式会社◯◯
◯◯様
はじめてご連絡いたします。株式会社△△の□□と申します。
このたび、弊社で◯◯の制作を検討しており、
御社にお見積もりをお願いしたくご連絡いたしました。
なお、今回は複数の会社様にお見積もりをお願いしております。
あらかじめご了承いただけますと幸いです。
■ご依頼の内容
・作業範囲:添付の「依頼内容書」に記載のとおり
・希望納期:◯月◯日
・ご用意いただきたいもの:お見積書(内訳つき)、
作業範囲・前提条件・対象外の作業がわかる資料
■ご回答の期限
◯月◯日(◯)◯時まで
■今後の予定
◯月◯日までに社内で検討し、結果を全社様にご連絡いたします。
内容についてご不明な点がございましたら、
◯月◯日までにご質問をお寄せください。
いただいたご質問と回答は、公平を期すため、
他の会社様にも同じ内容で共有いたします。
お忙しいところ恐れ入りますが、ご検討のほどよろしくお願いいたします。
株式会社△△
□□部 □□
電話:◯◯-◯◯◯◯-◯◯◯◯
メール:◯◯@◯◯.co.jp
「質問と回答を全社に共有する」と書いておくと、1社だけが追加情報を得て見積もりが有利になる事態を防げます。質問の締め切りを回答期限より前に置くのも同じ理由です。
依頼の段階で伝えておくと比べやすくなること
見積書の形式を会社任せにすると、内訳の粒度がばらばらになり、比較表に落とし込む手間が増えます。依頼メールや依頼内容書に、次のような希望を書いておくと、届いた見積もりをそのまま並べやすくなります。
- 内訳は「作業項目ごと」に分けて記載してほしい(一式表記を避けてほしい)
- 前提条件と、見積もりに含まれない作業を明記してほしい
- 追加費用が発生する条件と、その場合の単価を記載してほしい
- 見積もりの有効期限と支払条件を記載してほしい
見積書の一般的な記載項目は、見積書テンプレートと必須記載項目にまとめています。発注する側も、どの項目が見積書に載るのが普通かを知っておくと、欠けている項目に気づきやすくなります。
届いた見積もりの比べ方 — 価格以外に見る7項目
相見積もりで比べるべきなのは、合計金額ではなく「その金額で何をどこまでやってもらえるか」です。同じ依頼をしても、会社によって含める作業や置く前提が違うため、合計金額だけを並べると、範囲の狭い見積もりが安く見えてしまいます。
比べる7項目とチェックの仕方
上の図の7項目について、見るポイントと差が出やすい例を表にまとめます。
| 項目 | 見るポイント | 差が出やすい例 |
|---|---|---|
| 作業範囲 | 依頼した作業がすべて内訳に入っているか | ある会社は打ち合わせや修正対応を含み、別の会社は含まない |
| 前提条件 | 何を前提に金額を出しているか | 素材やデータを発注側が用意する前提か、作る側が用意する前提か |
| 除外事項 | 「含まないもの」として何が書かれているか | 保守・運用、交通費、ライセンス費用が対象外になっている |
| 追加費用の条件 | どんなときに追加費用が発生し、単価はいくらか | 修正回数の上限を超えたら追加、仕様変更は別途見積もり |
| 支払条件 | 支払時期と分割の有無 | 着手金ありか、納品後一括か、月額か |
| 有効期限 | 見積額がいつまで有効か | 期限を過ぎると再見積もりになり、金額が変わる可能性がある |
| 体制 | 誰がどの役割で担当するか、窓口は誰か | 担当者の人数、外部への再委託の有無 |
表のなかで特に見落とされやすいのが「除外事項」と「追加費用の条件」です。見積書の最後に小さく書かれていることが多く、合計金額が安い見積もりほど、除外事項が多い傾向に注意が必要です。不明な点は、比較表を作る前に各社へ質問して埋めておきます。
比較表の作り方 — 範囲をそろえてから点数をつける
比較表は、次の順で作ると判断がぶれにくくなります。
- 依頼内容書の作業項目を縦に並べ、各社の見積もりで「含む」「含まない」「不明」を埋める
- 「含まない」作業を別途頼んだ場合の費用を、各社に確認して書き足す(範囲をそろえた合計を出す)
- 依頼前に決めた比較項目ごとに、重みをつけて点数をつける
- 合計点と、範囲をそろえた合計金額を並べ、社内の決裁者が判断できる形にする
重みのつけ方に正解はありませんが、決め方には型があります。まず「これを満たさない会社は選ばない」という条件(納期に間に合う、必要な資格を持っている、など)を点数とは別に切り出し、満たさない会社を比較から外します。残った会社について、価格・範囲の広さ・体制・実績などに重みをつけます。価格の重みを大きくするほど安い会社が有利になり、体制や実績の重みを大きくするほど、発注後の手戻りを減らす方向の選び方になります。重みは見積もりが届く前に決めておき、届いてから変えないことが、社内で公平に説明するための条件です。
手順2の「範囲をそろえた合計」を出すと、最初の合計金額の順位が入れ替わることも珍しくありません。比較表は、そのまま稟議書や社内の説明資料に添付できます。比較の過程を残しておくと、なぜその会社を選んだのかを後から説明できるだけでなく、選ばなかった会社への連絡でも理由を整理しやすくなります。
見積もりの内容を確かめる質問の例
比較表の「不明」を埋めるときは、各社に同じ質問をします。質問の例を挙げます。
- 「この金額に、打ち合わせと修正対応は何回分含まれていますか」
- 「対象外と書かれている作業を追加でお願いした場合、費用の目安はいくらですか」
- 「担当者が途中で交代する可能性はありますか。外部に再委託する作業はありますか」
- 「お見積もりの有効期限を過ぎた場合、金額が変わる可能性はありますか」
受託開発・Web制作・コンサルの相見積もりで差が出やすいところ
形のある商品と違い、システム開発やWeb制作、コンサルティングのように「作業そのもの」を頼む仕事は、同じ依頼文でも会社ごとの解釈の幅が大きく、見積金額に大きな差がつくことがあります。差の多くは次の4点から生まれます。
- 見積もりの方式: 作業時間(人数×期間)で積み上げる方式か、成果物に対して金額を固定する方式か。前者は要件が変わったときに金額も変わり、後者は要件の変更が追加費用の対象になります。どちらの方式かで、同じ合計金額でもリスクの持ち方が違います
- 修正と打ち合わせの回数: デザインの修正が何回まで含まれるか、定例の打ち合わせが月に何回含まれるか。回数の上限を超えたときの扱いが、追加費用の条件に書かれているかを確かめます
- 検収の条件: 何をもって納品完了とするか。確認期間や、不具合が見つかったときの対応範囲が書かれていない見積もりは、最後の段階で揉めやすくなります。検収の考え方は検収とはで解説しています
- 納品後の保守・運用: 納品後の不具合対応や更新作業が、見積もりに含まれるのか、別契約なのか。月額で発生する費用は、初期費用と分けて比べます
この種の仕事では、見積書だけでなく、作業の進め方や体制を書いた提案書もあわせて比べると、金額の差の理由が見えやすくなります。進め方の説明が具体的な会社ほど、範囲の線引きもはっきりしている傾向があります。
相見積もりの断り方 — 早く・簡潔に・他社の情報は伝えない
選ばなかった会社には、発注先が決まった時点でできるだけ早く、メールで断りの連絡をします。理由は「総合的に検討した結果」で十分で、他社の社名や金額は伝えません。断りの連絡は、相手に次の仕事の予定を立ててもらうための連絡でもあります。
断りの連絡は、本命の会社と合意してから
断りの連絡は早いほどよいとはいえ、本命の会社と条件が固まる前に他社へ断ってしまうと、本命との話がまとまらなかったときに戻る先がなくなります。順番は「本命の会社と発注の条件に合意する」「本命以外の会社に断りの連絡をする」の2段階が安全です。本命との最終調整に時間がかかりそうなときは、ほかの会社に「◯日ごろまでに結果をお伝えします」と途中経過だけ連絡しておくと、相手を待たせすぎずに済みます。
断りの連絡で押さえる5つのポイント
- 時期: 発注先が決まったらすぐに連絡する。依頼時に伝えた日付があれば、それより前に連絡する
- 手段: 基本はメール。やり取りが長かった会社や、現地調査などで手間をかけてもらった会社には、電話で伝えてからメールでも送ると丁寧
- お礼: 見積もりと提案に時間を割いてもらったことへのお礼を最初に書く
- 結論: 「今回は見送る」「他社にお願いすることになった」という結論をはっきり書く。あいまいな表現は、まだ可能性があると受け取られる
- 理由: 簡潔に伝える。価格・範囲・時期など一言で伝えられる理由があれば添えてもよいが、他社の金額・社名・提案内容は伝えない
他社の見積もり内容は、その会社が自社の提案として出した情報です。別の会社に見せたり、金額を具体的に伝えたりすると、見積もりを出した会社の信頼を損ないます。秘密保持契約を結んでいる場合は、契約違反になるおそれもあります。資料を受け渡すときの秘密保持の考え方は営業資料とNDAの関係も参考にしてください。
理由の伝え方 — どこまで正直に書くか
理由をどこまで書くかは、相手との関係と、今後も取引の可能性があるかで決めます。
| 状況 | 伝え方の例 | 書かないほうがよいこと |
|---|---|---|
| 総合評価で他社に決めた | 「社内で総合的に検討した結果、今回は別の会社様にお願いすることになりました」 | 他社の社名、他社の提案の中身 |
| 価格が主な理由 | 「今回は予算との兼ね合いで、別の会社様にお願いすることになりました」 | 他社の具体的な金額、「◯万円安かった」などの差額 |
| 作業範囲や体制が合わなかった | 「今回求めている対応範囲を踏まえ、別の会社様にお願いすることになりました」 | 担当者個人への評価 |
| 計画自体が中止・延期になった | 「社内の事情により、今回の計画自体を見送ることになりました」 | 確定していない再開時期の約束 |
相手から「今後の参考に理由を詳しく教えてほしい」と頼まれた場合は、社内で差し支えのない範囲で答えます。そのときも、他社の金額や社名ではなく、「範囲の書き方がわかりにくかった」「納期の提案が希望より遅かった」のように、相手の見積もりについての感想として伝えると角が立ちません。
断りメール例文1:基本形(他社に決めたとき)
件名:お見積もりの結果について(◯◯制作の件)
株式会社◯◯
◯◯様
いつもお世話になっております。株式会社△△の□□です。
先日は◯◯制作のお見積もりをご提出いただき、
誠にありがとうございました。
社内で慎重に検討いたしました結果、
誠に恐縮ながら、今回は別の会社様にお願いすることとなりました。
ご多忙のなか、丁寧なお見積もりとご提案をいただきましたのに、
ご期待に沿えず申し訳ございません。
また別の機会にご相談させていただくこともあるかと存じます。
その際はどうぞよろしくお願いいたします。
株式会社△△
□□部 □□
断りメール例文2:価格が理由のとき
件名:お見積もりの結果のご連絡(◯◯の件)
株式会社◯◯
◯◯様
いつもお世話になっております。株式会社△△の□□です。
このたびは◯◯のお見積もりをいただき、ありがとうございました。
内容を社内で検討いたしましたが、今回は予算との兼ね合いにより、
別の会社様にお願いすることとなりました。
ご提案いただいた内容は大変参考になりました。
お時間を割いてご対応いただいたにもかかわらず、
このようなご連絡となり申し訳ございません。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
株式会社△△
□□部 □□
断りメール例文3:計画の中止・延期で全社に断るとき
件名:◯◯計画見送りのご連絡(お見積もりの件)
株式会社◯◯
◯◯様
いつもお世話になっております。株式会社△△の□□です。
先日お願いいたしました◯◯のお見積もりにつきまして、
ご対応いただき誠にありがとうございました。
大変申し訳ございませんが、社内の事情により、
今回の計画自体を見送ることとなりました。
そのため、今回はいずれの会社様にも発注しないこととなりました。
お手数をおかけしたにもかかわらず、このようなご連絡となり
誠に申し訳ございません。
計画を再開する際には、あらためてご相談させていただけますと幸いです。
株式会社△△
□□部 □□
断りメール例文4:今後も付き合いを続けたい会社へ
件名:お見積もりの結果と御礼(◯◯の件)
株式会社◯◯
◯◯様
いつもお世話になっております。株式会社△△の□□です。
このたびは◯◯のお見積もりとご提案をいただき、
誠にありがとうございました。
社内で検討を重ねた結果、今回は求めている対応範囲を踏まえ、
別の会社様にお願いすることとなりました。
ご提案のなかでも、◯◯についての進め方は社内でも評価が高く、
別の案件でぜひご相談したいという声が出ております。
あらためてご連絡させていただくこともあるかと存じますので、
引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
株式会社△△
□□部 □□
例文4のように、相手の提案のどこがよかったかを一言添えると、形だけの断りではないことが伝わります。ただし、実際に社内でそう評価されていない場合は書きません。
断りメール例文5:見積もり提出前に依頼を取り下げるとき
件名:お見積もりのご依頼取り下げのお願い(◯◯の件)
株式会社◯◯
◯◯様
いつもお世話になっております。株式会社△△の□□です。
先日ご依頼いたしました◯◯のお見積もりについて、
ご連絡いたします。
社内で検討を進めたところ、すでにお見積もりをいただいた会社様の中から
お願いする方向となりました。
お見積もりのご準備を進めていただいていたところ大変恐縮ですが、
今回のご依頼は取り下げさせていただけますでしょうか。
ご準備いただいた作業がございましたら申し訳ございません。
また機会がございましたら、ご相談させてください。
株式会社△△
□□部 □□
見積もりの提出前に発注先が決まった場合も、わかった時点ですぐに連絡します。相手が作業を進めている途中であれば、早く伝えるほど相手の無駄な作業が減ります。
断りメール例文6:電話で伝えるときのトーク
やり取りが長かった会社には、メールの前に電話で伝えると誠意が伝わります。電話では要点だけを話し、詳細はメールで送ります。
「株式会社△△の□□です。いつもお世話になっております。
先日お見積もりをいただいた◯◯の件で、結果のご連絡のためにお電話しました。
いまお時間よろしいでしょうか。
社内で検討した結果、今回は別の会社様にお願いすることになりました。
現地まで来ていただいて、丁寧にご提案いただいたのに申し訳ありません。
詳細はこのあとメールでもお送りします。
また別の機会にご相談させてください。本当にありがとうございました。」
やってはいけない断り方
次のような断り方は、相手との関係を損ない、次に頼みたいときの妨げになります。
- 連絡しない: 何も伝えずに放置する。相手は結果がわからないまま、予定を空けて待ち続けることになります
- 結論をぼかす: 「今回は少し様子を見させてください」のように書くと、相手は追加の提案や値下げを持ってきます。断るなら断ると書きます
- 他社の金額を見せて値下げを迫ってから断る: 他社の見積もりを材料に値下げさせたうえで、結局別の会社に決めると、相手は値下げの検討にかけた時間を無駄にしたと感じます
- 担当者個人を理由にする: 「担当の方の対応が」と個人に原因を求める書き方は、必要がない限り避けます
相見積もりと値引き交渉 — 他社の金額を使う前に
相見積もりの結果をもとに、本命の会社と条件を交渉すること自体はよく行われます。ただし、他社の見積もりの金額を見せて「これより下げてほしい」と迫るやり方は、上で書いた情報の扱いの問題に加え、取引の条件によっては法律上の問題になることがあります。
下請法の改正法が2026年1月1日に施行され、通称が「取適法(とりてきほう)」に変わりました(公正取引委員会・中小企業庁「2026年1月から『下請法』は『取適法』へ!」)。同じ資料によると、適用の基準には従来の資本金基準に加えて従業員基準(300人、100人)が追加されています。取適法は、こうした基準に当てはまる委託取引について、委託する側の禁止行為を定めています(公正取引委員会「取適法・振興法」)。公正取引委員会は、そのうちの「買いたたき」を次のように説明しています。
委託事業者が発注に際して製造委託等代金の額を決定するときに、発注した内容と同種又は類似の給付の内容(又は役務の提供)に対して通常支払われる対価に比べて著しく低い額を不当に定めることは「買いたたき」として取適法違反になります。(公正取引委員会「委託事業者の禁止行為」)
同じページでは、受託する側から価格協議を求められたのに、協議に応じなかったり必要な説明をしなかったりして一方的に代金を決めることも、禁止行為として挙げられています。相見積もりで価格の相場を確かめるのは正当な手順ですが、そこで得た数字を使って協議をせずに一方的に金額を決める進め方は避けるべきです。取適法の対象になるかどうかは、取引の内容と双方の資本金・従業員数で決まります。自社の取引が当てはまるかは、公正取引委員会の資料で確認してください。
価格交渉の進め方そのものは、B2Bの交渉術で、相手と合意できる条件の探し方として解説しています。
官公庁・自治体の相見積もりのルール
公的機関の調達では、相見積もりが法令や規則で求められています。国の機関については、予算決算及び会計令が、随意契約をするときの見積書の取り方を次のように定めています。
契約担当官等は、随意契約によろうとするときは、なるべく二人以上の者から見積書を徴さなければならない。(e-Gov法令検索「予算決算及び会計令」第九十九条の六)
国の機関が随意契約できる少額の基準
同令の第九十九条は、随意契約によることができる場合を列挙しています。その一つが、予定価格が一定の額を超えない少額の契約です。
| 契約の種類 | 随意契約ができる予定価格の上限(国) |
|---|---|
| 工事又は製造 | 400万円 |
| 財産の買入れ | 300万円 |
| 物件の借入れ(予定賃借料の年額又は総額) | 150万円 |
| 財産の売払い | 100万円 |
| 物件の貸付け(予定賃貸料の年額又は総額) | 50万円 |
| 上記以外の契約 | 200万円 |
出典: e-Gov法令検索「予算決算及び会計令」第九十九条(2026年10月に確認した条文)。条文は改正されることがあるため、最新の内容はe-Govで確認してください。
自治体の場合 — 金額の上限と見積書の取り方は各自治体の規則で決まる
都道府県や市町村については、地方自治法施行令第百六十七条の二が、随意契約によることができる場合を定めています。少額の契約は、別表第五に掲げる額の範囲内で「普通地方公共団体の規則で定める額」を超えないもの、とされています(e-Gov法令検索「地方自治法施行令」)。
| 契約の種類 | 都道府県・指定都市 | 市町村(指定都市を除く) |
|---|---|---|
| 工事又は製造の請負 | 400万円 | 200万円 |
| 財産の買入れ | 300万円 | 150万円 |
| 物件の借入れ | 150万円 | 80万円 |
| 財産の売払い | 100万円 | 50万円 |
| 物件の貸付け | 50万円 | 30万円 |
| 上記以外のもの | 200万円 | 100万円 |
出典: e-Gov法令検索「地方自治法施行令」別表第五(2026年10月に確認)。表の額は上限で、実際の基準額は各自治体の規則で決まります。
地方自治法施行令には、国の予算決算及び会計令第九十九条の六のような「見積書を二人以上から取る」という条文は置かれていません。何社から見積書を取るか、どの額から見積合せをするかは、各自治体の契約規則などで定められています。自治体の見積合せに参加する、または自治体の担当者として手続きを進める場合は、その自治体の契約規則を確認してください。
公的機関の見積合せに参加する会社が気をつけること
公的機関の見積合せでは、見積書の様式や提出方法、提出期限が依頼文や仕様書で指定されることがあります。指定がある場合は、その様式と期限を必ず守ります。仕様書の内容に沿って見積もることが前提なので、仕様書にない提案を加える余地は民間の取引より小さいと考えておきます。不明点は、指定された期間と方法で質問します。
相見積もりをされる側の対応 — 選ばれる見積もりの出し方
見積もりを出す側から見ると、相見積もりは「比べられる前提」で見積書を作る場面です。比べられたときに、範囲と前提が正しく伝わる見積書を出すことが、価格以外で選ばれるための土台になります。
依頼を受けたら確かめること
- 相見積もりかどうか: 依頼文に書かれていなければ、「他社様にもご依頼されていますか」と聞いてかまいません。答え方で、どの程度の提案を用意するか判断できます
- 決め手になる項目: 「価格」「納期」「実績」「体制」のうち、先方が何を重視しているかを聞きます。答えてもらえなくても、質問すること自体が先方の整理を助けます
- 決定の時期と決める人: いつ、誰が決めるのかがわかれば、提出後のフォローの時期を決められます
比べられても誤解されない見積書にする
相見積もりでは、自社の見積書が他社の見積書と並べて読まれます。作業範囲・前提条件・対象外の作業・追加費用の条件をはっきり書いておくと、範囲が広いぶん金額が高いことを、先方が比較表のうえで理解できます。逆に「一式」表記ばかりの見積書は、範囲が読み取れないため、合計金額だけで比べられがちです。
先方が比較の軸を持っていないように見える場合は、「お見積もりを比較される際は、◯◯と◯◯が含まれているかをご確認ください」と、比べるポイントを添えて提出するのも有効です。他社の悪口ではなく、先方が判断しやすくなる情報として伝えます。相見積もりを前提に来られたときの交渉の考え方は、B2Bの交渉術の相見積もりの節でも詳しく扱っています。
見積もりの依頼を辞退するとき
依頼の内容によっては、見積もり自体を辞退したほうがよい場合もあります。対応できる体制がない、納期に間に合わない、得意分野と離れている、といった理由で無理に見積もりを出すと、選ばれても選ばれなくても双方の時間を使うことになります。辞退するときは、わかった時点ですぐに連絡し、可能なら「この条件なら対応できる」という代わりの案を添えます。
件名:お見積もりご依頼の件(◯◯制作)
株式会社◯◯
◯◯様
いつもお世話になっております。株式会社△△の□□です。
このたびは◯◯制作のお見積もりのご依頼をいただき、
誠にありがとうございます。
社内で検討いたしましたが、ご希望の納期に対して
十分な体制をご用意することが難しく、
誠に恐縮ながら、今回はお見積もりを辞退させていただきたく存じます。
なお、納期を◯月◯日以降にしていただける場合や、
◯◯の部分のみであれば、対応できる可能性がございます。
もしご検討の余地がございましたら、お気軽にお申し付けください。
せっかくお声がけいただいたにもかかわらず、申し訳ございません。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
株式会社△△
□□部 □□
辞退の連絡を回答期限の直前まで延ばすと、発注する側は比較する社数が足りなくなり、別の会社を探し直す時間もなくなります。依頼文を読んだ段階で難しいと判断できたら、その日のうちに伝えるのが相手への配慮です。
選ばれなかったときの返信と、理由の聞き方
断りの連絡を受けたら、お礼と了承を伝え、可能であれば今後のために理由を一言だけ聞きます。しつこく理由を聞いたり、値下げを再提示したりすると、次の機会に声がかかりにくくなります。断りの連絡への返信例文は、失注メールの例文15本で、件名つきで紹介しています。
また、問い合わせや見積もり依頼の段階で相手の状況を読み取るときは、引き合いとはで解説している「引き合い」の受け方も参考になります。
相見積もりでよくある失敗と防ぎ方
相見積もりで起きやすい失敗を、発注する側と見積もりを出す側に分けてまとめます。
| よくある失敗 | 起きること | 防ぎ方 |
|---|---|---|
| 会社ごとに口頭で説明する | 伝わった内容がずれ、見積もりが比べられない | 依頼内容書を1つ作り、全社に同じものを渡す |
| 合計金額だけで決める | 発注後に対象外の作業が見つかり、追加費用が出る | 範囲をそろえた合計で比べる |
| 期限を会社ごとに変える | 公平さが崩れ、後から出した会社が有利になる | 回答期限と質問期限を全社同じにする |
| 1社だけに追加情報を伝える | 他社から不公平だと受け取られる | 質問と回答を全社に共有する |
| 断りの連絡をしない | 次に頼みたいときに気まずくなる | 依頼時に結果の連絡日を伝え、決まったら当日中に連絡する |
| (出す側)「一式」で見積もる | 範囲が伝わらず、価格だけで比べられる | 作業項目ごとの内訳と、対象外の作業を明記する |
見積もりの前提と決まったことを、顧客と同じ場所に置く
Terasuは、顧客と共有するページ・資料・決定事項を案件ごとにまとめるワークスペースです。見積もりの前提条件や対象外の作業、打ち合わせで決まったことを双方から見える場所に置けるため、「どこまでが見積もりの範囲だったか」をメールで探し直す往復が減ります。
無料ではじめるよくある質問
相見積もりとは何ですか?
相見積もりとは、複数の会社に同じ条件で見積もりを依頼し、金額と内容を比べて発注先を決めることです。読み方は「あいみつもり」で、「あいみつ」と略されます。「見積もり合わせ」とも呼ばれ、官公庁では「見積合せ」と書かれることがある言葉です。
相見積もりと合見積もり、どちらの表記が正しいですか?
どちらも誤りではありません。辞書の見出しは「合い見積もり」「合見積り」ですが、ビジネス文書では「相見積もり」の表記も広く使われています。社内でどちらかに統一しておけば十分です。
相見積もりを取るのは失礼ですか?
失礼ではありません。発注先を選ぶときの一般的な手順です。失礼と受け取られやすいのは、相見積もりであることを伏せる、会社ごとに条件を変える、選ばなかった会社に結果を連絡しない、の3つです。
相見積もりであることは相手に伝えるべきですか?
依頼の時点で伝えるのが基本です。「複数の会社様にお願いしています」と一言添えれば十分で、他社の社名を伝える必要はありません。相手はそれを聞いて、見積もりにかける労力を判断できます。
相見積もりは何社に頼めばよいですか?
自社で比較表を作り切れる社数にとどめます。比べる項目が多い仕事ほど社数を絞ったほうが、一社ずつの見積もりを丁寧に読めます。候補が多いときは、実績や体制でまず数社に絞ってから見積もりを依頼します。
選ばなかった会社に断りの連絡は必要ですか?
必要です。相手は結果を待って予定を空けていることがあるため、発注先が決まった時点で早めにメールで連絡します。お礼、見送るという結論、簡潔な理由の順で書き、他社の社名や金額は伝えません。
断る理由は正直に書いたほうがよいですか?
「総合的に検討した結果」で十分です。価格や範囲など一言で伝えられる理由は添えてもかまいませんが、他社の金額や提案内容は書きません。理由を詳しく聞かれたら、相手の見積もりについての感想として答えます。
他社の見積もり金額を伝えて値下げを頼んでもよいですか?
避けたほうが安全です。他社の見積もりはその会社の情報で、見せると信頼を損ないます。取適法の対象となる取引では、協議に応じず一方的に代金を決めることや、著しく低い額を不当に定める買いたたきが禁止されています。
官公庁でも相見積もりは必要ですか?
国の機関が随意契約をするときは、予算決算及び会計令で、なるべく二人以上から見積書を取るよう定められています。自治体の場合は、何社から見積書を取るかなどを各自治体の契約規則で定めています。
まとめ
相見積もりは、複数の会社に同じ条件で見積もりを出してもらい、金額と内容を比べて発注先を決める方法です。押さえておきたいポイントは次のとおりです。
- 読み方は「あいみつもり」、略して「あいみつ」。「相見積もり」「合見積もり」のどちらの表記も誤りではない
- 相見積もり自体は失礼ではない。相見積もりであることを伝え、全社に同じ条件で依頼し、結果を必ず連絡する
- 依頼前に作業範囲と前提、社数、回答期限、比べる項目と重み、結果の連絡方法を決める
- 比べるのは合計金額ではなく、範囲をそろえた合計と、前提条件・除外事項・追加費用の条件などの7項目
- 断りの連絡は早く、簡潔に。他社の社名・金額・提案内容は伝えない
- 国の随意契約では、なるべく二人以上から見積書を取ることが定められている。自治体は各自治体の規則を確認する
これから相見積もりを依頼するなら、まずは依頼内容書に「作業範囲」「前提条件」「対象外の作業」の3つを書き出すところから始めてみてください。その3つがそろえば、届いた見積もりを同じ物差しで比べられます。


