注文請書とは?書き方・テンプレートと印紙の要否|受託・制作の判定表と取適法
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注文請書とは?書き方・テンプレートと印紙の要否|受託・制作の判定表と取適法

著者: Terasu 編集部

注文請書(ちゅうもんうけしょ)とは、発注者から届いた注文書(発注書)の内容を、受注者が承諾したことを示すために作成して渡す書類である。「請書(うけしょ)」「発注請書」とも呼ばれる。注文書が契約の申込み、注文請書がその承諾にあたり、2つがそろうと、契約が成立したことを書面で示せる。原則として法律で発行が義務づけられた書類ではない(建設工事の請負などを除く)が、請負の契約で紙の注文請書を渡す場合は、印紙税の課税文書になる(記載金額1万円未満は非課税)。

この記事のポイント(TL;DR)

  • 注文請書は、受注者が出す「注文をお受けしました」という書類です。民法522条は、契約は申込みと承諾で成立し、書面がなくても成立すると定めています。それでも注文請書を出すのは、何を・いくらで・いつまでに引き受けたかを、後から双方が確かめられるようにするためです。
  • 印紙が要るかは、書類の表題ではなく契約の中身で決まります(国税庁の質疑応答事例)。Webサイトやシステムを作って納める請負の契約なら第2号文書で、記載金額が1万円以上100万円以下なら200円です。規格品の売買は原則として不課税で、委任契約書は国税庁が課税文書に当たらない文書の例に挙げています。
  • 紙を渡さず、PDFにして電子メールで送るだけなら、課税文書を作成したことにはならないとする国税局の文書回答があります。ただし、あとで紙の現物も渡すと課税されます。
  • 請負の取引で、紙の発注書に署名や押印をして返送したり、「承諾しました」と書いて返したりすると、その返送した書類が請書として課税文書になり、受注者が印紙税を納める側になります(公正取引委員会・中小企業庁のテキスト)。
  • 2026年1月1日施行の取適法(旧下請法)が書面か電磁的方法での明示を求めているのは、発注者が出す発注内容(4条明示)です。注文請書は取適法上の義務ではありません。受注者は、届いた発注書に明示すべき事項がそろっているかを確かめる側に回ります。
  • PDFで交わした注文請書や注文書も、保存の義務はなくなりません。法人は原則7年間保存し、電子メールで受け渡したものは、電子帳簿保存法の電子取引データとして電子のまま保存します(国税庁)。
  • 受託・制作・コンサル向けの注文請書テンプレート(Excel・Wordに写せる項目表つき)と、返送するときのメール文例も用意しました。

どこから読むか

当てはまる状況先に読むところ
言葉の意味と、注文書・発注書との違いだけ知りたい注文請書とは|意味と読み方
見積書・注文書・納品書などの順番があいまい見積書から請求書まで、注文請書を出す位置
これから注文請書を作る書き方とテンプレート
印紙を貼るべきか迷っている印紙が要るかの判定
PDFやメールで済ませたい電子で交わす場合の印紙
再委託の仕事で、発注書の中身が足りているか不安取適法と注文請書

注文請書とは|意味と読み方

注文請書とは、受注者が発注者の注文を承諾したことを示す書類で、読み方は「ちゅうもんうけしょ」です。「請書」は「引き受けたことを示す書面」という意味で、「発注請書」「注文承諾書」「注文請書兼受領書」といった表題が使われることもあります。

契約は、片方が「この内容でお願いしたい」と申し込み、もう片方が「お受けします」と承諾したときに成立します。民法522条1項は、契約は契約の内容を示してその締結を申し入れる意思表示(申込み)に対して相手方が承諾をしたときに成立する、と定めています。注文書(発注書)がこの申込みを、注文請書が承諾を書面にしたものです。

発行は原則として義務ではない、それでも出す理由

注文請書を発行する法律上の義務は、原則としてありません。民法522条2項は、契約の成立には、法令に特別の定めがある場合を除き、書面の作成その他の方式を必要としない、と定めています(e-Gov法令検索 民法)。電話やメールで「お願いします」「お受けします」とやり取りしただけでも、契約は成立しえます。

ただし、この「法令に特別の定め」にあたる代表例が建設工事の請負です。建設業法19条1項は、建設工事の請負契約の当事者に、工事内容・請負代金の額・工期など決められた事項を書面に記載し、署名または記名押印して相互に交付することを義務づけています。内容を変更するときも同じで(同条2項)、相手方の承諾を得れば、書面に代えて電子的な方法も使えます(同条3項。e-Gov法令検索 建設業法)。内装工事や設備の設置など、建設工事にあたる仕事を請け負う場合は、注文請書だけで済ませず、この規定に沿った書面をそろえてください。

それでも受託・制作の仕事で注文請書を出す理由は、次の3つです。

  • 引き受けた範囲を固定する:注文書の内容に対して「この範囲で、この金額で、この納期でお受けします」と書面で返すことで、後から「そこまで頼んだつもりだった」「そこまでは聞いていない」という食い違いを減らせる
  • 発注者の社内手続きを進める:発注者によっては、注文請書が届かないと発注の手続きが完了しない、支払いの登録ができない、という社内の決まりがある
  • 前提条件や対象外を書き添えられる:注文書に書かれていない前提(素材の支給日、確認の回数など)を、承諾の条件として書き添えられる

最後の点は注意が必要です。注文書と違う条件をつけて承諾すると、民法528条により、申込みを断ったうえで新しい申込みをしたものとみなされます(e-Gov法令検索 民法)。条件を変えたいときは、注文請書に書き込んで済ませるのではなく、注文書を出し直してもらうか、変更内容に発注者の同意をもらってから注文請書を出すのが確実です。

注文書(発注書)・発注請書との違い

似た名前の書類は、誰が出すか、何を示すかで区別すると整理できます。

書類誰が出すか示すこと印紙税の扱い(概要)
注文書・発注書発注者この内容で頼みたい(申込み)単なる申込みの書類なら、通常は課税対象外
注文請書・発注請書・請書受注者この内容で引き受ける(承諾)契約の成立を示すため、請負なら第2号文書
契約書双方双方が合意した内容契約の中身で判定

「注文書」と「発注書」は、どちらも発注者が出す申込みの書類で、呼び方の違いです。「注文請書」と「発注請書」も同じく、受注者が出す承諾の書類の呼び方の違いです。

どの書類が契約の成立を示すかは、やり取りの形で変わります。受託・制作の現場でよく見る3つの形を並べると、次の図のとおりです。

注文書と注文請書のやり取りを3つの形で比べた図。注文書だけを受け取る形では注文書は単なる申込みで通常は課税対象外。注文書に注文請書を返す形では注文請書が契約の成立を示し、請負なら第2号文書で紙で渡すと印紙が要る。発注書に署名・押印して返す形では、返送した書類が請書になり、請負なら課税文書になって受注者が納税義務者になる
図: 同じ発注でも、受注者が何を返すかで、契約の成立を示す書類と印紙税の扱いが変わります。それぞれの根拠は、後半の印紙の章で説明します。

国税庁は、申込書・注文書・依頼書などと称する文書は通常は印紙税の課税対象にならない一方、基本契約や約款などに基づく申込みであることが記載されていて、その申込みで自動的に契約が成立する場合や、見積書などに基づく申込みであることが記載されている場合(相手方が別に請書を作ることが記載されている場合を除く)、双方の署名や押印がある場合は、契約書として扱われるとしています(国税庁 No.7118 申込書、注文書、依頼書等と表示された文書の取扱い)。注文書の書き方次第で、注文書のほうが契約書になる場合もある、ということです。


見積書から請求書まで、注文請書を出す位置

注文請書は、発注者の注文書を受け取った直後に、受注者が出す書類です。見積書から請求書までの書類を、どちらが出すかで分けて並べると、次の表のようになります。

受注者が出すのは見積書・注文請書・納品書・請求書、発注者が出すのは注文書(発注書)・検収書です。

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注文請書を出すタイミング

注文請書は、注文書を受け取ってから、できるだけ早く出します。日付は注文書の日付より前にしません。承諾が申込みより先に来ることはないからです。

注文書が届かないまま「メールでOKをもらったので作業を始める」という進め方は、受託・制作の現場ではよくあります。その場合でも、着手の前に注文書を出してもらい、注文請書を返しておくと、着手後に範囲や金額の認識がずれたときに立ち返る書面が残ります。取適法の対象になる取引では、発注者は発注したら直ちに発注内容を明示する必要があるため、注文書をもらうよう頼むのは受注者として自然なお願いです(詳しくは後半の取適法の章で説明します)。


注文請書の書き方|記載項目と受託・制作で足す項目

注文請書の様式は自由です。基本は、届いた注文書の内容を写し、「上記のとおりお請けいたします」と承諾を示します。物品の販売なら品名・数量・単価で足りますが、受託・制作・コンサルの仕事は、何を納めれば完了なのかを書かないと、注文請書を交わした意味が薄れます。

基本の記載項目

項目書くこと書き方のポイント
表題注文請書「発注請書」「請書」でもよい。表題で印紙の要否は変わらない
発行日注文請書を作った日注文書の日付より前にしない
宛先発注者の会社名・担当者注文書の記載に合わせる
発行者受注者の会社名・住所・担当者押印する場合はここに
注文書の特定注文書の番号・日付「〇年〇月〇日付 貴注文書第〇号」のように対応を示す
件名・内容何を引き受けるか成果物・作業の範囲を具体的に
金額税抜金額・消費税額・合計消費税額を区分して書く(印紙の判定に関わる)
納期・納品場所いつ、どこへ、どの形で納めるかデータ納品なら納品の方法も
支払条件締め日・支払期日・支払方法注文書の記載と一致させる
承諾の文言上記のとおりお請けいたします「注文書記載の条件にて」など、何に対する承諾かを明確に

受託・制作・コンサルで足しておきたい項目

制作や開発、コンサルの注文請書には、上の表に加えて次の項目を書いておくと、納品・検収の段階で止まりにくくなります。注文書にこれらが書かれていない場合は、注文書の別紙や見積書を引用する形でもかまいません。

  • 成果物と対象範囲:納品するもの(ページ数、機能、資料の章立てなど)と、その一覧
  • 対象外(含まないもの):見積もりに入っていない作業。追加の要望を別見積もりにするための土台になる
  • 検収の方法と期間:何を確認すれば合格か、確認にかける日数、合否を判断する人
  • 前提条件:素材や情報の提供日、確認・修正の回数、発注者側の作業
  • 変更の手続き:範囲や納期が変わるときは、書面(メールを含む)で合意し、必要なら再見積もりする
  • 知的財産権の扱い:成果物の権利をどちらに、どの範囲で移すか

対象外の書き方と、追加の依頼を線引きする方法はスコープクリープとはで、検収の方法と期間の決め方は検収とはで詳しく扱っています。範囲の大きいシステム開発なら、範囲の正本は要件定義書にして、注文請書からは版と日付で引用する形にすると、書類どうしの食い違いを防げます。

金額は「税抜金額」と「消費税額」を分けて書く

金額は、税抜の金額と消費税額を分けて書きます。印紙税の第2号文書(請負に関する契約書)では、消費税額が区分して記載されている場合や、税込価格と税抜価格の両方が記載されていて消費税額が明らかな場合、消費税額は記載金額に含めないとされています(国税庁 No.7124 消費税額等が区分記載された契約書等の記載金額)。

同じページの例では、請負金額1,100万円のうち消費税額等100万円と書けば記載金額は1,000万円(印紙税1万円)ですが、「請負金額1,100万円(税込)」や「消費税額等10パーセントを含む」とだけ書くと、記載金額は1,100万円(印紙税2万円)として扱われます。書き方だけで印紙代が変わる、ということです。なお、消費税の免税事業者が消費税額を区分して書いても、その金額は記載金額に含まれます(同ページ)。


そのまま使える注文請書テンプレートと返送メール

受託・制作の仕事向けのひな形です。〇の部分を書き換えて使ってください。物品の販売なら、5〜8の項目は省いてかまいません。

                         注文請書

                                    発行日:〇年〇月〇日
                                    番号:UK-〇〇〇〇

〇〇株式会社
〇〇部 〇〇様

                                    株式会社△△
                                    〒〇〇〇-〇〇〇〇 東京都〇〇区〇〇
                                    担当:□□(電話 〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇)

〇年〇月〇日付の貴注文書(番号:〇〇〇〇)により
ご注文いただきました下記の件につき、下記のとおりお請けいたします。

                           記

1. 件名      〇〇サイトリニューアル制作
2. 内容      別紙「成果物一覧」(〇年〇月〇日版)のとおり
3. 金額      請負金額  〇,〇〇〇,〇〇〇円
             うち消費税額等  〇〇〇,〇〇〇円
             (税抜金額 〇,〇〇〇,〇〇〇円)
4. 納期      〇年〇月〇日
   納品方法  確認用URLでの公開、およびデータ一式の共有
5. 対象外    別紙に記載のない機能・ページの追加、
             原稿・写真の作成(ご支給素材を使用します)
6. 検収      納品日の翌日から〇営業日以内に、
             別紙「確認チェックリスト」により合否をご連絡ください
7. 前提条件  原稿・写真のご支給:〇年〇月〇日まで
             デザインのご確認・修正:〇回まで
8. 変更      内容・納期の変更は、双方が書面(電子メールを含む)で
             合意したうえで行い、必要に応じて再見積もりいたします
9. 支払条件  〇月末締め、翌月〇日までに銀行振込
             (貴注文書記載のとおり)

                                                     以上

使うときのポイントは3つです。

  • 注文書を番号と日付で特定する:どの注文に対する承諾なのかが一目で分かり、印紙税の記載金額を判断するときにも、引用元がはっきりします
  • 別紙は版と日付で指す:「別紙のとおり」だけだと、どの時点の別紙か分からなくなります。最新版を差し替えたときは、注文請書も出し直すか、変更の合意を記録します
  • 消費税額を分けて書く:前の章で説明したとおり、第2号文書の印紙の金額に関わります

Excel や Word、スプレッドシートで自社の書式を作る場合は、次の表の項目を列や行にそのまま使えます。

欄記入例空欄にしないための確認
表題注文請書「発注請書」でもよい
番号・発行日UK-0001/〇年〇月〇日発行日は注文書の日付以降
宛先〇〇株式会社 〇〇部 〇〇様注文書の記載に合わせる
発行者株式会社△△、住所、担当者、連絡先紙で渡すなら押印欄も
対応する注文書〇年〇月〇日付 注文書 番号〇〇〇〇番号と日付の両方
件名・内容〇〇サイトリニューアル制作、別紙「成果物一覧」〇年〇月〇日版別紙は版と日付で指す
金額税抜金額、消費税額、合計を別の欄に「税込」だけにしない
納期・納品方法〇年〇月〇日、確認用URLとデータ一式データ納品の方法まで
対象外記載のない機能・ページの追加、原稿・写真の作成見積書の前提条件と一致
検収納品日の翌日から〇営業日以内、確認チェックリストで判定合否を判断する人も
前提条件・変更素材の支給日、修正回数、変更は書面で合意発注者側の作業を明記
支払条件〇月末締め、翌月〇日までに銀行振込注文書の記載と一致
印紙紙で渡す請負なら記載金額に応じた額次の章の判定表で確認(PDFをメールで送るだけなら不要とする国税局の回答あり)

ひな形は Terasu 編集部が作成した記入例で、実在の企業や取引のものではありません。契約の内容によっては、損害賠償や秘密保持、再委託などの条件を、別途の契約書や基本契約で定める必要があります。金額や条件が大きい取引では、法務担当者や弁護士に確認してください。

注文請書を送るメールの文例

PDFにした注文請書を電子メールで送るときの文面です。紙の現物を別に郵送しない場合は、その旨も書いておくと、発注者の担当者が迷いません。

件名:注文請書送付のご案内(〇〇サイトリニューアル制作)

〇〇株式会社
〇〇部 〇〇様

いつもお世話になっております。株式会社△△の□□です。

〇月〇日付でいただきました注文書(番号:〇〇〇〇)につきまして、
注文請書をお送りいたします。PDFを添付しておりますので、ご査収ください。

なお、本注文請書は電子データでのお送りのみとし、
紙の書面の郵送は控えさせていただきます。
紙の書面が必要な場合は、お手数ですがお知らせください。

あわせて、別紙「成果物一覧」に記載のとおり、
原稿・写真のご支給を〇月〇日までにお願いできますと幸いです。

引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

紙を求められて郵送する場合は、その紙が印紙税の課税文書になる可能性がある点に注意してください(次の章で説明します)。資料を送るメールの件名や添付の作法は、資料送付メールの例文にまとめています。


注文請書に印紙が要るかの判定|請負は第2号文書

紙の注文請書を渡す場合、印紙が要るかは契約の中身で決まります。請負の契約なら第2号文書(請負に関する契約書)、物品の売買なら原則として不課税です。まず全体を図で示し、そのあとで1つずつ説明します。

注文請書に印紙が要るかの分岐図。紙を渡さずPDFなどをメールで送るだけなら印紙は不要とする国税局の回答がある(あとで紙を渡すと課税)。紙で渡す場合は契約の中身で判定し、物品の売買は不課税(継続する売買の基本契約は第7号のことがある)、委任・準委任は原則として課税文書に当たらず、請負は第2号文書で記載金額により税額が決まる
図: 渡し方と契約の中身で判定が分かれます。請負なら記載金額で税額が決まり、1万円未満は非課税、1万円以上100万円以下は200円です。

表題ではなく中身で決まる

国税庁の質疑応答事例は、カタログ商品の販売を受けたときに作る「注文請書」について、第2号文書に該当するかどうかは表題が「請書」かどうかにかかわらず、契約の内容が請負か物品の譲渡かで判断するとし、カタログ商品の売買なら第2号文書に該当しないと回答しています(国税庁 質疑応答事例「物品販売の注文請書」)。

逆に、請負の契約なら、受注者だけが署名押印する注文請書でも課税されます。国税庁は、土木工事の「工事注文請書」について、印紙税法上の契約書には念書・請書など契約の当事者の一方だけが作る文書も含まれるため、第2号文書に該当すると回答しています(国税庁 質疑応答事例「工事注文請書」)。

請負か売買かの見分け方

請負とは、仕事の完成を約束し、相手がその結果に報酬を払う契約です。国税庁は、請負には建設工事のような形のあるものだけでなく、警備、機械保守、清掃などの役務の提供のように形のない結果を目的とするものも含まれるとし、工事請負契約書、工事注文請書、物品加工注文請書、広告契約書、会計監査契約書などを例に挙げています(国税庁 No.7102 請負に関する契約書)。

請負か売買かの判断は、契約の当事者が仕事の完成に重きを置いているか、物の所有権の移転に重きを置いているかによります。国税庁は、注文者の設計や指示した規格に従って製作するものは請負、あらかじめ規格を統一した物品を注文に応じて製作・供給するもの(カタログや見本による製作など)は売買、という基準を示しています(国税庁 質疑応答事例「請負と売買の判断基準(1)」)。

受託・制作・コンサルの仕事に当てはめると、目安は次のとおりです。最終的には、自社の契約で「何に対して報酬が払われるか」で判断してください。

仕事の例契約の中身の典型紙の注文請書の扱い(目安)
Webサイトの制作、システム・アプリの開発、デザイン制作成果物を完成させて納める(請負)第2号文書。記載金額で税額が決まる
広告の制作・出稿国税庁の例示に広告契約書がある(請負)第2号文書
保守(請負として契約し、期間と月額の記載あり)継続する請負で契約金額の記載がある第2号文書
保守(請負として契約し、月額はあるが期間の定めがない、など)継続する請負で契約金額の記載がない第7号文書になることがある
規格品・既製品の販売物品の売買不課税(継続する売買の基本契約は第7号のことがある)
コンサルティング、作業支援(時間・期間で報酬)作業の遂行を約束する(委任・準委任)原則として課税文書に当たらない
調査報告書や資料など、成果物の完成を約束するコンサル請負になりうる第2号文書になりうる

保守の行は、国税庁の質疑応答事例「請負と売買の判断基準(2)」の、機械保守契約の例に沿っています。月額の保守料金と契約期間の記載がある契約書は第2号文書、月額料金を別の覚書で定めるものや契約期間が特定されていないものは第7号文書とされています(国税庁 質疑応答事例「請負と売買の判断基準(2)」)。委任の扱いは、国税庁が誤って納付した印紙税の還付の説明で、委任契約書を印紙税の課税文書に該当しない文書の例として挙げていることによります(国税庁 No.7130 誤って納付した印紙税の還付)。

第2号文書の税額

第2号文書の税額は、契約書に記載された契約金額で決まります(国税庁 No.7102)。

記載された契約金額税額
1万円未満非課税
1万円以上100万円以下200円
100万円を超え200万円以下400円
200万円を超え300万円以下1,000円
300万円を超え500万円以下2,000円
500万円を超え1,000万円以下1万円
1,000万円を超え5,000万円以下2万円
5,000万円を超え1億円以下6万円
1億円を超え5億円以下10万円
5億円を超え10億円以下20万円
10億円を超え50億円以下40万円
50億円を超えるもの60万円
契約金額の記載のないもの200円

建設工事の請負契約書のうち一定額を超えるもので、2014年(平成26年)4月1日から2027年(令和9年)3月31日までに作成するものは、税額が軽減されています(同ページ)。工事の注文請書を扱う場合は、国税庁の軽減措置の説明もあわせて確認してください。

金額を書かず、注文書や見積書を引用した場合

注文請書に金額を書かず「貴注文書のとおり」とした場合でも、記載金額がないとは限りません。国税庁は、見積書などを引用した第2号文書では、引用先の見積書などを特定できる記載があり、それを見れば契約金額が明らかになるときは、その金額が記載金額になるとしています。たとえば工事の注文請書に「請負金額については、貴注文書第1号のとおりとします」とあり、その注文書の請負金額が500万円なら、500万円が注文請書の記載金額です(国税庁 質疑応答事例「契約金額が明らかである請負契約書」)。

注文書がさらに見積書を引用している場合も同じで、見積書で請負に係る金額が明らかになれば、その金額の第2号文書になります(国税庁 質疑応答事例「注文請書の記載金額」)。金額を書かなければ一律200円になる、と考えるのは誤りです。

基本契約があり、個別の注文で動く場合

取引基本契約を結んだうえで、案件ごとに注文書と注文請書を交わす取引では、書類ごとに扱いが分かれます。

  • 基本契約書:営業者の間で、売買・売買の委託・運送・運送取扱い・請負に関する複数の取引を継続して行うために、共通する条件(目的物の種類、取扱数量、単価、対価の支払方法、債務不履行の場合の損害賠償の方法、再販売価格のうち1つ以上)を定める契約書は、第7号文書(継続的取引の基本となる契約書)で、1通4,000円です。契約期間が3か月以内で更新の定めのないものは除かれます。コンサルティングや作業支援など、準委任だけを内容とする基本契約は、この類型には原則として当たりません。なお、代理店契約書のように売買に関する業務などを継続して委託する契約書は、同じ第7号文書の別の類型に当たることがあります(国税庁 No.7104 継続的取引の基本となる契約書)
  • 個別の注文書:基本契約に「注文書を交付し、相手がこれを承諾することで個別契約が成立する」とある場合、注文書は申込みの書類で、印紙税法上の契約書には当たりません(国税庁 質疑応答事例「基本契約に基づき下請業者に交付する注文書」)
  • 個別の注文請書:個別契約の成立を示すのは注文請書の側なので、請負なら注文請書が第2号文書として判定されます

反対に、基本契約で「注文書の交付だけで個別契約が成立する」と定めていて、注文書にもその基本契約に基づく申込みであることが記載されている場合は、注文書のほうが契約書として扱われうる点は、前に紹介した国税庁 No.7118 のとおりです(相手方が別に請書を作ることが記載されている場合を除く)。自社の基本契約が、どちらの書類で個別契約が成立する作りになっているかを、一度確かめておいてください。

発注書に署名して返すと、それが「請書」になる

注文請書を別に作らず、届いた発注書に署名や押印をして返送する、という運用もよく見かけます。公正取引委員会・中小企業庁の「中小受託取引適正化法テキスト」(令和7年11月)は、発注書の参考例は委託事業者から一方的に取引条件を通知する文書で、契約の成立を証明する文書には当たらないため課税文書ではない、としたうえで、中小受託事業者が署名または押印のうえ返送したり、「承諾した」旨を記載して返送したりする場合は、承諾文書(請書)を作成・交付したことになり、その請書が印紙税法上の課税文書になって、中小受託事業者が納税義務者になると説明しています(公正取引委員会・中小企業庁「中小受託取引適正化法テキスト」 121ページ)。

「注文請書は作っていないから印紙は関係ない」とは限らない、ということです。発注書への署名返送を求められたら、紙で返すのか、PDFで返すのかを含めて、印紙の扱いを発注者と確認しておくと安心です。

印紙の貼り方と消印

印紙税は、原則として、課税文書に税額分の収入印紙を貼り付けて納めます。そのうえで、作成者本人か、その代理人・使用人などの従業者の印章または署名で、文書と印紙の彩紋とにかけて、はっきりと印紙を消す必要があります(国税庁 No.7129 印紙税の納付方法)。注文請書なら、作成者である受注者側が消印します。

  • 消印は文書と印紙にまたがるように:印紙だけに押すのではなく、文書の紙面と印紙の両方にかかるように押します
  • 印章か署名で:会社の印でも担当者の印でもよく、署名でもかまいません(同ページ)
  • 貼る場所:表題の近くや右上・左上の余白など、受け取った側が確かめやすい位置に貼るのが一般的です
  • 金額の確認:記載金額を税抜で書いたか、注文書や見積書を引用していないかを確かめてから、税額を決めます

印紙を貼り忘れたら

作成の時までに納めなかった場合は、本来の印紙税額の3倍に相当する過怠税がかかります。ただし、税務調査で過怠税の決定があることを予知する前に、自分から「印紙税不納付事実申出書」を出した場合は1.1倍に軽減されます。貼った印紙に消印しなかった場合は、その印紙の額面に相当する過怠税がかかり、過怠税は法人税の損金や所得税の必要経費に算入できません(国税庁 No.7131 印紙税を納めなかったとき)。

反対に、必要のない印紙を貼ってしまった場合や、税額より多く貼ってしまった場合は、所轄の税務署に申請すると還付を受けられる場合があります。文書を作った日から5年を過ぎると還付の対象になりません(国税庁 No.7130)。


PDFや電子メールで交わすと、印紙は要らないのか

注文請書の現物(紙)を渡さず、PDFなどの電子データにして電子メールで送るだけなら、課税文書を作成したことにはならない、とする国税局の文書回答があります。

福岡国税局は2008年(平成20年)10月24日、請負契約の成立を証する注文請書について、現物を相手に交付すれば課税文書の作成になるが、現物の交付に替えてPDFファイルなどの電磁的記録に変換して電子メールで送信したときは課税文書を作成したことにはならない、という照会者の見解に対し、照会の事実関係を前提とする限り、そのとおりで差し支えないと回答しています(福岡国税局 文書回答事例)。照会の理由として、印紙税法基本通達第44条で課税文書の「作成」は文書を目的に従って行使すること(相手に交付する文書なら交付の時)とされていることが挙げられています(同 別紙)。

この回答を実務に使うときは、次の3点に注意してください。

  • あとで紙を渡すと課税される:照会文そのものが、電子メールで送ったあとに注文請書の現物を別に持参するなどして交付した場合は、課税文書の作成に当たり、現物に印紙税がかかる、としています。「念のため紙も郵送」は印紙の要否を変えます
  • 個別の事実関係を前提とした回答:文書回答は、照会に係る事実関係を前提にした福岡国税局の見解で、事実関係が違えば課税関係が変わることがある、と回答に明記されています
  • 紙に印刷して署名したものを渡すかどうか:発注者が「印刷して押印したものを郵送してほしい」と求める社内規程を持っていることがあります。その場合は紙の注文請書になるので、前の章の判定に戻ります

電子契約サービスを使う場合も、考え方の起点は「紙の現物を交付するかどうか」です。紙を交付しない運用にするなら、メールの文面で「電子データでのお送りのみ」と書いておくと、相手も同じ前提で処理できます。

注文請書の保存期間と、PDFで交わしたときの保存方法

印紙が不要になっても、保存の義務はなくなりません。法人は、取引に関して作成または受領した注文書・契約書などの書類を、その事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から7年間保存しなければなりません。欠損金が生じた事業年度などは10年間です(国税庁 No.5930 帳簿書類等の保存期間)。相手に渡した注文請書のような書類は、その写しを保存します(国税庁「電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】」問1の解説)。

PDFの注文請書を電子メールで送った場合や、発注者から注文書をPDFで受け取った場合は、電子帳簿保存法の「電子取引」に当たり、そのデータを電子のまま保存する必要があります。国税庁の「電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】」(令和8年7月)は、電子取引には電子メールで取引情報をやり取りする取引(添付ファイルによる場合を含む)が含まれ、保存の範囲は注文書・契約書・見積書などを紙で保存する場合と変わらない、としています(問2)。添付ファイルで受け渡したなら、その添付ファイルを保存します(問4)。

保存のしかたには、国税庁が示す要件があります(国税庁 パンフレット「電子取引データの保存方法をご確認ください」)。

  • 改ざん防止の措置:訂正・削除の履歴が残るシステムで保存する、または改ざん防止のための事務処理規程を定めて守る
  • 「日付・金額・取引先」で検索できること:たとえばファイル名を「20261021_550000_〇〇株式会社_注文請書.pdf」のように規則的に付けて、決めたフォルダに集める方法が例示されています
  • 画面や印刷で確認できること:ディスプレイやプリンタを備え、すぐに表示・出力できるようにしておく

注文書と注文請書を毎回メールの添付で受け渡すなら、案件ごとに同じ場所にまとめ、ファイル名の付け方を社内で決めておくと、後から探す手間も減ります。


取適法(旧下請法)と注文請書|受注側が確かめること

2026年1月1日に、下請法(下請代金支払遅延等防止法)の改正法が施行され、法律名が「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律」(略称:中小受託取引適正化法、通称:取適法)になりました。改正法は2025年(令和7年)5月16日に成立し、同月23日に公布されています(公正取引委員会 取適法)。用語も「親事業者」が「委託事業者」、「下請事業者」が「中小受託事業者」に変わっています(公正取引委員会 リーフレット)。

取適法が求めるのは、発注者の「4条明示」

取適法4条1項は、委託事業者が中小受託事業者に製造委託等をした場合は、直ちに、給付の内容、代金の額、支払期日および支払方法その他の事項を、書面または電磁的方法により明示しなければならない、と定めています。下請法では第3条にあった規定で、「3条書面」と呼ばれていたものが、改正後は第4条の明示(4条明示)になりました。

つまり、取適法で義務を負うのは発注者(委託事業者)で、対象は発注内容を明示する書類、いわば発注書の側です。受注者が出す注文請書は、取適法上の義務ではありません。取適法の対象になる取引で受注者がやるべきことは、注文請書を出すこと以上に、届いた発注書に明示すべき事項がそろっているかを確かめることです。

電子メールでの明示は、受注者の承諾がなくてもできる

改正前の下請法では、電子メールなどの電磁的方法で書面に代えるには、下請事業者の承諾が必要でした。取適法では、中小受託事業者の承諾の有無にかかわらず、電子メールなどの電磁的方法で明示できるようになっています(公正取引委員会 リーフレット)。電子メールのほか、EDI、ショートメッセージ、SNSのメッセージ機能など、受信者を特定して送る方法が含まれます(中小受託取引適正化法テキスト 38〜39ページ)。

そのかわり、取適法4条2項により、電磁的方法で明示を受けた中小受託事業者が書面の交付を求めたときは、委託事業者は遅滞なく書面を交付しなければなりません。ただし、中小受託事業者が電磁的方法での提供を希望すると申し出ていた場合など、公正取引委員会規則で定める場合は除かれます(同テキスト 42〜43ページ)。

届いた発注書で確かめる項目

同テキストは、4条明示で明示すべき具体的な事項を挙げています(同テキスト 37ページ)。受託・制作の取引で受注者が確かめたい項目に絞ると、次のとおりです。

明示事項受注者が確かめること
委託事業者と中小受託事業者の名称自社名と発注者名が正しいか
委託をした日発注日が書かれているか
給付の内容何を作れば完了かが分かる程度に具体的か。知的財産権を譲渡・許諾させる場合は、その範囲が書かれているか
給付を受領する期日・場所納期と納品先(データ納品なら受け渡しの方法)が書かれているか
検査をする場合は、検査を完了する期日検収の期日が書かれているか
代金の額金額が書かれているか(具体的な金額が難しいやむを得ない事情があるときは、算定方法)
代金の支払期日受領日から60日以内のできる限り短い期間で定められているか
支払方法(一括決済方式・電子記録債権など)現金化までの条件が書かれているか。取適法では手形払が禁止され、電子記録債権などで支払期日までに代金相当額の満額を得ることが難しい方法も禁止されています(リーフレット)
未定事項がある場合決まらない理由と、決める予定の期日が書かれているか

「給付の内容」について同テキストは、中小受託事業者がその内容を見て理解でき、委託事業者の指示に即した給付を作成できる程度の情報を明示する必要がある、としています。制作や開発の発注書が「〇〇サイト制作一式」だけなら、成果物一覧や見積書を引用してもらう、注文請書に別紙で範囲を書いて承諾してもらう、といった方法で、何を納めれば完了かを書面にしておくと、検収の段階で困りません。

支払期日のルールと、検収が長引いても支払期日が延びない点は、検収とはで公正取引委員会のQ&Aとあわせて説明しています。

自分の取引が取適法の対象かを確かめる

受託・制作の取引が、すべて取適法の対象になるわけではありません。取適法は、取引の内容(製造委託、修理委託、特定運送委託、情報成果物作成委託、役務提供委託)と、発注者・受注者の資本金または従業員数の組み合わせで対象が決まります。改正で、資本金の基準に加えて、従業員数300人・100人の基準が加わりました(公正取引委員会 リーフレット)。

情報成果物作成委託は、同テキスト(12〜13ページ)が3つの類型を示しています。発注者が販売・提供するものの作成を委託する場合、顧客から請け負った制作・開発を別の会社に再委託する場合、そして、発注者が自社で使う情報成果物の作成を業として行っている場合にその作成を委託する場合です。3つ目について同テキストは、自社のホームページや社内で使う会計用ソフトウェアなどの作成を社内に部門を設けて行っている場合を例に挙げ、発注する事業所で作成していなくても、他の事業所で作成していれば該当するとしています。そのため、一般の事業会社が自社で使うサイトの制作を制作会社に直接依頼する取引は原則として対象外ですが、「自社用だから必ず対象外」とは言い切れません。どの取引がどの基準になるかは、キックオフミーティングの進め方の取適法の章と、公正取引委員会のよくある質問コーナー(取適法)で確認してください。

受注者がフリーランス(特定受託事業者)の場合は、取適法の対象外の取引でも、フリーランス法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)3条1項により、発注者は給付の内容、報酬の額、支払期日などを、書面または電磁的方法で直ちに明示しなければなりません(e-Gov法令検索 フリーランス法)。こちらも、明示の義務を負うのは発注者です。


注文請書でよくある失敗と防ぎ方

最後に、受託・制作の注文請書で起きやすい失敗を、原因と防ぎ方とあわせてまとめます。

よくある失敗起きること防ぎ方
「〇〇制作一式」とだけ書いて承諾する納品後に「これも含まれていると思っていた」と言われる成果物一覧と対象外を別紙にし、版と日付で引用する
金額を「税込」とだけ書く第2号文書の記載金額が税込で判定され、印紙代が上がることがある税抜金額と消費税額を分けて書く
注文書と違う条件を書き足して返す承諾ではなく新しい申込みとみなされ、契約の成立があいまいになる条件を変えるなら、先に注文書を出し直してもらう
PDFで送ったあと、紙も郵送する紙の現物に印紙税がかかる電子だけで済ませるか、紙で交わすかを最初に決める
発注書に押印して返し、印紙を貼らない返送した書類が請書として課税文書になり、過怠税の対象になりうる署名返送を求められたら、印紙の扱いを発注者と確認する
範囲や納期の変更を口頭で済ませる注文請書の内容と実際の作業がずれ、検収や請求で揉める変更は書面(メールを含む)で合意し、必要なら注文書・注文請書を出し直す

変更を口頭で済ませてしまう問題は、注文請書だけでは防げません。打ち合わせで決めたことを、いつ・誰が・何を決めたかの形で残す方法は、「言った言わない」をなくす方法で扱っています。見積もりの段階で複数社を比べる側の作法を知っておきたい場合は、相見積もりとはも参考になります。


注文請書を交わしたあと、範囲と変更を顧客と同じ場所に残す

注文請書は、契約が成立した時点の約束を固定する書類です。ただ、受託・制作の仕事では、その後に確認や変更が何度も入ります。注文請書の別紙(成果物一覧・対象外・前提条件)と、その後の変更の合意、打ち合わせで決まったことが別々の場所にあると、納品の時点で「どれが最新の約束か」が分からなくなります。

注文請書と別紙、変更の記録、議事録を、案件ごとに発注者と同じ場所に置いておくと、検収や請求の段階で双方が同じものを見て話せます。顧客と同じものを見ながら仕事を進める考え方は、クライアントワークとはで整理しています。

注文請書と変更の記録を、顧客と同じRoomに残す

Terasuは、ページ・資料・議事録・タスクを案件ごとのRoomに集める共有ワークスペースです。注文請書や成果物一覧を同じRoomに置けば、先方が資料を閲覧したかどうかが分かり、議事録とあわせて何をいつ決めたかも残せます。クレジットカード不要で、まず1つの案件Roomから試せます。

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よくある質問(FAQ)

注文請書とは何ですか?

発注者から届いた注文書(発注書)の内容を、受注者が承諾したことを示すために作って渡す書類です。読み方は「ちゅうもんうけしょ」で、「請書」「発注請書」とも呼ばれます。注文書が申込み、注文請書が承諾にあたり、2つがそろうと契約が成立したことを書面で示せます。

注文請書の発行は義務ですか?

原則として法律上の義務はありません(建設工事の請負などを除く)。民法522条2項は、契約の成立には法令に特別の定めがある場合を除き書面の作成などの方式を必要としない、と定めています。建設工事の請負は、建設業法19条により、決められた事項を書いた書面に署名または記名押印して相互に交付する必要があります。それ以外の取引でも、引き受けた範囲と条件を書面で残すために発行しておくのが一般的です。

注文書と注文請書の違いは何ですか?

注文書(発注書)は発注者が出す「この内容で頼みたい」という申込みの書類、注文請書は受注者が出す「この内容で引き受ける」という承諾の書類です。印紙税では、単なる申込みの注文書は通常は課税対象外で、契約の成立を示す注文請書は、請負なら第2号文書になります。

注文請書に押印は必要ですか?

原則として法律上は必要ありません(建設工事の請負などを除く)。民法522条2項は、契約の成立に書面の作成などの方式を求めていないためです。建設工事の請負契約は、建設業法19条で署名または記名押印した書面の相互交付が求められます。ただし、発注者の社内規程で押印した紙の注文請書を求められることがあります。紙で渡す場合は、押印の有無にかかわらず、契約の中身で印紙が要るかを判定してください。

注文請書に収入印紙は必要ですか?

紙で渡す場合、契約の中身で決まります。請負なら第2号文書で、記載金額が1万円未満は非課税、1万円以上100万円以下は200円です。規格品の売買は原則として不課税で、委任契約書は国税庁が課税文書に当たらない文書の例に挙げています。表題が「請書」かどうかでは決まりません(国税庁の質疑応答事例)。

注文請書をPDFでメール送付した場合も印紙は要りますか?

紙の現物を渡さず、PDFなどを電子メールで送るだけなら、課税文書を作成したことにはならないとする福岡国税局の文書回答(2008年)があります。ただし、あとで紙の現物も渡すと、その紙に印紙税がかかります。回答は照会の事実関係を前提としたものなので、判断に迷う場合は税務署に確認してください。

注文請書の金額は税込と税抜のどちらで書けばよいですか?

税抜金額と消費税額を分けて書くのがおすすめです。第2号文書では、消費税額が区分して記載されていれば、税抜の金額が印紙税の記載金額になります。「税込」とだけ書くと、税込の金額で判定されます(国税庁 No.7124)。

発注書に押印して返送するだけでも印紙は要りますか?

要る場合があります。公正取引委員会・中小企業庁のテキストは、請負契約などの課税事項がある取引で、発注書に署名や押印をして返送したり、「承諾した」旨を書いて返送したりすると、承諾文書(請書)を作成・交付したことになり、印紙税の課税文書になって、受注者が納税義務者になると説明しています。

取適法では注文請書が必要になりましたか?

いいえ。取適法4条が求めているのは、発注者(委託事業者)が発注内容を書面または電磁的方法で明示することで、受注者が出す注文請書は義務ではありません。改正で、受注者の承諾がなくても電子メールなどで明示できるようになりました。受注者は、届いた発注書に給付の内容、代金の額、支払期日などがそろっているかを確かめます。


まとめ

  1. 注文請書は、注文書への承諾を示す受注者の書類:発行は原則として義務ではありませんが(建設工事の請負は建設業法19条で書面の相互交付が必要)、引き受けた範囲と条件を書面に残せます
  2. 受託・制作では、成果物・対象外・検収・変更の手続きまで書く:別紙は版と日付で引用し、金額は税抜と消費税額を分けて書きます
  3. 印紙は表題ではなく中身で決まる:請負なら第2号文書(1万円以上100万円以下は200円)、売買は原則として不課税、委任は原則として課税文書に当たりません。金額を書かずに注文書や見積書を引用しても、引用先で金額が明らかなら、その金額で判定されます
  4. 紙を渡さず電子メールで送るだけなら、課税文書の作成に当たらないとする国税局の回答がある:あとで紙を渡すと課税されます。発注書への署名返送も請書になりえます
  5. 取適法が明示を求めるのは発注者の発注内容:受注者は、届いた発注書に明示すべき事項がそろっているかを確かめます

次に注文書が届いたら、注文請書を作る前に、注文書に「何を作れば完了か」が書かれているかを確かめてください。

本記事の情報について: 法令の条文(民法・建設業法・フリーランス法)はe-Gov法令検索、印紙税と書類の保存の取扱いは国税庁のタックスアンサー(令和8年4月1日現在の法令等)、質疑応答事例(令和7年8月1日現在の法令・通達等に基づいて作成と注記されたもの)、「電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】」(令和8年7月)および福岡国税局の文書回答事例、取適法の内容は公正取引委員会のウェブサイト・リーフレットと、公正取引委員会・中小企業庁「中小受託取引適正化法テキスト」(令和7年11月)で、2026年10月21日に確認しています。注文請書のテンプレートとメールの文例は Terasu 編集部が作成したひな形で、実在の企業や取引のものではありません。個別の取引の印紙税の扱いは税務署や税理士に、契約の内容は法務担当者や弁護士に確認してください。

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