
失注メールの例文15本|顧客への返信・お詫びと、取引先・社内への失注報告【件名つき】
失注メールとは、提案や見積もりが受注に至らなかったときに送るビジネスメールの総称である。顧客から見送りの連絡を受けて返す「返信」、見積もりや体制づくりに協力してくれた取引先・協力会社・紹介者に結果を伝える「報告」、上司や関係部署に伝える「社内報告」の3種類がある。どれも目的は同じで、結果を正確に伝え、協力へのお礼を述べ、次の機会につながる関係を残すことにある。
この記事のポイント(TL;DR)
- 失注メールは、顧客への返信だけではありません。見積もりに協力してくれた仕入先や、体制を空けてくれた協力会社、案件を紹介してくれた人にも、結果を伝える必要があります。この記事では、取引先と社内への報告まで例文を用意しました。
- 顧客への返信は「検討へのお礼 → 結果の了承 → 力不足のお詫び(短く) → 今後の接点」の順で組み立てます。値引きした再見積もりをすぐ送る、競合を悪く言う、長い反省文を書く、返信しない、の4つは避けます。
- 「失注」は売り手側の社内の言葉です。顧客や取引先へのメールでは「見送り」「今回はご期待に沿えず」などに言い換えます。
- 伝える順番は、顧客への返信 → 取引先・協力会社への報告 → 社内報告が基本です。協力会社に押さえてもらった人員や日程は、先方の損失につながるので、結果が出た当日のうちに伝えます。
- 最後に、失注後に片づけること(共有リンクの停止、秘密情報の扱いの確認、記録)をチェックリストにしました。
どこから読むか
| 当てはまる状況 | 使う例文・読むところ |
|---|---|
| 顧客から見送りの連絡が来て、今日中に返したい | 例文1〜6(顧客への返信) |
| 見送りの理由を知りたい | 例文7(理由を伺うメール) |
| 協力会社に人員や日程を押さえてもらっていた | 例文9(体制確保の解除) |
| 見積もりに協力してくれた仕入先・紹介者に伝えたい | 例文8・10・11(取引先・紹介者への報告) |
| 上司やチームに報告したい | 例文12・13(社内報告) |
| 数か月たって、あらためて連絡したい | 例文14・15(再アプローチ) |
失注メールとは|3つの種類と送る相手
失注メールとは、受注に至らなかった結果を関係者に伝えるメールで、送る相手によって「顧客への返信」「取引先・協力会社・紹介者への報告」「社内報告」の3種類に分かれます。書き方の基本は共通していますが、相手が知りたいことが違うため、文面の重心も変わります。
| 種類 | 送る相手 | 相手が知りたいこと | 文面の重心 |
|---|---|---|---|
| 顧客への返信 | 見送りを連絡してきた顧客の担当者 | 連絡が伝わったか、今後どうなるか | 検討へのお礼と、関係を続けたいという意思 |
| 取引先・協力会社・紹介者への報告 | 見積もりに協力した仕入先・メーカー、人員や日程を押さえてくれた協力会社・外注先、案件を紹介してくれた人 | 結果と、自分たちが何をすればよいか(押さえた枠を解除してよいか等) | 結果の事実、協力へのお礼、次の依頼への意思 |
| 社内報告 | 上司、チーム、見積もりに協力した技術・制作部門 | 結果、理由、次に生かすこと | 事実と理由を短く、学びと次の接点 |
「失注」は社外のメールでは使わない
「失注」は、辞書(デジタル大辞泉、コトバンク)では「受注に失敗すること」で、注文を得られなかったことを売り手側から表す言葉です。顧客に向かって「失注いたしました」と書くと、相手の判断を自社の損失として語ることになり、据わりが悪くなります。社外のメールでは、次のように言い換えます。
| 場面 | 使いやすい表現 |
|---|---|
| 顧客への返信 | 「今回はお見送りとのこと、承知いたしました」「ご期待に沿えず残念です」 |
| 取引先・協力会社への報告 | 「今回はお見送りとなりました」「残念ながら受注には至りませんでした」 |
| 紹介者への報告 | 「今回はご縁がありませんでした」「ご期待に沿う結果とならず申し訳ありません」 |
| 社内報告 | 「失注」「見送り(他社決定)」など、社内の区分どおりに書く |
言い換えの一覧と、失注・逸注・未受注の違いは失注とは?意味・読み方と言い換えで詳しく整理しています。
誰に・どの順で伝えるか|失注の報告先マップ
失注が決まったら、顧客への返信、押さえてもらった枠がある協力会社、見積もりに協力してくれた取引先、紹介者、社内の順に伝えるのが、この記事でおすすめする基本の順番です。そのために、まず報告先を洗い出します。顧客への返信だけで終わらせると、見積もりに協力してくれた仕入先や、人員を空けて待っている協力会社が、結果を知らないまま時間を使い続けることになります。
| 順番 | 報告先 | いつまでに | 伝えること |
|---|---|---|---|
| 1 | 顧客(見送りを連絡してきた担当者) | 連絡を受けた当日中 | お礼、了承、今後の接点 |
| 2 | 人員・日程・在庫などを押さえてもらった協力会社・外注先・仕入先 | 結果が出た当日中 | 結果、押さえた枠の解除、お礼 |
| 3 | 見積もりや技術資料で協力してくれた仕入先・メーカー | 当日〜翌営業日 | 結果、分かる範囲の理由、お礼 |
| 4 | 案件を紹介してくれた人・代理店 | 当日〜翌営業日 | 結果、お礼、紹介先との関係の今後 |
| 5 | 社内(上司、チーム、協力部門) | 社内の決まりに従う。なければ当日中 | 結果、理由、次の接点、学び |
2番目を急ぐのは、先方の損失に直結するからです。制作やシステム開発の案件では、協力会社が受注を見込んで担当者のスケジュールを空けていることがあります。結果の連絡が遅れるほど、その人員を別の仕事に回せない期間が延びます。
社内報告を最後にしているのは、社外への連絡を後回しにしないためです。社内の報告ルールで先に上司の確認が必要な場合は、そちらに従ってください。
件名の書き方|「誰の・何の件か」が分かるようにする
失注メールの件名は、何の件への返信・報告なのかが受信箱で分かるように書きます。顧客からの連絡への返信は、件名を変えずに「Re:」のまま返すのが基本です。自分から送る報告は、案件名と「結果のご報告」を入れます。
| 用途 | 件名の例 |
|---|---|
| 顧客への返信 | Re: 〇〇ご提案の件(元の件名のまま) |
| 取引先・協力会社への報告 | 【結果のご報告】〇〇社様 △△案件のお見積もりについて |
| 押さえた枠の解除を伝える | 【ご報告とお願い】△△案件の体制確保の解除について |
| 紹介者への報告 | 〇〇社様のご紹介の件(ご報告とお礼) |
| 社内報告 | 【失注報告】〇〇社 △△案件(他社決定) |
| 理由を伺う | 〇〇ご提案の件で、お伺いしたいことがございます |
| 再アプローチ | 〇〇の件、その後のご状況はいかがでしょうか |
社外向けの件名に「失注」「お詫び」を入れるのは避けます。受け取った側が内容を開く前に身構えてしまうからです。
顧客への返信|基本の構成と6つの例文
顧客への返信は、見送りの連絡を受けた当日中に、短く返すことをおすすめします。一般社団法人日本ビジネスメール協会の「ビジネスメール実態調査2026」(2026年4月、インターネット回答、有効回答1,293名)では、ビジネスメール全般について、6割を超える人が「1日(24時間)以内に返信が届かないと遅いと感じる」と答えています。
構成は次の4つで足ります。
- 検討へのお礼:時間を割いて提案を検討してもらったことへのお礼
- 結果の了承:見送りを受け止めたことを、はっきり書く
- お詫び(短く):期待に沿えなかったことへの一言。反省文にしない
- 今後の接点:情報提供を続けたい、機会があれば声をかけてほしい、という意思
お詫びは必須ではありませんが、「ご期待に沿えず」程度の一文は入れておくと、結果を素直に受け止めた印象になります。力不足を何行も書くと、相手に「そこまでではない」とフォローさせる手間を生みます。
例文1:基本の返信
〇〇株式会社
〇〇様
いつもお世話になっております。
株式会社△△の□□です。
ご丁寧にご連絡をいただき、ありがとうございます。
今回のご提案につきまして、お見送りとのこと、承知いたしました。
ご多忙のなか、弊社の提案にお時間を割いてご検討いただきましたこと、
あらためて御礼申し上げます。
ご期待に沿うことができず残念ですが、いただいたご意見は
今後のご提案に生かしてまいります。
また何かお役に立てることがございましたら、
いつでもお声がけいただけますと幸いです。
引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
例文2:相見積もり・コンペで他社に決まった場合
〇〇様
いつもお世話になっております。株式会社△△の□□です。
コンペの結果についてご連絡をいただき、ありがとうございます。
他社様に決定されたとのこと、承知いたしました。
複数社のご提案を比較されるなかで、弊社の提案にも
丁寧に目を通していただき、心より感謝申し上げます。
今回は力及びませんでしたが、〇〇様とご一緒した打ち合わせで
貴社の課題を深く伺えたことは、弊社にとっても大きな学びでした。
プロジェクトのご成功をお祈りしております。
今後、別のテーマでお役に立てる機会がございましたら、
ぜひお声がけください。
相手が選んだ他社については、ほめることも比べることもせず、「プロジェクトのご成功をお祈りしております」と相手の今後を祈る一文で締めます。比較して自社の優位を書き連ねると、相手の判断を否定することになります。
例文3:価格が合わなかった場合
〇〇様
いつもお世話になっております。株式会社△△の□□です。
お見積もりの件でご連絡をいただき、ありがとうございます。
今回はご予算に合わずお見送りとのこと、承知いたしました。
ご予算の範囲について率直にお聞かせいただいたことで、
弊社としても次にご提案する際の見立てを持つことができました。
ありがとうございます。
範囲や進め方を変えることで条件が合う場合もございますので、
今後ご検討の機会がございましたら、その際はお気軽にご相談ください。
ここで値引きした再見積もりを添付するのは避けます。一度出した金額を連絡のすぐ後に下げると、最初の見積もりへの信頼が落ちます。条件を変えて再提案したいなら、「範囲や進め方を変えれば」と余地だけを伝え、相手から相談があったときに出すほうが自然です。見積書の構成は見積書テンプレートで扱っています。
例文4:予算や時期の都合で見送り(延期)になった場合
〇〇様
いつもお世話になっております。株式会社△△の□□です。
ご連絡をいただき、ありがとうございます。
社内のご予算の都合で、今期の実施は見送りとのこと、承知いたしました。
来期にあらためてご検討なさる際に、今回のご提案内容を
そのままお使いいただけるよう、資料は弊社でも保管しております。
状況が変わった際には、前回の内容を踏まえてすぐにご相談に乗れますので、
お気軽にお声がけください。
なお、差し支えなければ、〇月ごろにあらためてご状況を
伺ってもよろしいでしょうか。
延期は、実質的には見送りでも、関係が続く前提で返します。次に連絡する時期を相手の了承のうえで決めておくと、数か月後の連絡が唐突になりません。
例文5:見送りの理由が書かれていなかった場合
〇〇様
いつもお世話になっております。株式会社△△の□□です。
ご連絡をいただき、ありがとうございます。
今回はお見送りとのこと、承知いたしました。
ご検討いただきましたこと、心より御礼申し上げます。
ご期待に沿うことができず残念ですが、
また別の機会にお役に立てましたら幸いです。
今後ともよろしくお願いいたします。
理由が書かれていなくても、この返信では理由を尋ねません。お礼と了承のメールに質問を混ぜると、相手に「断った理由を説明する」宿題を返すことになります。理由を知りたい場合は、数日空けてから、次の章の例文7のように別のメールで伺います。
例文6:電話や打ち合わせで断られた後に送るメール
〇〇様
株式会社△△の□□です。
本日はお電話でご連絡をいただき、ありがとうございました。
お伺いしたとおり、今回のご提案はお見送りとのこと、承知いたしました。
お電話でもお伝えしましたが、長い期間ご検討いただいたことに
あらためて御礼申し上げます。
お話の中で伺った〇〇の件は、弊社でも引き続き情報を集めておきます。
お役に立てそうな内容がございましたら、ご連絡させていただきます。
電話で断られた場合も、短いメールを送っておくと、お礼と了承が記録に残ります。打ち合わせの場で見送りを告げられたときのお礼メールは、商談・打ち合わせ後のお礼メール例文の「その場で断られた場合」も参考になります。
失注理由を伺うメール|聞き方と例文
失注理由を聞くことは失礼ではありませんが、相手にとっては「断った理由を説明する」という気の重い作業です。聞くなら、答えやすい形にします。
- 返信とは別のメールに分ける:お礼と了承のメールに長い質問を混ぜない
- 選択式にする:価格、機能・提案内容、時期、社内の判断、他社との関係など、選ぶだけで答えられるようにする
- 数日空けて送る:見送りの連絡への返信から、少し間を置く
- 質問は3つ以内:目的は次の提案の改善だと書き、回答は任意にする。追加の提案はしないと明記する
- 電話やオンラインで15分という選択肢も添える
例文7:見送り後に理由を伺う
件名:〇〇ご提案の件で、お伺いしたいことがございます
〇〇様
いつもお世話になっております。株式会社△△の□□です。
先日はご連絡をいただき、ありがとうございました。
今後のご提案の質を上げるため、差し支えない範囲で
お見送りの理由をお聞かせいただけないでしょうか。
以下から近いものを選んでいただくだけでも、大変助かります。
1. 主な理由(複数可)
A. 費用が合わなかった
B. 提案の内容・範囲が合わなかった
C. 実施の時期が合わなかった
D. 他社のご提案がより合っていた
E. 社内のご判断・体制の都合
F. その他
2. 弊社の提案で、もう少し詳しく知りたかった点があれば
お答えいただいても、追加のご提案をすることはいたしません。
ご回答は任意です。お電話やオンラインで15分ほどお話を
伺える場合は、そのほうがお手間が少ないかもしれません。
お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願いいたします。
集めた理由をどう分類し、次の提案に生かすかは、失注とは?の記事の「失注分析のやり方」で起因別の分類と分析シートを紹介しています。商談後のお礼メールの流れの中で見送りの1通と理由を聞く1通を分けて送る考え方は、商談・打ち合わせ後のお礼メール例文でも扱っています。
取引先・協力会社・紹介者への失注報告|例文
失注の報告は、顧客以外の関係者にこそ丁寧に送ります。取引先や協力会社は、こちらの受注を前提に見積もりを出し、人員や日程を空けてくれています。結果が届かなければ、次に見積もりを頼んだとき、以前ほど協力してもらえなくなるかもしれません。
報告に入れる要素は次の4つです。
- 結果の事実:受注に至らなかったこと
- 分かる範囲の理由:顧客から聞いた範囲で。推測は書かない
- お礼:見積もりや資料、日程の確保など、具体的に何に協力してもらったか
- 先方にしてほしいこと:押さえた人員・日程・在庫の解除など
例文8:見積もりに協力してくれた仕入先・メーカーへ
件名:【結果のご報告】〇〇社様 △△案件のお見積もりについて
株式会社◇◇
◇◇様
いつもお世話になっております。株式会社△△の□□です。
先日お見積もりにご協力いただいた〇〇社様の△△案件について、
本日、先方より今回はお見送りとのご連絡がありました。
残念ながら受注には至りませんでした。
先方からは、実施の時期を来期以降に見直すとのお話を伺っています。
短い期間でお見積もりと技術資料をご用意いただいたにもかかわらず、
良いご報告ができず申し訳ありません。
いただいた資料のおかげで、先方にも仕様を具体的にご説明できました。
あらためて御礼申し上げます。
来期に動きがございましたら、またご相談させてください。
引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
例文9:人員や日程を押さえてもらった協力会社・外注先へ
件名:【ご報告とお願い】△△案件の体制確保の解除について
株式会社◇◇
◇◇様
いつもお世話になっております。株式会社△△の□□です。
〇月からの開始を想定し、デザイナー2名の体制を
仮で押さえていただいていた△△案件について、
本日、先方より他社に決定したとのご連絡がありました。
残念ながら受注には至りませんでした。
つきましては、押さえていただいていた〇月〜〇月の体制は、
本日付で解除していただいて差し支えありません。
仮押さえの費用のお取り決めについても、あわせてご相談させてください。
ご連絡が直前となり、ご調整のお手間をおかけしましたことをお詫びいたします。
提案段階から構成案の作成にもご協力いただき、ありがとうございました。
構成案の作成費用は、ご依頼時のお取り決めどおりお支払いいたします
(金額を決めていなかった分は、別途ご相談させてください)。
次の案件でもぜひご一緒させてください。
体制や日程を押さえてもらっていた場合は、「解除してよい」ことを明記します。「今回は見送りになりました」だけでは、先方はそのまま待っていてよいのかを判断できません。
この例文は、まだ正式に発注していない「仮押さえ」の場合です。すでに発注書を出している場合、解除は発注の取り消しにあたります。取適法(中小受託取引適正化法。2026年1月に下請法を改正して施行)の対象となる取引では、受注者に責任がないのに発注を取り消して受注者の利益を不当に害することは、禁止行為の「不当な給付内容の変更」にあたります(公正取引委員会:委託事業者の禁止行為)。発注済みの場合は、発注時の条件を確認し、取り消しで生じた費用の負担を含めて個別に協議してください。
提案の段階で、構成案の作成など実際の作業を協力会社に依頼していた場合は、無償とする取り決めがない限り、報酬を支払う前提で扱います。商法512条は、商人が営業の範囲内で他人のために行為をしたときは相当な報酬を請求できると定めています(e-Gov法令検索 商法)。依頼の時点で金額を決めていればその条件どおりに支払い、決めていなかった場合も、失注を理由に無償にはせず、結果の報告とあわせて金額と支払いの時期を相談します。取適法の対象となる取引では、受注者に無償で作業をさせることが、禁止行為の「不当な経済上の利益の提供要請」にあたることがあります(前掲の公正取引委員会のページ)。取り決めがないまま「今回はなかったことに」とすると、協力会社との関係にしこりが残ります。
例文10:価格で他社に決まったことを仕入先へ伝える
件名:【結果のご報告】〇〇社様 △△案件について
◇◇様
いつもお世話になっております。株式会社△△の□□です。
〇〇社様の△△案件について、本日結果のご連絡があり、
今回は価格面で他社に決定したとのことでした。
特別な条件でお見積もりをいただいていたにもかかわらず、
結果につなげることができず申し訳ありません。
先方からは、仕様や提案内容については評価をいただいていたと伺っています。
今後、同じ規模の案件でご相談する際に、
条件の組み立て方をご一緒に検討させていただけますと幸いです。
まずはご報告かたがた、御礼申し上げます。
価格で負けた場合も、仕入先の見積もりのせいにする書き方は避けます。先方が次に工夫できるよう、分かっている事実(価格面で他社に決まった、内容は評価された)だけを伝えます。
例文11:案件を紹介してくれた人・代理店へ
件名:〇〇社様のご紹介の件(ご報告とお礼)
◇◇様
いつもお世話になっております。株式会社△△の□□です。
先日ご紹介いただいた〇〇社様について、ご報告いたします。
3回ほど打ち合わせの機会をいただき、ご提案まで進めましたが、
今回は先方の社内のご判断でお見送りとなりました。
せっかくご紹介いただいたにもかかわらず、
ご期待に沿う結果とならず申し訳ありません。
〇〇社様とは、今後も情報交換を続けさせていただくことになっています。
貴重なご縁をいただき、本当にありがとうございました。
またお会いした際に、あらためてお礼を申し上げます。
紹介者には、結果だけでなく「どこまで進んだか」を書きます。紹介した側は、自分の紹介が相手にとって迷惑でなかったかを気にしています。
社内への失注報告|例文
社内の失注報告は、事実と理由を短く書き、次の接点と学びを残すためのものです。後から同じ顧客や同じ種類の案件に関わる人が読んでも分かるように、決まった項目で書きます。
例文12:上司・チームへの失注報告
件名:【失注報告】〇〇社 △△案件(他社決定)
〇〇部長
△△案件について、本日先方の〇〇様より
他社に決定したとの連絡がありましたのでご報告します。
■ 結果:失注(他社決定)
■ 提案内容:△△の構築(見積額〇〇円、期間〇か月)
■ 先方から聞いた理由:
・予算の上限に対して、見積額が上回っていた
・運用面の支援は評価していただいていた
■ 自分の振り返り:
・予算の上限を、提案前の段階で確認できていなかった
■ 今後の接点:
・〇月に来期の計画を立てると伺ったため、〇月上旬に近況を伺う
■ 対応済み:顧客への返信、協力会社(◇◇社)への体制解除の連絡
以上です。
「先方から聞いた理由」と「自分の振り返り」を分けて書くと、顧客の言葉と自分の解釈が混ざりません。
例文13:見積もりに協力した技術・制作部門へ
件名:△△案件の結果のご報告とお礼
〇〇さん
△△案件では、構成の検討と工数の見積もりにご協力いただき
ありがとうございました。
本日、先方から他社に決定したとの連絡があり、
今回は受注に至りませんでした。
先方からは、技術面の提案は分かりやすかったと言っていただきました。
一方で、費用が予算の上限を超えていたとのことです。
次に同じ規模の案件で見積もりをお願いする際は、
最初に予算の上限を確認したうえでご相談します。
お忙しいなか、ありがとうございました。
数か月後の再アプローチ|例文
見送りの連絡から時間が経ったあとに、あらためて連絡を取るメールです。いきなり再提案をするのではなく、相手の状況を伺う形で送ります。延期の場合は、最初の返信で了承を得た時期に送ります。
例文14:近況を伺う
件名:〇〇の件、その後のご状況はいかがでしょうか
〇〇様
ご無沙汰しております。株式会社△△の□□です。
〇月には△△の件でご検討いただき、その節はありがとうございました。
その後、〇〇の取り組みはいかがでしょうか。
先日、同じような課題をお持ちの企業向けに、
□□についての資料をまとめましたので、ご参考までにお送りします。
〇〇様のご状況に変化がございましたら、
あらためてお話を伺えますと幸いです。
例文15:延期になった案件の再開を確認する
件名:△△のご検討再開について(〇月にご相談した件)
〇〇様
いつもお世話になっております。株式会社△△の□□です。
〇月にご連絡した際、来期にあらためてご検討なさると伺っていた
△△の件で、ご連絡いたしました。
前回のご提案から、〇〇の部分を見直した案をご用意できます。
来期のご計画の状況を伺えるお時間を、30分ほどいただけないでしょうか。
候補日を以下にお送りします。
・〇月〇日(〇)10:00〜
・〇月〇日(〇)14:00〜
・〇月〇日(〇)16:00〜
ご都合のよい日時をお知らせいただけますと幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
候補日の出し方は日程調整メールの例文で詳しく扱っています。再アプローチから相手があらためて相談をくれたときの受け方は、引き合いとはの「引き合いを受けたときに確認すること」を参考にしてください。
失注メールで避けたい4つのこと
失注メールで避けたいのは、値引きした再見積もりをすぐ送る、選ばれた他社を悪く言う、長い反省文を書く、返信しない、の4つです。関係を悪くするのは、書き方の細かなマナーよりもこちらです。
| 避けたいこと | なぜ避けるか | 代わりにすること |
|---|---|---|
| 値引きした再見積もりをすぐ送る | 最初の見積もりへの信頼が下がり、相手の判断を覆そうとしているように見える | 「範囲や進め方を変えれば」と余地だけ伝え、相談があったら出す |
| 選ばれた他社を悪く言う | 相手の判断を否定することになる | 「プロジェクトのご成功をお祈りしております」で締める |
| 長い反省文・お詫び | 相手にフォローさせる手間を生む | お詫びは「ご期待に沿えず」の一文にとどめる |
| 返信しない | 見送りの連絡は顧客にとっても書きにくいメール。返信がないと、届いたのか、気分を害したのかが分からない | 当日中に短いお礼と了承を返す |
失注後に片づけること|チェックリスト
失注メールを送ったあとに、提案のために動かしていたものを片づけます。特に、顧客と共有していた資料やアクセス権は、放置すると情報管理の問題になります。
- 顧客に返信した
- 人員・日程・在庫を仮で押さえてもらっていた協力会社・仕入先に、解除してよいことを伝えた(発注済みなら、条件と費用を協議した)
- 見積もりや資料に協力してくれた取引先・社内部門にお礼と結果を伝えた
- 紹介者に結果を伝えた
- 顧客と共有していた提案資料の共有リンクや、招待していたゲストのアクセスを止めた(または期限を決めた)
- 秘密保持契約(NDA)を結んで受け取った資料があれば、契約に返還・破棄の定めがないかを確認した
- 見送りの理由、提案内容、次に連絡する時期を、顧客の記録に残した
- 次に連絡する日を予定に入れた
共有した資料の扱いは、NDA締結済み営業資料の安全な共有方法も参考になります。
見送りになった案件の記録を、次の提案に残す
数か月後に同じ顧客へ連絡するとき、困るのは「前回、何を提案して、先方がどこまで検討していたか」が分からないことです。担当者が異動していればなおさらです。提案資料、打ち合わせの議事録、先方から聞いた見送りの理由を案件ごとにまとめておくと、再アプローチの文面を具体的に書けます。
見送りになった案件も、何を提案し、先方がどこまで見ていたかを残す
Terasuは、ページ・資料・議事録・タスクをひとつの案件Roomに集め、先方の閲覧状況と決定の経緯が残る共有ワークスペースです。クレジットカード不要で、まず1つの案件Roomから試せます。
無料で案件Roomを作るよくある質問(FAQ)
失注メールで「失注」という言葉は使ってよいですか?
社外のメールでは「お見送り」「今回はご期待に沿えず」「今回はご縁がなく」「受注には至りませんでした」などに言い換えます。「失注」は売り手側から見た社内の言葉なので、顧客や取引先には使わないほうが無難です。社内報告では「失注(他社決定)」のように、社内の区分どおりに書いてかまいません。
失注メールにお詫びは必要ですか?
必須ではありませんが、「ご期待に沿うことができず残念です」「ご期待に沿えず申し訳ありません」程度の一文を入れると、結果を素直に受け止めた印象になります。力不足を何行も書く必要はありません。紹介者や、見積もりに協力してくれた取引先には、良い報告ができなかったことへのお詫びを一言添えます。
失注連絡の例文は?
顧客への返信は「ご連絡をいただき、ありがとうございます。今回のご提案につきまして、お見送りとのこと、承知いたしました。ご検討いただきましたこと、あらためて御礼申し上げます。また何かお役に立てることがございましたら、いつでもお声がけください」が基本形です。取引先への報告は、結果の事実、分かる範囲の理由、協力へのお礼、押さえてもらった枠の解除などの依頼を入れます。
取引先に失注を報告するときは何を書けばよいですか?
結果の事実(受注に至らなかったこと)、顧客から聞いた範囲の理由、見積もりや資料・日程の確保など具体的に何に協力してもらったかへのお礼、先方にしてほしいこと(押さえた人員や日程を解除してよい等)の4つです。理由は推測で書かず、聞いた範囲にとどめます。
失注メールに返信しないのは失礼ですか?
失礼にあたる、と受け取られることがあります。見送りの連絡は顧客にとっても書きにくいメールで、返信がないと、連絡が届いたのか、気分を害したのかが分かりません。当日中に短いお礼と了承を返しておくと、次に連絡するときの印象が変わります。
失注理由を顧客に聞いてもよいですか?
聞いてかまいません。ただし、返信のメールとは分け、選択式で3つ以内の質問にし、回答は任意と書くなど、相手の負担を小さくします。電話やオンラインで短く話を聞く選択肢を添えるのも有効です。
英語で見送りの連絡に返信するときは?
日本語と同じく「失注」にあたる語は使わず、「Thank you for letting us know your decision.」のように、連絡へのお礼と了承を伝えます。なお、HubSpot などの CRM には、受注に至らなかった案件の区分として「Closed lost」が標準で用意されています(HubSpot ナレッジベース)。言葉の意味や言い換えは失注とはで整理しています。
まとめ
失注メールは、結果を伝え、協力へのお礼を述べ、次の機会につながる関係を残すためのメールです。
- 3種類を使い分ける:顧客への返信、取引先・協力会社・紹介者への報告、社内報告
- 社外では「失注」を使わない:「お見送り」「ご期待に沿えず」に言い換えます
- 顧客への返信は当日中に短く:お礼、了承、短いお詫び、今後の接点の4つで足ります
- 協力会社には「解除してよい」まで書く:仮で押さえてもらった人員や日程は、先方の損失に直結します。発注済みなら、取り消しの条件と費用を協議します
- 理由は別のメールで、答えやすく聞く:選択式、3つ以内、回答は任意
- 片づけと記録まで済ませる:共有リンクやアクセス権を止め、見送りの理由と次の連絡時期を残します
まずは今回の案件で、顧客以外に結果を伝えるべき相手がいないかを、報告先マップで確認してみてください。
本記事の情報について: 例文は、Terasu 編集部が場面ごとに作成したひな形で、実在の企業や案件のやりとりではありません。送る順番や期限は、この記事でのおすすめです。社内の報告ルールや契約の定めがある場合は、そちらを優先してください。商法と取適法の記述は、2026年9月30日時点のe-Gov法令検索と公正取引委員会のページで、返信の速さについての調査結果は日本ビジネスメール協会の公表ページで確認しています。


