
引き合いとは?意味・読み方と使い方|「引き合いがある」の例文・言い換え・英語、問い合わせとの違い
引き合い(ひきあい)とは、ビジネスでは、取引の条件を問い合わせたり、商品やサービスの購入・依頼を打診したりすることを指す。「新製品に引き合いがある」のように、受ける側から見て「取引につながりうる問い合わせが来ている」状態を表すことが多い。一方で、同じ「引き合い」でも「引き合いに出す」は「例として挙げる」という別の意味になる。
この記事のポイント(TL;DR)
- 引き合いは、辞書(デジタル大辞泉)では「売買・貸借条件の照会。また、その注文・取引」という意味で、ビジネスではこの意味で使います。『流通用語辞典』は、売り手側からする場合も買い手側からする場合もあると説明しています。
- 「引き合いがある・来る・多い」は、問い合わせや打診を受けている状態です。「引き合いを出す」は、こちらから見積もりや条件を問い合わせることです。
- 「引き合いに出す」は「例として挙げる」という別の意味です。取引の話と混同しないよう、この記事では意味・例文・英語を並べた表を用意しました。
- 引き合いは、問い合わせのうち取引につながりうるもの、という位置づけです。問い合わせ → 引き合い → 案件化 → 見積もり・提案 → 受注・失注、の流れで言葉を使い分けると、社内の報告が正確になります。
- 後半では、引き合いを受けたときに確認することと、案件にしない(断る)ときの文面を紹介します。
どこから読むか
| 当てはまる状況 | 先に読むところ |
|---|---|
| 言葉の意味だけ手早く知りたい | 引き合いとは|意味と読み方 |
| 「引き合いに出す」とどう違うのか迷った | 「引き合い」と「引き合いに出す」の違い |
| メールや報告で正しく使いたい | 引き合いの使い方と例文 |
| 問い合わせ・案件・商談との線引きを社内でそろえたい | 段階で整理する |
| 引き合いを受けて、返信や断り方に困っている | 引き合いを受けたときに確認すること |
引き合いとは|意味と読み方
引き合いとは、取引に関する問い合わせや打診のことで、読み方は「ひきあい」です。表記は「引き合い」のほか「引合い」「引合」と書くこともあります。
小学館『デジタル大辞泉』(コトバンク)は「引き合い」に6つの意味を挙げており、ビジネスで使うのはそのうち3番目の「売買・貸借条件の照会」と、その注文・取引の意味です。用例として、海外から新製品の引き合いがくる、という文が載っています。
同じページに収録されている『流通用語辞典』の解説では、引き合いは一般に取引に関する問い合わせや照会を指し、売り手側からする場合も買い手側からする場合もあること、また中には単なる情報収集で、はっきりした取引の意思がないものも含まれることが説明されています。
この2点から、引き合いを実務で使うときの前提が見えてきます。
- 方向は両方ある:買い手が売り手に「この条件で買えるか」を問い合わせるのも、売り手が買い手に「この条件で買わないか」と打診するのも引き合い
- 確度はまだ低い:引き合いの段階では、取引の意思がはっきりしていないものも含まれる
ビジネスでは「受ける側」の言葉として使われることが多い
実際の会話やメールでは、「引き合いがあった」「引き合いが増えている」のように、問い合わせを受けた側が使う場面が目立ちます。製造業や建設業、商社のほか、システム開発・制作などの受託の仕事でも、顧客からの見積もり依頼や相談をまとめて「引き合い」と呼ぶ会社があります。
「引き合い」と「引き合いに出す」の違い|取り違えやすい2つの意味
「引き合い」は、取引の意味とは別に「例として引く」という意味でもよく使われます。辞書の2番目の意味で、「引き合いに出す」という形で使います。文脈で判断できますが、社内の報告やメールで誤解を生まないよう、違いを整理しておきます。
| 取引の「引き合い」 | 「引き合いに出す」 | |
|---|---|---|
| 意味 | 取引条件の問い合わせ・打診 | 比較や説明のために、例として挙げる |
| 辞書の区分(デジタル大辞泉) | 3番目の意味 | 2番目の意味 |
| よくある形 | 引き合いがある/来る/多い、引き合いを出す、お引き合い | 〇〇を引き合いに出す |
| 例文 | 新サービスに複数の企業から引き合いがあった | 他社の事例を引き合いに出して説明した |
| 英語 | inquiry | mention, refer to, cite |
「引き合いを出す」と「引き合いに出す」は、助詞が一つ違うだけで意味が変わります。「を」なら取引の問い合わせを出すこと、「に」なら例として持ち出すことです。
引き合いの使い方と例文
引き合いは、受ける側なら「引き合いがある・来る」、出す側なら「引き合いを出す」、相手への丁寧な言い方なら「お引き合い」と使い分けます。場面ごとの言い回しと例文を並べます。
受ける側の使い方
| 表現 | 意味 | 例文 |
|---|---|---|
| 引き合いがある/あった | 問い合わせや打診を受けている/受けた | 先週の展示会の後、3社から引き合いがあった |
| 引き合いが来る | 問い合わせが届く | 海外の代理店から引き合いが来ている |
| 引き合いが多い/強い | 問い合わせが多く、需要が高い | この部品は今期、引き合いが強い |
| 引き合いが少ない/弱い | 問い合わせが少なく、需要が低い | 値上げ後は引き合いが弱くなった |
| お引き合い(をいただく) | 相手からの問い合わせへの丁寧な言い方 | このたびはお引き合いをいただき、誠にありがとうございます |
「お引き合い」は、問い合わせをくれた相手へのお礼や返信で使う丁寧な表現です。「お問い合わせ」と同じ場面で使えますが、見積もりや取引の相談を受けたときに使うと、取引の話として受け止めていることが伝わります。
出す側の使い方
| 出す人 | 意味 | 例文 |
|---|---|---|
| 買い手 | 売り手に、価格・納期・条件を問い合わせる | 部品の調達先を見直すため、3社に引き合いを出した |
| 売り手 | 買い手に、取引の条件を示して意向を打診する | 新製品の取り扱いについて、既存の販売店に引き合いを出した |
「引き合いを出す」は買い手の側から使われることが多い表現ですが、『流通用語辞典』が、引き合いは売り手側からする場合もあると説明しているとおり、売り手が取引を打診する場面で使うこともあります。どちらの意味かは、主語が買う側か売る側かで判断します。
買い手が同じ条件で複数の売り手に引き合いを出し、見積もりを比べることを、相見積もり(あいみつもり)と言います。
社内報告での使い方
件名:〇〇社からの引き合いについて(ご報告)
〇〇部長
本日、〇〇社の△△様から、□□についての引き合いがありました。
・内容:□□の導入を検討しており、概算費用と期間を知りたい
・時期:来期(4月以降)の開始を想定
・経緯:当社サイトの事例ページを見て問い合わせ
・次の対応:〇日に30分のオンライン打ち合わせを設定済み
打ち合わせで要件を伺ったうえで、案件として進めるかをご相談します。
社内報告で「引き合い」と書くときは、どこまで話が進んでいるかを一緒に書きます。「引き合いがあった」だけでは、資料請求程度なのか、見積もりの依頼まで来ているのかが分かりません。
引き合いの言い換え・類語
引き合いの言い換えには、お問い合わせ、ご相談、見積もり依頼、打診、照会などがあります。「引き合いがあった」「引き合いを出した」は社内の報告や会話でよく使う言い方です。社外のメールでは、丁寧な言い方の「お引き合い」か、次のような具体的な言い方を使うと伝わりやすくなります。
| 言い換え | 使う場面 | ニュアンス |
|---|---|---|
| お引き合い | 相手からの問い合わせへのお礼・返信 | 取引の相談として受け止めていることが伝わる |
| お問い合わせ | 社外のメール全般 | 最も一般的。取引の意思の有無を問わない |
| ご相談 | 受託・制作・コンサルなど、内容が決まっていない依頼 | 条件より先に、課題の話から始まる |
| 見積もり依頼・お見積もりのご依頼 | 金額を出してほしいと言われたとき | 具体的。取引の意思が比較的はっきりしている |
| 打診 | こちらから相手の意向を探るとき | 正式な依頼の前の段階 |
| 照会 | 条件や在庫、仕様の確認 | 事務的・確認の色が強い |
引き合いは英語で何と言う?
取引の意味の引き合いは、英語では inquiry(enquiry とも綴る)が対応します(Weblio英和和英辞典)。同じ辞書では、「引き合いに出す」には mention や refer to、cite が当てられています。
- 新製品に多くの引き合いがある:We have received a lot of inquiries about our new product.
- 他社の事例を引き合いに出す:cite another company's case as an example
見積もりの依頼を正式に出す場合は、RFQ(Request for Quotation:見積依頼書)という言い方もあります。提案まで求める場合は RFP(Request for Proposal:提案依頼書)で、RFP(提案依頼書)とはで詳しく扱っています。
問い合わせ・見積もり依頼・商談・案件との違い|段階で整理する
問い合わせ → 引き合い → 案件化 → 見積もり・提案 → 受注/失注、と段階で並べると、似た言葉の違いを整理できます。次の表は、辞書の意味をもとにこの記事で整理したもので、線の引き方は会社によって異なります。
| 段階 | 言葉 | 状態 | 次に起きること |
|---|---|---|---|
| 1 | 問い合わせ | 連絡が来た。取引の話かどうかは分からない | 内容を確認する |
| 2 | 引き合い(見積もり依頼を含む) | 取引につながりうる問い合わせ・打診だと分かった。金額を出してほしいと言われたなら見積もり依頼 | 要件や条件を聞く |
| 3 | 案件化(商談化) | 相手に取り組む意思があり、自社も対応すると決めた | 提案・見積もりを出す |
| 4 | 見積もり・提案 | 条件を示した | 相手が検討・比較する |
| 5 | 受注/失注 | 取引が決まった/決まらなかった | 契約・着手/結果の報告 |
見積もり依頼は、引き合いのうち「金額を出してほしい」と具体的に求められたものです。商談は、案件化した後に条件や進め方を話し合う場を指して使われることが多い言葉です。この記事の表では、その話し合いに進む「商談化」を、案件化と同じ段階として扱っています。
同じ連絡を、ある人は「問い合わせ」、別の人は「引き合い」と呼ぶことがあります。社内で数字を集計するなら、どの段階から「引き合い」として数えるかを決めておかないと、月ごとの件数が比べられなくなります。
見積もりの出し方は見積書テンプレートで、受注に至らなかった結果の呼び方と分析は失注とはで、結果の伝え方は失注メールの例文で扱っています。受注して納品した後、成果物を確認して受け取ってもらう段階は検収とはで解説しています。
引き合いを受けたときに確認すること
引き合いを受けたら、案件として進めるかを判断するために、最初の返信や打ち合わせで次の項目を確認します。すべてを最初のメールで聞く必要はありません。一次返信ではお礼と打ち合わせの提案にとどめ、残りは打ち合わせで聞きます。問い合わせを受けてから動く営業のスタイル全体については、反響営業とはも参考になります。
| 確認すること | 聞き方の例 | 分かると判断できること |
|---|---|---|
| きっかけ | どちらで当社をお知りになりましたか | 相手の期待(事例を見たのか、紹介なのか) |
| 解決したいこと | どのような状況を変えたいとお考えですか | 自社の得意分野と合うか |
| 時期 | いつごろの開始・完了をお考えですか | 体制が組めるか、急ぎか |
| 予算の目安 | ご予算の目安や上限はお決まりですか | 見積もりの規模が合うか |
| 判断する人と流れ | ご決定までに、どなたがどのように判断されますか | 提案の出し方、社内の稟議が必要か |
| 比較の状況 | ほかの会社にもご相談中でしょうか | 相見積もりか、指名か |
ヒアリング項目を表にまとめたシートは、営業ヒアリングシートのテンプレートで配布しています。相手の社内で稟議が必要な場合の流れは、稟議書とはで扱っています。
一次返信の例文
件名:Re: □□についてのお問い合わせ
〇〇株式会社
〇〇様
このたびはお引き合いをいただき、誠にありがとうございます。
株式会社△△の□□と申します。
いただいた内容を拝見しました。
□□について、ご状況を詳しく伺ったうえで、
進め方と概算をご提案できればと考えております。
30分ほどオンラインでお話を伺えないでしょうか。
以下の日程でご都合はいかがでしょうか。
・〇月〇日(〇)10:00〜
・〇月〇日(〇)15:00〜
ご都合が合わない場合は、候補をお知らせいただけますと幸いです。
よろしくお願いいたします。
案件にしない(お断りする)ときの例文
引き合いを受けても、得意分野から外れる、時期に体制が組めない、予算の規模が合わない、といった理由で、案件として受けないこともあります。その場合は、早めに、理由を添えて伝えます。
件名:Re: □□についてのご相談
〇〇株式会社
〇〇様
株式会社△△の□□です。
先日はご相談をいただき、ありがとうございました。
社内で検討いたしましたが、ご希望の〇月開始の時期には
十分な体制をご用意することが難しく、
今回はお引き受けを見送らせていただきたく存じます。
せっかくお声がけいただいたにもかかわらず、申し訳ございません。
〇月以降の開始であれば対応できる見込みがございますので、
時期にご調整の余地がございましたら、あらためてお声がけいただけますと幸いです。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
断る理由が時期や規模であれば、条件が変われば対応できることを添えておくと、次の引き合いにつながります。
引き合いから案件化したら、情報を1か所にまとめる
引き合いを受けて案件として動き出すと、打ち合わせの議事録、要件のメモ、見積もり、提案資料が、メールやチャット、共有フォルダに散らばり始めます。相手とのやりとりが増えるほど、「最新の見積もりはどれか」「前回の打ち合わせで何を決めたか」を探す時間が増えます。案件ごとに、資料と決まったことを置く場所を先に決めておくと、提案から受注後の進行までを同じ場所で追えます。
顧客と一緒に仕事を進める考え方は、クライアントワークとはで整理しています。
引き合いから受注後まで、案件ごとの資料と決定を1か所に
Terasuは、ページ・資料・議事録・タスクをひとつの案件Roomに集め、先方の閲覧状況と決定の経緯が残る共有ワークスペースです。クレジットカード不要で、まず1つの案件Roomから試せます。
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ビジネス用語で「お引き合い」とは何ですか?
相手から受けた問い合わせや取引の打診を、丁寧に言う表現です。「このたびはお引き合いをいただき、誠にありがとうございます」のように、見積もりや取引の相談を受けたときのお礼や返信で使います。
「引き合いを出す」とはどういう意味ですか?
こちらから相手に、取引の条件や見積もりを問い合わせることです。売り手が買い手に取引を打診する場合にも使います。「3社に引き合いを出して見積もりを比較する」のように使います。助詞を「に」に変えた「引き合いに出す」は「例として挙げる」という別の意味なので注意してください。
「引き合いがあった」とはどういう意味ですか?
取引につながりうる問い合わせや打診を受けた、という意味です。社内で報告するときは、資料請求程度なのか見積もりの依頼まで来ているのか、どこまで話が進んでいるかを一緒に伝えると正確です。
「引き合いが多い」とはどういう意味ですか?
問い合わせや打診が多く、その商品やサービスへの需要が高い状態を表します。「引き合いが強い」も同じ意味で使います。反対に、問い合わせが少ない状態は「引き合いが弱い」「引き合いが少ない」と言います。
引き合いは英語で何と言いますか?
取引の意味の引き合いは inquiry(enquiry とも綴る)です。たとえば「展示会の後、3社から引き合いがあった」は We received inquiries from three companies after the trade show. と表せます。「引き合いに出す」は mention、refer to、cite などを使います。
引き合いと問い合わせの違いは?
問い合わせは、取引の話かどうかを問わない連絡全般を指します。引き合いは、そのうち取引の条件の照会や、購入・依頼の打診にあたるものです。
「引き合いに出す」の意味と例文は?
「引き合いに出す」は、比較や説明のために、ある物事を例として挙げることです。取引の「引き合い」とは別の意味です。例文は「前年の実績を引き合いに出して、今期の目標を説明した」「他社の事例を引き合いに出す」など。英語では mention、refer to、cite などで表します。
引き合いと案件の違いは?
引き合いは、取引につながりうる問い合わせを受けた段階です。案件は、相手に取り組む意思があり、自社も対応すると決めて、提案や見積もりに進む段階を指すのが一般的です。引き合いのうち、要件や時期、予算の目安を聞いたうえで進めると判断したものが案件になります。
まとめ
- 引き合いは、取引の条件の問い合わせや打診:デジタル大辞泉では「売買・貸借条件の照会」とその注文・取引の意味です。『流通用語辞典』によれば、売り手側からする場合も買い手側からする場合もあります
- 受ける側は「引き合いがある・来る・多い」、出す側は「引き合いを出す」:丁寧に言うときは「お引き合い」
- 「引き合いに出す」は別の意味:例として挙げること。英語も mention や cite になります
- 英語は inquiry:正式な見積もりの依頼は RFQ、提案の依頼は RFP
- 段階で言葉を使い分ける:問い合わせ → 引き合い → 案件化 → 見積もり・提案 → 受注・失注
- 受けたら、きっかけ・課題・時期・予算・判断の流れ・比較状況を確認する:受けない場合は早めに、理由を添えて伝えます
社内で「引き合い」をどの段階から数えているかを、一度チームで確認してみてください。
本記事の情報について: 言葉の意味は、コトバンク収録の『デジタル大辞泉』『流通用語辞典』とWeblio英和和英辞典で、2026年9月30日に確認しています。例文と段階の表は、Terasu 編集部が辞書の意味をもとに作成したもので、実在の企業や案件のやりとりではありません。


